厚労省「第14回中高年者縦断調査」の結果から、健康・スポーツ関連をピックアップ
厚生労働省の「第14回中高年者縦断調査(中高年者の生活に関する継続調査)」の結果が公表された。同調査は平成17年度(2005年度)に始まり、団塊の世代を含む全国の中高年者世代を追跡し、健康・就業・社会活動について意識面・事実面の変化の過程を年1回の頻度で継続的に調査している。
第14回調査の調査対象は63~72歳の2万1,587人、回収率95.8%。ここではスポーツや健康に関する調査項目を中心に紹介する。
健康維持のため、男性は「適度な運動」、女性は「バランスの良い食事」に配慮している
第1回調査からの 13 年間、健康状態がずっと「よい」と思っている人は、男性・女性ともに全ての年齢階級(63~64歳、65~69歳、70~72歳の各階級)で4割以上を占めていた。その人たちが「継続して健康維持のために心がけていること(複数回答)」は、男性は「適度な運動をする」(15.3%)、女性は「バランスを考え多様な食品をとる」(19.6%)が最も多かった。
図1 性別にみた健康状態の変化が「第1回からずっと'よい'」と思っている人が健康維持のために心がけていること(複数回答)
余暇・社会参加活動は、こころの状態の良さと関連
第1回調査から 13 年間の余暇・社会参加活動状況の変化をみると、「第1回から活動している」のは、「趣味・教養」が 22.1%と最も多く、次いで「スポーツ・健康」15.8%、「地域行事」6.8%だった。
図2 第1回調査から第14回調査までの余暇・社会参加活動状況の変化
第1回調査からの 13 年間、「趣味・教養」「スポーツ・健康」「地域行事」の活動を続けている人は、「第1回から活動していない」という人に比べて、こころの状態が良いと答える人の割合が多かった。
このうち、スポーツ・健康とこころの状態の関連をみると、例えば過去1カ月間に「絶望的だと感じた」ことが「全くない」と答えた人は、第1回からスポーツ・健康活動を続けている人では83.1%に対し、第1回からスポーツ・健康活動をしていない人では69.1%だった。同様に「自分は価値のない人間と感じたか」に「全くない」と答えた人は同順に、83.5%と71.8%、「神経過敏に感じたか」は57.0%と46.8%だった。
余暇・社会参加活動をしている人は、情報通信機器を駆使している
第14回調査における情報通信機器の使用状況をみると、「使用している」が90.7%、「使用していない」が8.3%で、使用している機器は、「携帯電話」が53.7%、「スマートフォン」39.1%、「パソコン」28.9%だった。
情報通信機器を「使用している」と答えた人の割合を、余暇・社会参加活動の活動状況別にみると、「趣味・教養」「スポーツ・健康」「地域行事」「子育て支援・教育・文化」「高齢者支援」「その他の社会参加活動」の全てで、「活動していない」人より「活動している」人の方がその割合が高かった。
例えば「スポーツ・健康」活動をしている人の情報通信機器利用率は93.7%、「スポーツ・健康」活動をしていない人では88.7%だった。
図3 第14回調査の余暇・社会参加活動の有無別にみた情報通信機器を「使用している」人の状況
関連情報
厚生労働省/第14回中高年者縦断調査(中高年者の生活に関する継続調査)の概況