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階段を上る階数と全死亡率が逆相関 ウォーキング歩数などで補正しても有意差

階段を上る階数と全死亡率が逆相関 ウォーキング歩数などで補正しても有意差

生活習慣病の予防や治療において「エレベーターやエスカレーターを使わずに階段を使うこと」が日常診療で推奨されているが、実際に階段を上ることで死亡率が低下するというデータが報告された。

この研究は、1916年から1950年に米ハーバード大学で学部生として在籍していた男性を対象とする前向きコホート研究。1960年代に開始され、卒業生に疾患の罹患状況と健康関連行動に関する調査票を定期的に送付している。今回の調査では1988年の調査に回答した1万2,805名から、がんや心血管化疾患の罹病歴のある者を除いた8,874名を対象とした。

追跡期間12.4年(中央値)のベースラインにおいては、1週間あたりの階段を上った階数と、年齢、BMI、余暇の身体活動レベル、喫煙状況、アルコール摂取量に顕著な差はなかったが、高血圧と糖尿病は階段を多く上っている者ほど罹患率が低かった。追跡期間中に4,063名が死亡し、うち1,195名は心血管死だった。

1週間あたりの階段を上った階数を10階未満、10~19階、20~34階、35階以上に分け、年齢、ウォーキング歩数、スポーツやレクリエーションでの運動量で調整し、全死亡のリスクとの関連を検討したところ、階段をより多く上っている群ほどリスクが低下しており、有意な傾向性が認められた(p trend<0.001)。具体的には、10階未満に比較し、10~19階のハザード比(HR)は0.91、20~34階では0.87、35階以上では0.82だった。さらに調整因子として、喫煙状況、アルコール摂取量、BMI、糖尿病や高血圧の罹患を追加しても、この関連はなお有意であり(p trend<0.001)、HRは同順に、0.92、0.87、0.84だった。

この結果について著者らは、「高層階の居住者は低層階の居住者より死亡リスクが低いという既報の疫学研究と一致するもの」とし、その背景として、階段を上るために要する身体活動量の増加、高層階での空中汚染物質の少なさ、および高層階に居住するための経済的な豊かさなどが関係している可能性を考察しつつ、結論としては「階段を上るというわずかな身体活動レベルの変化が健康上の利益をもたらす可能性を強調するものだ」と述べている。

なお、心血管疾患による死亡リスクとは有意な関連がみられなかったことや、上った階数が少ない群では既に初期のフレイルに該当する者が多く含まれていた可能性があることなどが、本研究の結果を解釈する際の留意点として挙げられる。

文 献

原題のタイトルは、「Associations of self-reported stair climbing with all-cause and cardiovascular mortality: The Harvard Alumni Health Study」。〔Prev Med Rep. 2019 Jun 28;15:100938〕

原文はこちら(Elsevier)

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