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女性アスリートのトライアドとRED-Sに関する研究の現状 2015年以降、米国・中国を中心に論文発表が増加

女性アスリートのトライアド(三主徴)とスポーツにおける相対的エネルギー不足(RED-S)に関する研究の進歩を、書誌計量学的に分析した報告を紹介する。2015年以降に論文発表数が増加してきており、とくに中国と米国の貢献が大きいという。米国の研究者らの報告。

女性アスリートのトライアドとRED-Sに関する研究の現状 2015年以降、米国・中国を中心に論文発表が増加

トライアド、RED-S関連の査読済み論文を網羅的に収集して解析

女性アスリートのトライアドやRED-Sが、エネルギー不足を基盤としつつ、生理学、医学、心理学、社会学など多くの学問系統にわたる病態として形成されているとの理解が深まり、近年、さまざまな領域で研究が行われるようになってきた。今回紹介する論文では、それらの研究論文を対象に書誌計量学的な分析を行い、報告論文数の推移、報告者の国籍、研究者の国際間協力関係、発表ジャーナルなどの特徴を明らかにしている。

Web of Science Core CollectionおよびPubMedデータベースを用いて、査読済みの論文を検索。検索キーワードとして、Female Athlete Triad、female athlete triad syndrome、RED-S、relative energy deficiency in sportなどを用いた。現在入手可能な研究を網羅的に収集するため、発行日や言語に関する制限は設けなかった。

研究の国際ネットワークと研究拠点

この領域の国際研究において、中国はネットワークの中心的な位置づけとなる主要発表国であった。2番目は米国であり、多くの国々とのつながりを持つ主要なグループを形成していた。その他の重要な研究発表国として、韓国、英国、カナダ、欧州諸国が挙げられた。オーストラリア、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、オランダなどは、発表論文数は少ないが、データセット内の他国との連携が一定程度認められた。

ネットワーク内では、いくつかの研究機関が中心的な役割を担っていた。米国のハーバード大学、スタンフォード大学、ペンシルベニア州立大学、ボストン小児病院などはネットワークの規模が大きく、相互接続が密であった。アジアにおいては中国の上海交通大学、中山大学、重慶医科大学、南方医科大学、韓国のカトリック大学、全南大学校などの大学が、重要な拠点として挙げられた。

全体的にこれらのネットワークは、女性アスリートのトライアドとRED-Sに関する研究が学術機関や医療機関に集中していて、複数の国や地域にまたがる協力関係が確立され存在することを示している。

論文掲載ジャーナルの傾向

「Medicine and Science in Sports and Exercise」は、この領域で最も多くの論文を掲載しており、アスリートの健康状態やエネルギーレベルに関する研究にとって最も重要なジャーナルと言える。そのほかには、「British Journal of Sports Medicine」、「Nutrients」、「Journal of Endodontics」、「Medicine Science in Sports and Exercise」などが多くの論文を掲載しており、これらを合わせると、女性アスリートのトライアドとRED-Sに関する論文全体の相当の部分を占める。一方でリストの下位にあたる一部の学術誌は掲載論文数が少ないが、これはトライアドやRED-Sの研究において、新たな、またはより専門的な研究領域が存在することを示唆していると考えられる。

全体として、トライアド、RED-S関連の論文の多くはスポーツ医学や運動科学の専門誌に掲載されており、その他の文献はより一般的な生物医学や栄養学の専門誌に掲載されている。

国別の比較および代表的な研究者

トライアド、RED-S関連の論文を最も多く報告している国は中国であり、米国が僅差でそれに続いた。また、韓国、日本、インド、英国なども比較的多くの論文を報告している。その他の多くの国々の貢献もみられる。全体として、女性アスリートのトライアドとRED-Sに関する研究は世界的な取り組みと言えるが、出版活動の大部分は比較的限られた数の国に集中していることが明らかである。

著者別に執筆論文数の上位をみると、最も多くの論文を著しているのは米国ペンシルベニア州立大学の運動生理学者であり、月経機能障害や骨密度の低下など、身体活動を行う女性におけるエネルギー不足の生理学的影響に焦点を当てた報告が多かった。

研究資金のサポート機関

トライアド、RED-S関連の研究に、多くの機関が資金を提供していることがわかった。しかし、論文の件数全体に占める資金提供を受けた研究の割合はごくわずかである。

そのなかで、中国国家自然科学基金(National Natural Science Foundation of China;NSFC)は明らかに最大の資金提供元であり、サポートした研究論文数において、他のいかなる資金提供元をもはるかに凌駕している。

NSFCのほかには、米国保健福祉省と韓国研究財団が主要な資金提供機関として挙げられ、日本学術振興会(Japan Society for the Promotion of Science;JSPS)もまた、東アジアにおけるこの領域の研究への継続的な支援を示す重要な資金提供機関として際立ってる。

発表言語、発行の時期

女性アスリートのトライアドとRED-Sに関する研究報告の言語は、圧倒的に英語が多かった。2番目に多い言語は中国語で、次いでドイツ語、そしてフランス語であった。報告数は少ないながら、スペイン語、ポルトガル語、ロシア語、韓国語、日本語なども用いられている。

全体の論文数は2010年代後半から2020年代前半にかけて増加し続け、とくにここ数年で最大となっている。報告数は年によって若干のばらつきがあるものの、全体的な傾向としてはこの分野への関心の高まりと、学術研究への強い取り組みがみてとれる。

文献情報

原典論文のタイトルは、「Evolution of Research on the Female Athlete Triad and Relative Energy Deficiency in Sport" (RED-S)」。〔Orthop Rev (Pavia). 2026 Feb 18:18:157624〕
原文はこちら(Open Medical Publishing)

SNDJ特集「相対的エネルギー不足 REDs」

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