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真夏のアスファルトには要注意! 直接触れると2秒でヤケドする可能性

真夏のアスファルトには要注意! 直接接すると2秒でヤケドする可能性

今年はようやく峠を越したようだが近年の日本の夏は毎年、酷暑続き。来年の夏にはこの環境で東京オリンピック・パラリンピックが開催される。既に、マラソンなどの屋外競技をこの酷暑環境の中で行うことに対し、多くの対策が提案・試行されている。しかし夏季の屋外イベントには、もう一つ、意外な注意点があるかもしれない。

米国のネバダ州にある医療機関からの報告で、過去5年間にアスファルト舗装関連の熱傷症例が173件あったという。ネバダ州は乾燥した砂漠地帯が多く、夏季は気温が50℃以上になることもある。ただしアスファルト舗装関連の熱傷は、気温がそこまで高くなくても発生しているようだ。

同報告によると173件の熱傷のうち88%は周辺温度35度以上での発生とのことで、日本の真夏と比べさらに極端な暑さとは必ずしも言えない。そして周辺温度が43.9℃に達した時に、アスファルト舗装の温度は64℃を記録したとの報告もあり、その温度では肌が直接接した場合、わずか2秒で2度の熱傷、数秒で2~3度の熱傷(傷害が皮膚の表皮にとどまらずに真皮や皮下組織まで及ぶ)を引き起こすことがあるという。

この報告では、173件中、自動車との接触などが関与して発生した熱傷は24件にとどまり、残り149件は単独で発生した熱傷であることも注目に値する。著者らは、身体等に障害がある人、糖尿病などのために神経障害がある人、あるいは発作等により路上に横たわる必要のある人なども、アスファルト舗装関連熱傷のリスクであると述べている。

なお、173件の熱傷のTBSA(体表面積に占める熱傷面積の割合)は平均7.7%、中央値6%で、最高値は41℃の時に発生した患者の38%だったという。

本論文は屋外スポーツでの熱傷については触れていない。しかし、真夏の日中の屋外で体調不良になり休憩するときや、体調不良の人を介助する時には、地面がアスファルトでないかどうか確認すべきであることを示唆する内容と考えられる。

文献情報

原題のタイトルは、「A 5-Year Review of Pavement Burns From a Desert Burn Center」。〔J Burn Care Res. 2019 Jun 21;40(4):422-426〕

原文はこちら(Oxford University Press)

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