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「持続可能な食事」を実践するアスリートほどwell-beingと身体能力が高い傾向

環境にやさしい持続可能性の高い食事スタイルが、アスリートの身体能力関連指標やwell-beingの高さと関連しているとする研究結果が報告された。交絡因子を調整後、持続可能性の高い食事スタイルがそれらの有意な予測因子だったという。中国からの報告。

「持続可能な食事」を実践するアスリートほどwell-beingと身体能力が高い傾向

アスリートも無関心でいられない、持続可能な食事への関心の高まり

アスリートの健康やトレーニング、回復、パフォーマンスに栄養が基本的な役割を果たすことは、古くから多くのスポーツ科学研究で明らかにされている。近年ではさらに、栄養とメンタルヘルスとの関連についても多くのエビデンスが報告されている。

これらの研究の進歩とは別に、世界的な食料供給システムや地球環境保全という視点から、最近では食事・栄養の「持続可能性」への関心が高まっている。アスリートは、一般生活者に比べて環境負荷の強い高エネルギー・高タンパク食を摂っていることが多く、この流れに無関心ではいられない。

ただし、現在までに、アスリートの身体能力やメンタルヘルスと、持続可能な食事への関心の強さとの間に、なんらかの関連があるかないかという研究はほとんどなされていない。今回取り上げる論文は、これら三つの要素の相互の関連性を検討している。

中国・広州市のアスリート・スポーツ実践者250人で横断的に解析

この研究は2025年10~12月に中国・広州市で実施された。大学の運動部、地域のスポーツクラブなどから研究参加者を募集。適格基準は、18歳以上のアスリート、レクリエーションや趣味としてスポーツまたはトレーニングを行っている人であり、摂食障害や怪我など、研究結果に影響を及ぼし得る疾患や状態にある場合は除外された。

持続可能な食事スタイル、スポーツ関連のメンタルヘルス、身体能力の3領域について、先行研究を基に、1~5段階のリッカートスケールによる質問票を作成し、オンラインまたは紙ベースで回答を受け付けた。これら3種類の質問表は、いずれも主観的評価によるものであるが、クロンバックのα係数が0.84~0.88であり内的整合性は高いと考えられた。

解析対象者の特徴

268人が調査に回答し、データ欠落などを除外し250人を解析対象とした。

年齢は23~27歳が40.8%を占め、18~22歳が31.2%、その他は28歳以上だった。性別は58.4%が男性であり、36.4%が団体競技アスリート、25.2%が持久系アスリート、20.8%がパワー系アスリートだった。競技レベルは26.4%が国・地域レベル、44.8%が大学・クラブレベル、28.8%はレクリエーションレベルであり、全体の過半数(51.2%)は週に4~5日の頻度でトレーニングを行い、27.6%は週に6日以上行っていた。

持続可能な食習慣は、アスリートのwell-beingと身体能力指標の向上につながる

持続可能な食事スタイルのスコアは3.76、スポーツ関連のメンタルヘルスは3.82、身体能力は3.79であり、いずれも中程度に良好と考えられるスコアだった。

持続可能な食事スタイルに関して、その下位尺度に着目すると、持続可能な食事への意識が3.82、栄養価の高い食品の選択が3.71、植物由来または地産の食材を用いた食品の選択が3.34、食品廃棄物の削減行動が3.49だった。また、スポーツ関連のメンタルヘルスの下位尺度では、モチベーションが3.91と最も高く、気分の安定性は3.52で最も低かった。身体能力関連ではエネルギーレベルが3.79と高く、疲労の管理(3.41)や回復(3.48)は低い傾向にあった。

3種類のスコアがいずれも有意に正相関

持続可能な食事スタイルのスコアは、スポーツ関連のメンタルヘルスのスコアと、中程度の正の相関関係を示した(r=0.41、p<0.001)。つまり、より健康的で持続可能性を重視した食行動をとっているアスリートは、より好ましいスポーツへの動機、集中力、心理的段階にあると示唆された。

また、持続可能な食事スタイルのスコアは、身体能力のスコアと、弱い正の相関関係を示した(r=0.34、p<0.001)。つまり、より健康的で持続可能性を重視した食行動をとっているアスリートは、より好ましい身体能力やその管理法を身に付けていると示唆された。

なお、スポーツ関連のメンタルヘルスのスコアも身体能力のスコアと、中程度の正の相関関係を示した(r=0.49、p<0.001)。つまり、より好ましいメンタルヘルス状態にあるアスリートは、身体能力やその管理法が優れている可能性が示唆された。

持続可能な食事スタイルは、メンタルヘルスと身体能力の両方に対する有意な予測因子

次に、持続可能な食事スタイルのスコア、年齢、性別、競技レベル、トレーニング頻度を説明変数とし、スポーツ関連のメンタルヘルスのスコア、および、身体能力のスコアを目的変数とする解析を実施。その結果、以下のように、スポーツ関連のメンタルヘルスのスコアと身体能力のスコアのいずれも、持続可能な食事スタイルのスコアに対する有意な予測因子であることがわかった。年齢と性別は、いずれに関しても非有意だった。

スポーツ関連のメンタルヘルスのスコアとの関連については、続可能な食事スタイルのスコアはβ=0.39、競技レベルはβ=0.21、トレーニング頻度はβ=0.14、身体能力のスコアについては同順に、β=0.35、0.26、0.18。

著者らは、「今回の研究結果は、持続可能な食事スタイルがアスリートのwell-beingと身体能力指標の向上につながることを示唆している。横断研究であるため因果関係は不明であるが、アスリートの健康とパフォーマンスにおいて持続可能な食事が重要な役割を果たす可能性が認められた。これらの関係性を確認し、その根底にあるメカニズムを解明するために、今後、縦断研究や実験的研究が必要とされる」と結論している。

文献情報

原典論文のタイトルは、「Sustainable nutrition and athlete well-being: associations with psychological and physical performance indicators」。〔Front Nutr. 2026 Jun 26:13:1871130〕
原文はこちら(Frontiers Media)

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