ペットは犬がおススメ!? 他のペットの飼い主より健康的な食事・運動習慣の人が多い
ペットを飼っている人は健康的な生活習慣の人が多く、特に犬を飼っている人でその傾向が強いことがわかった。チェコで行われているコホート研究からの報告。
この研究の対象はチェコ第二の都市であるブルノに住む25~64歳の一般市民1,769名。対面式インタビューによって、ペットを飼っているか否か、飼っている場合はその種類を確認した。ペットの種類は、犬、猫、馬、その他のいずれかから回答を得たが、犬以外の回答はそれぞれ少数だったため合計し、最終的に、犬の飼い主、犬以外のペットの飼い主、ペットを飼っていない人の3群に分けて、心血管健康スコア(Cardiovascular Health Score;CVHスコア)との関連を検討した。
CVHスコアは、BMI、健康的な食生活、身体活動量、喫煙習慣、血圧、血糖値、総コレステロールという7因子で構成され、それぞれを0、1、2の3段階で評価。合計14点満点で点数が高いほど、心血管疾患の予防に適した生活習慣と判定される。
結果について、まず対象者のペットの所有率をみると、42%か何かしらのペットを飼っていて、全体の約4分の1(24.3%)にあたる429名は犬を飼っていた(そのうち328人は犬のみ、101人は犬と他のペット)。
ペットの飼い主は飼っていない人に比較し、年齢が若く、男性が少なく、現喫煙者が多く、高血圧および糖尿病の既往が少なく、HDL-Cが高く、そしてCVHスコアが高いといった点で有意な差がみられた。現喫煙者が多いこと以外は、ペットを飼っている人の方が健康的な生活を送っていて、実際に健康状態が良いことが示された。
CVHスコアの各因子を比較すると、ペットを飼っている人は健康的な食生活を送っている割合が高く(p<0.001)、身体活動量が多く(4,265 vs 2,805MET-週/分;p<0.001)、血糖値が低く(p<0.05)、いずれも群間に有意差があった。
次に、犬の飼い主と犬以外のペットの飼い主を比較すると、犬の飼い主は、高齢で、現喫煙者率が高く、身体活動量が多いという有意な違いが認められた。CVHスコアの各因子を比較すると、犬の飼い主は犬以外のペットの飼い主より、健康的な食生活を送っている割合が高く(p<0.01)、身体活動量が多く(4,833 vs 3,217MET-週/分;p<0.001)、群間に有意差があった。
以上をまとめると、ペットを飼っている人は飼っていない人よりも、喫煙者率が高いことを除き健康的で心血管疾患になりにくい生活を送っており、中でも犬を飼っている人は犬以外のペットを飼っている人よりもさらに健康的な生活を送っていることがわかった。
文献情報
原題のタイトルは、「Dog Ownership and Cardiovascular Health: Results From the Kardiovize 2030 Project」。〔Mayo Clin Proc Innov Qual Outcomes. 2019 Aug 23;3(3):268-275〕