20代の「食べる速さ」が将来の体型に影響 「早食い」は肥満と、「遅食い」は低体重と関連 藤田医科大学
20代の時の食べる速さが、その後の体型の推移と関連することが明らかになった。藤田医科大学の研究グループの成果であり、論文が「Nutrients」に掲載されるとともに、同大学からプレスリリースが発行された。

研究成果の概要とポイント
藤田医科大学臨床栄養学講座の研究グループは、20代で肥満または低体重だった約56万人の体重推移を調査し、肥満期間が長い人ほど体重増加が続き、低体重だった人ほど低体重の状態が持続することを明らかにした。さらに、20代での食べる速さが、その後の体型の推移と関連することも判明した。
20代で早食いだった人の約7割、遅食いだった人の約6割は、5年以上(中央値6年)の観察期間中も同じ食べる速さの習慣を維持していた。また、早食いの人では肥満が、遅食いの人では低体重が持続しやすい傾向が認められた。
これらの結果から、若い頃の食べる速さの習慣を見直すことが、将来の肥満や低体重の予防・改善につながる可能性が示された。
ポイント
- 20代時点の日本人約56万人を対象に、5年以上(中央値6年)の追跡データを解析し、体重の推移と食事スピードとの関係を調べた。
- 肥満の期間が長い人ほど20代での早食いと関係が強く、低体重の期間が長い人ほど20代での遅食いと関係した。
- 肥満の期間が長い人は早食いが歳をとっても70~80%継続し、低体重の期間が長い人での遅食いは歳をとっても60%くらい継続することが明らかになった。
- 20代の食事の速さは肥満/低体重の形成・持続に関与する可能性があり、肥満や低体重者に対する食事指導に役立つ可能性がある。
研究の背景:体重の履歴(体重×年数)と食べる速さの関連を探る必要性
肥満と低体重は、食行動・生活習慣・遺伝・疾患などが関与する多因子性の状態。BMIと健康リスクにはU字型の関係があり、とくに日本では若年女性の低体重が重要な健康課題となっている。
研究グループではこれまで、若年低体重者の栄養不足、握力・リンパ球数の低下、腸内細菌叢の変化、および体重区分の反復的な移行や、食べる速さの実測による咀嚼回数・咀嚼テンポとの関連を明らかにしてきた。さらに、20代低体重女性のBMIは変動しやすく、60%は途中で正常化するものの、40%は30代、40代になっても持続することを報告している。そのため、体重を一時点で評価するのでなく、体重の履歴(体重×年数)として扱うことが重要と考えた。
本研究では男女別に、20歳代の自己申告による食べる速さと、その後の低体重・肥満に関する長期体重履歴との関連を検討した。
研究手法・研究成果
JMDC社より購入した健康診断データ(2005~25年)を解析し、縦断データのある56万人に対して、体重変化と20代の食事の速さを比較した。
20代の早食いは肥満の期間が長い人ほど関連が強く、遅食いは低体重の期間が長い人ほど関連が強く、朝食欠食や就寝時食事(オレンジ)で調整しても結果は同様だった(図1)。
また、観察期間を通じての早食い、遅喰いの維持率は60~80%だった(図2)。
図1 早食い/遅食いと肥満/低体重の関連

図2 肥満/低体重の維持率と早食い/遅食いの維持率の関係

今後の展開:食べる速さを気にしてみることが体重変化につながる可能性
研究者らは、「20代の食べる速さがその後の体重を決めている可能性があり、少なくとも食事の速さは介入して改善できる余地がある。体重を気にしている人は自分の食べる速さを振り返ってみると肥満や低体重の改善につながる可能性がある」と述べている。
ただし、今回の食べる速さは自己申告であるため、「実際の食事の速さと一致するかは議論の分かれるところ」であるとし、「現在、テスト食を用いた食事の速さと普段の食事の速さを比較する研究を行っている」とのことだ。
プレスリリース
20代で早食いの人はその後の肥満、 20代で遅食いの人はその後の低体重と関係(藤田医科大学)
文献情報
原典論文のタイトルは、「Self-Reported Eating Speed Is Dose-Dependently and Bidirectionally Associated with Long-Term Underweight- and Obesity-Related Weight-History Groups」。〔Nutrients. 2026 Jul 24;18(15):2412〕
原文はこちら(MDPI)








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