夜間の運動による睡眠やエネルギー摂取量への影響
睡眠直前の激しい運動は睡眠に悪影響を及ぼすとの報告があるが、結論は得られていない。一般成人が身体活動量を増やすためには実際のところ夜間に運動するしかないことが多いことから、この点は明らかにされるべき問題と言える。
本研究では非活動的な男性11名に対し、睡眠モニタリングを施行し睡眠障害を除外した上で、30分の高強度インターバル運動( VO2peak100%で1分と同 50%で4分を6回)を、朝(6~7時)、昼(14~16時)、夜(19~20時)のいずれかに施行させ、グレリン、レプチン等の食欲関連ホルモンや血糖値の測定、自己申告による食物日記の記載、睡眠ポリグラフ検査などを行った。
その結果、総睡眠時間について試験間の差は認められなかった。夕方に運動した場合、脳が覚醒している状態であるレム睡眠は有意に少なく、ノンレム睡眠は有意に長かった。
運動後30分において、食欲を増進させるグレリンは、朝および夜の運動に比較し午後の運動において有意に高値を示した。血糖値は、午後および夜の運動に比較し朝の運動において有意に高かった。
食欲やエネルギー摂取量については群間差がなかった。
まとめると、夜間の高強度インターバル運動は、睡眠障害を惹起せず、グレリンを減少させるが食欲およびエネルギー摂取量は運動する時刻に影響されないという結果が得られた。
原題のタイトルは「Evening high-intensity interval exercise does not disrupt sleep or alter energy intake despite changes in acylated ghrelin in middle-aged men」。〔Exp Physiol. 2019 Feb 23.〕