日本人成人の半数以上が身体活動の推奨量に届かず 全国2,459人の活動量計調査
明治安田厚生事業団と笹川スポーツ財団は10月7日、共同研究「活動量計による身体活動・スポーツの実態把握調査2025」の結果を公表した。成人の中高強度身体活動時間は1日あたり56.2分であること、厚生労働省の推奨量の達成率は45.1%であり、運動・スポーツ実施者でも43.3%は未達成であることなどが報告されている。

これまでに全国規模で客観的に把握されてきた身体活動指標は歩数が中心であり、実際に国民がどの程度身体を動かしているのかは十分に明らかになっていなかった。そこで本調査では、身体活動※1に費やす時間や活動強度、座位時間を詳細に測定できる「活動量計※2」を用い、身体活動の実態を客観的に把握した。
※1 身体活動:「安静にしている状態より多くのエネルギーを消費する全ての活動」を指し、仕事、家事、移動、運動・スポーツを含む。通常歩行や庭仕事、水泳などの活動が中高強度身体活動に、それより低い強度のストレッチや皿洗いなどが低強度身体活動に分類される。
※2 活動量計:本調査では、三軸加速度センサーを搭載した活動量計を使用し、身体活動を客観的に測定した。腰に装着することで、身体活動データを10秒ごとに記録し、身体活動量や歩数を測定できる。
2024年度・2025年度に全国47都道府県を対象に調査を実施し、2,459名の活動量計データをもとに、身体活動量の全国代表値を国内で初めて提示した。厚生労働省は成人(20~64歳)に1日60分以上の中高強度身体活動を推奨しているが、今回の調査の結果、成人の中高強度身体活動時間の中央値は1日56.2分だった。また、運動・スポーツ実施者でも43.3%が厚労省の推奨身体活動量を満たしていないという実態が明らかになった。
調査結果のポイント
- 中高強度身体活動時間:全体56.2分、男性56.6分、女性55.7分。
- 低強度身体活動時間:男性297.4分(5.0時間)、女性376.4分(6.3時間)と女性が約80分長い。
- 座位行動時間:全体531.5分(8.9時間)。男女とも20歳代が最も長く約560分(9.3時間)。
- 厚労省の推奨身体活動量の達成率:45.1%。運動・スポーツ実施者のうち43.3%が未達成。
- 周辺環境:自動車なしで生活することが難しい地域の達成率は41.6%と低い。
主な調査結果
1日あたりの身体活動時間・歩数・座位行動時間
成人(20~64歳)では、低強度身体活動(LPA)時間333.2分、中高強度身体活動(MVPA)時間56.2分であった。男女別にみると、LPA時間は男性297.4分、女性376.4分と、女性が約80分長かった。一方、MVPA時間は男性56.6分、女性55.7分とほぼ同等であった。座位行動時間は男性が540.5分、女性は523.9分、歩数は男性が7,317歩、女性が6,619歩で、いずれも男性が上回った。
表1 1日あたりの各行動の中央値(全体、成人・高齢者別、成人・高齢者×性別)

高齢者(65歳以上)でも同様に、LPA時間は男性294.2分、女性381.5分と、女性が約90分長かった一方、MVPA時間は男女とも約43分であった。座位行動時間は男性537.5分、女性490.8分、歩数は男性5,719歩、女性5,163歩で、いずれも男性が上回った。
1日あたりの身体活動時間・歩数・座位行動時間
年齢層別にみると、低強度身体活動時間はすべての年齢層で女性が男性より長かった。中高強度身体活動時間は、男女ともに20~60歳代では50分台であったが、70歳代では40分未満と短かった。座位行動時間は男女ともに20歳代が最も長く、約560分(9.3時間)で、すべての年齢層で男性が女性より長かった。
表2 1日あたりの各行動の中央値(性別×年齢層別)

厚労省の推奨身体活動量の達成率
厚労省は「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」において、中高強度身体活動を、成人では1日60分以上、高齢者では1日40分以上行うことを推奨している。本調査における1日あたりの推奨身体活動量を満たす者の割合(達成率)は全体で47.7%であった。
図1 1日の推奨身体活動量の達成率(全体、成人・高齢者別、成人・高齢者×性別)

成人・高齢者別では、成人45.1%、高齢者55.0%で、高齢者が成人より9.9ポイント高かった。さらに男女別にみると、成人男性46.0%、成人女性44.1%、高齢者男性53.3%、高齢者女性56.6%であった。成人では男性、高齢者では女性の達成率がやや高かったものの、男女差はいずれも小さかった。
運動・スポーツ実施の有無による身体活動状況
活動量計装着中の運動・スポーツ実施の有無による1日あたりの身体活動状況をみると、推奨量の達成率は、全体では運動・スポーツ実施者58.6%、非実施者40.2%で、実施者が18.4ポイント高かった。成人でも推奨量の達成率は実施者56.7%、非実施者38.4%と実施者で高かったものの、運動・スポーツ実施者の43.3%は推奨量を満たしていなかった。
居住周辺環境・自動車なしで生活することが難しい地域における身体活動状況
居住周辺環境について、「自動車なしで生活することが難しい地域か」による身体活動状況をみると、推奨量の達成率は、全体では自動車なしで生活することが難しい地域(あてはまる群)44.3%、難しくない地域(あてはまらない群)52.4%で、難しい地域では達成率が8.1ポイント低かった。とくに成人では、難しい地域の達成率は41.6%にとどまった。
プレスリリース
【国内初】活動量計で身体活動量の全国代表値を提示 成人の中高強度身体活動時間は1日56.2分 運動・スポーツ実施者でも約4割が厚労省の推奨量に届かず(明治安田厚生事業団)







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