スポーツ栄養WEB 栄養で元気になる!

SNDJクラブ会員募集中! 詳細はこちら
一般社団法人日本スポーツ栄養協会 SNDJ公式情報サイト
ニュース・トピックス

運動量と食事量のバランス制御に脳神経ペプチド「オレキシン」が関与 肥満抑制効果に期待

2019年10月24日

オレキシンという神経ペプチドがもつ、体重を増やしにくくする作用の詳細が明らかになった。東邦大学医学部解剖学講座、筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構による研究グループの成果で、「iScience」への論文掲載とともに、筑波大学のサイト内にプレスリリースが掲載された。

運動と摂食のエネルギーバランスに対するオレキシンの関与が明らかに

オレキシンは脳内の視床下部外側野という部分で産生される神経ペプチドで、睡眠や摂食、エネルギー代謝を制御している。オレキシン神経の後天的な脱落でナルコレプシーという睡眠障害が発症する。またオレキシンの作用を抑制する受容体拮抗薬が既に不眠症治療薬として臨床応用されている。

今回の研究ではまず、野生型マウスがいくらでも運動できる回転ホイールを設置したゲージ内で、高脂肪食を与えて飼育した。すると高脂肪食であるにもかかわらず、体重増加が抑制されることを確認した。次にオレキシン神経を後天的に欠損させたマウスを同様の環境で飼育したところ、肥満の亢進が認められた。これにより、オレキシン神経が運動量と摂取量のバランスをとり、体重維持に関係していることがわかった。

続いて、1型と2型という2種類があるオレキシンの受容体のそれぞれを欠損させてエネルギー代謝を検討。オレキシン1型受容体欠損マウスは高脂肪食でも肥満を生じにくい一方で、オレキシン2型受容体欠損マウスでは高脂肪食で飼育するとエネルギー消費量が減少することがわかった。ただし、どちらの受容体欠損マウスもオレキシン神経欠損マウスほど肥満しなかったことから、各受容体シグナルは肥満を抑える効果があると考えられた。

以上の研究から、オレキシン神経は高脂肪食と運動のバランスをとることで太りにくい状態を維持していること、各オレキシン受容体はエネルギー代謝に関して特異的な役割を持っていることが示された()。

運動量と食事量のバランス制御に脳神経ペプチド「オレキシン」が関与 肥満抑制効果に期待
(出典:筑波大学プレスリリース)

著者らは「本研究の成果は運動と食事を通した健康なライフスタイルの確立、オレキシン受容体を標的とした抗肥満薬の開発への貢献が期待される」と述べている。

オレキシンによる体重制御の仕組みを解明(筑波大学プレスリリース)

文献情報

論文のタイトルは「Differential Roles of Each Orexin Receptor Signaling in Obesity」。〔iScience. 2019 Sep 9;20:1-13〕

原文はこちら(Elsevier Inc.)

オレキシンとは

オレキシン(脳科学辞典)

関連記事

スポーツ栄養Web編集部
facebook
Twitter
LINE
ニュース・トピックス
元気”いなり”プロジェクト
元気”いなり”プロジェクト
SNDJクラブ会員登録
SNDJクラブ会員登録

スポーツ栄養の情報を得たい方、関心のある方はどなたでも無料でご登録いただけます。下記よりご登録ください!

SNDJメンバー登録
SNDJメンバー登録

公認スポーツ栄養士・管理栄養士・栄養士向けのスキルアップセミナーや交流会の開催、専門情報の共有、お仕事相談などを行います。下記よりご登録ください!

スポーツ栄養”見える”化プロジェクト
スポーツ栄養”見える”化プロジェクト「パフォーマンスを、栄養で、マネジメントする」
  • 自転車競技
    中井彩子 選手 ✕ SNDJ

アスリートをサポートする公認スポーツ栄養士の仕事とは? このコーナーでは勝負の現場で働いているSNDJメンバーからのリポートをご紹介。スポーツ栄養の”チカラ”を”見える化”し、その世界を紐解きます

セミナー・イベント情報
このページのトップへ