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女性は運動にサプリを追加すると筋力アップする? メタ解析で見えたクレアチンの可能性

男性に比べて女性は加齢に伴う筋肉量や骨量の低下が速いことが知られている。そのような加齢変化に対して運動介入の有用性は多くの研究に基づくエビデンスがあるが、運動介入にサプリメント摂取を上乗せした場合に、相加的な効果を得られるのだろうか。この疑問をシステマティックレビューとメタ解析で検討した研究結果を紹介する。

女性は運動にサプリを追加すると筋力アップする? メタ解析で見えたクレアチンの可能性

閉経前女性でも、運動にサプリ追加は有効?

女性は閉経前後から筋肉量や骨量の減少が加速することが知られている。例えば閉経移行期には筋肉量が年間0.5~1.0%減少し、これは同年齢の男性の0.3~0.8%より大きい。また骨量に関しては閉経後の最初の5年間は1年につき1~3%減少するという報告がある。こうした二重の負荷は、バランス障害、日常生活動作能力の低下、転倒リスク増大につながり得る。

このような筋肉量や骨量の低下に対して、運動介入が有効であることは既に実証されている。一方、サプリメントを利用した栄養介入に関しても、説得力のある理論的根拠が存在する。しかし、運動介入にサプリ摂取を追加した場合に、有効性がより向上するのかという点は明らかでない。65歳以上の高齢者を対象とする研究のシステマティックレビューでは、タンパク質摂取とレジスタンストレーニングの並行介入で筋肉量・筋力の増大が示されてはいるが、前述のように女性の筋骨格系の加齢変化は閉経移行期に急速に進展する。

このことから、今回紹介する論文の研究では、高齢者に限らず、閉経前女性を対象に行われた研究も含めたシステマティックレビューとメタ解析により、運動とサプリ摂取による並行介入の相加的効果の有無を検討している。

閉経前や閉経移行期の女性対象研究も含めたメタ解析による検討

システマティックレビューとメタ解析のための優先レポート項目(PRISMA)ガイドラインに準拠して、CINAHL、Cochrane Central Register of Controlled Trials、Embase、PsycINFO、MEDLINE/PubMed、Scopus、Web of Scienceなど8種類の文献データベースを用いた検索が行われた。包括基準は、閉経の前か後かにかかわらず、女性を対象に運動プログラムとサプリによる栄養介入を行い、筋骨格系への複合効果を検討した無作為化比較試験(RCT)であり、各文献データベースのスタートから2025年7月までに収載された報告。運動プログラムは、レジスタンストレーニングまたは有酸素運動、およびそれらの組み合わせとして行われたものとした。栄養介入は、全タンパク質サプリ、分岐鎖アミノ酸などの個々のアミノ酸、クレアチンなどのアミノ酸誘導体、およびタンパク質由来ペプチドを用いたものとした。

一次検索で2,117報がヒットし、重複削除後の1,454報を2名の研究者がタイトルと要約に基づくスクリーニングにより140報に絞り込み、全文精査の対象とした。採否の意見の不一致は討議により合意を得た。

最終的に14件の研究報告が適格と判断された。

抽出された研究の特徴

14件のうち5件は米国、4件はブラジルからの報告で、その他、カナダとドイツが各2件、ニュージーランドが1件だった。

研究参加者数は合計763人であり、平均年齢は32.8~67.1歳で、2件は42歳未満の閉経前女性のみを対象とし、他の2件は閉経移行期の女性、その他は閉経後の女性を対象に行われていた。ベースラインのBMIは24.0±3.9~35.0±3.4の範囲だった。大半の研究は、ホルモン補充療法の併用を禁止していた。

介入期間は8~96週間で、中央値は16週間だった。栄養介入に用いられていたサプリは、クレアチン、ロイシン、L-シトルリン、ホエイプロテイン、コラーゲンペプチドなどであった。

運動介入としては主として週に2~3回のレジスタンストレーニングが行われ、これにウォーキングやインターバルトレーニングを追加した研究が多かった。レジスタンストレーニングの負荷強度は概ね、ベースラインで40~50%1RM(1回だけ施行可能な最大強度〈one-repetition maximum〉の40~50%)、介入後期には60~80%だった。

クレアチンの上乗せが上半身の筋力に有用な可能性を示唆する結果

解析は、筋肉量や脂肪量などの体組成、および筋力、骨密度といった評価指標ごとに行われている。栄養介入に用いたサプリの種類別のメタ解析は、それぞれの研究件数が少ないため実施されず、記述的に要約されている。

筋力への影響

ベンチプレス

ベンチプレスについて4件の研究報告があり、1件はサプリ上乗せの有意な結果を報告していた。メタ解析の結果も有意だった(効果量〈Hedgesのg〉=0.279〈95%CI;0.008~0.550〉)。注目すべきこととして、4件の研究のうち3件は、クレアチンによる介入を行っていた。著者らは、「この結果は高強度抵抗運動におけるクレアチンの確立されたエルゴジェニック効果に大きく起因していると考えられる」と述べている。

握力

握力について3件の研究報告があり、1件はサプリ上乗せの有意な結果を報告していた。メタ解析の結果も有意だった(効果量〈g〉=0.412〈95%CI;0.039 ~0.786〉)。

下肢筋力

レッグプレスについて5件、レッグエクステンションについて3件、ハックスクワットについて2件の研究報告があり、いずれも単独で有意性を報告した研究はなかった。メタ解析の結果もすべて非有意だった。

筋肉量や脂肪量、骨量への影響

筋肉量について3件、除脂肪量について7件、四肢除脂肪量について4件の研究報告があり、いずれも単独で有意性を報告した研究はなかった。メタ解析の結果もすべて非有意だった。

骨の健康状態は5件の研究報告があり、メタ解析の結果は非有意だった。

今後はより長期間の介入、サプリの種類別の直接比較が望まれる

著者らは、「本研究の結果は、生殖年齢を含む女性において、サプリメントを運動と組み合わせた場合に、筋肉量や骨の健康に対する相加的な効果が強く現れることを裏付けていない。唯一、クレアチンサプリメントを用いた研究では、上半身の筋力に選択的な改善が見られた」と総括している。

また、「運動だけでも、筋骨格系の健康に確かな効果が得られる。今後の研究では、介入期間を12カ月以上に延長し、部位別の評価および、サプリメントの種類の直接比較が求められる」と付言されている。

文献情報

原典論文のタイトルは、「Nutritional Supplementation Combined with Exercise for Musculoskeletal Health in Women: A Systematic Review and Meta-Analysis Evaluating Proteins, Amino Acids, and Creatine across Reproductive Stages」。〔Int J Med Sci. 2026 Apr 16;23(6):1933-1951〕
原文はこちら(Ivyspring International Publisher)

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