食事時刻が規則正しいほど産後うつ症状が低い 日本人841人を対象に調査 広島大学
食事時刻が規則正しいことと、産後うつ症状が低いことに有意な関連があることがわかった。一方で朝食欠食の習慣と産後うつ症状には、関連がみられないという。広島大学などの研究グループの成果であり、論文が「BMC Pregnancy and Childbirth」に掲載されるとともに、プレスリリースが発行された。

研究の概要:食事を「いつ食べるか」も産後うつリスクに関連するか?
広島大学、早稲田大学、コンビ(株)の研究グループは、日本国内の生後0~12カ月の第一子を持つ女性を対象に、産後のメンタルヘルスと食事時刻の規則性との関連を明らかにすることを目的とした研究を実施した。
その結果、ふだんの食事時刻が規則正しい人は、不規則な人に比べ、産後うつ症状の指標であるエディンバラ産後うつ病質問票(EPDS)※1のスコアが有意に低いことがわかった。一方、朝食の摂取頻度とEPDSスコアには有意な関連がみられなかった。
※1 EPDS:スコアが高いほど、うつ症状が強いことを示す。
本研究は、食事内容だけでなく「いつ食べるか」という視点が、産後のメンタルヘルスを考えるうえで重要である可能性を示している。
図1 食事時刻の規則正しさと産後うつの関連

研究の背景:時間栄養学に基づく産後うつ対策を探る
産後うつは、出産後の女性の約12~17%が経験するとされ、本人の生活の質だけでなく、育児にも影響を及ぼす重要な課題。しかし、有効な予防・改善方法は十分に確立されていない。
同研究グループではこれまで、「いつ食べるか」という食事のタイミングを考える時間栄養学の研究を進めてきていた。とくに、一般就労者を対象とした研究から、食事時刻の不規則さが生活習慣の乱れや睡眠障害とともに、抑うつや不安といったメンタルヘルスの低下と関連することを報告してきた。
育児期は、夜間の授乳や子どもの世話によって、生活リズムが乱れやすい時期。そこで本研究では、産後のメンタルへルスと食事時刻の規則性との関連を明らかにすることで、育児期の健康を支える新たなアプローチの確立につなげることを目指した。
研究成果の内容:生後1年未満の第一子の母親を対象にWeb調査
日本国内の生後0~12カ月の第一子を持つ女性841人を対象に、匿名のWeb調査を実施した。産後のメンタルヘルス状態は、エディンバラ産後うつ病質問票(EPDS)を用いて評価した。また、自己記入式の質問票で、食事時刻の規則性と朝食の摂取頻度を調べた。分析にあたっては、健康状態や睡眠の特徴、パートナーの勤務日数など、食事以外に影響を及ぼす可能性のある要因を考慮した。そのうえで、一般化推定方程式という統計手法を用いて、EPDSスコアと食事習慣との関連を検討した。
その結果、食事時刻が規則正しい人は、不規則な人と比較して、EPDSスコアが有意に低いことが確認された(図2)。また、一般化推定方程式を用いた解析結果からは、朝食を食べるかどうかよりも、「食事時刻の規則性」が、よりEPDSスコアと関連していることが示された。
図2 食事時刻の規則性とEPDS

これらの結果から、食事内容だけでなく「食べる時刻」という観点が、産後のメンタルヘルスにおいて新たな行動改善の手がかりとなる可能性が示唆された。
産後1年間は、産後うつの発症リスクが高いことが知られている。本研究により食事習慣を整えることが、その軽減につながる可能性が示唆された。著者らは、「今後は本研究の結果を基に、育児期の心身の健康をサポートする取り組みをさらに推進していく」としている。
プレスリリース
【研究成果】規則正しい時刻に食事を摂る人は、産後うつ症状が低いことが判明(広島大学)
文献情報
原典論文のタイトルは、「Association between mealtime regularity and breakfast frequency with postpartum depression in first-time Japanese mothers: a cross-sectional study」。〔BMC Pregnancy Childbirth. 2026 May 13;26(1):718〕
原文はこちら(Springer Nature)








熱中症予防情報
SNDJユニフォーム注文受付中!

