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子どもの「噛む力」と運動能力に関連 咀嚼能力が高いほど体力テストの成績が良好 児童1,225人対象の大規模研究 大阪大学

学童期に咀嚼能力が高いほど、身体の運動能力が高いという関連のあることがわかった。大阪大学の研究グループの研究によるもので、論文が「Journal of Dentistry」に掲載されるとともに、同大学からプレスリリースが発行された。大阪市の小学生を対象とした大規模研究の結果であり、咀嚼能力測定用のガムを用いた評価と7種類の体力テストの結果を解析して明らかになった。

子どもの「噛む力」と運動能力に関連 咀嚼能力が高いほど体力テストの成績が良好 児童1,225人対象の大規模研究 大阪大学

研究成果のポイント

  • 大阪市の小学生を対象とした大規模研究により、咀嚼能力(食べ物を細かく噛む能力)が高い児童ほど、身体の運動能力が高いことが明らかに
  • 子どもの咀嚼能力と運動能力がどのように関連しているのかは明らかになっていなかったが、咀嚼能力測定用のガムを用いた評価と7種類の体力テストの結果を解析することで解明
  • 学童期における身体の健やかな成長を支えるうえで「しっかり噛める」ことが重要であることが示唆されたことから、学校や家庭における健康づくりに口腔機能の重要性も注目されることに期待

研究の概要:身体機能が発達する重要な時期の咀嚼機能と運動能力との関連を検討

大阪大学大学院歯学研究科や同大学歯学部附属病院の研究グループは、大阪市の小学校4年生1,225人のデータを基に研究を行い、学童期に咀嚼能力(食べ物を細かく噛む能力)が高い場合、身体の運動能力が高いことを明らかにした(図1)。

図1 本研究の概要

本研究の概要

(出典:大阪大学)

学童期は身体機能が大きく発達する重要な時期。一方で、咀嚼能力は栄養摂取に重要で、身体の発達とも深く関係していることが知られているものの、子どもの運動能力との関連については十分に検討されていなかった。

今回、研究グループは、大阪市教育委員会、大阪市学校歯科医会、株式会社ロッテと連携し、大阪市の小学校4年生1,225人を対象に、咀嚼能力と7種類の体力テストの結果を解析した。その結果、咀嚼能力が高い児童ほど、持久力や敏捷性などの体力テストの成績が良好であり、さらに複数の体力テストを総合した運動能力とも関連することを明らかにした。

本研究成果は、学童期における身体の健やかな成長を支えるうえで、「しっかり噛める」ことが重要であることを示唆し、学校や家庭における健康づくりに口腔機能の重要性も注目されることが期待される。

研究の背景:口の機能に問題を抱える子どもが増えている

近年、硬い食べ物を噛めない、うまく飲み込めないなど、口の機能に問題を抱える子どもが増えている。なかでも咀嚼能力は、適切な栄養摂取を支え、健やかな成長に重要な役割を果たす。一方、学童期は身体機能が大きく発達する重要な時期であり、運動能力は子どもの成長を反映する重要な指標の一つ。

また、子どもの運動能力には、体格や運動習慣などさまざまな要因が関わることが知られている。しかし、学童期の子どもにおいて、咀嚼能力と運動能力がどのように関連しているのかは、十分に明らかになっていなかった。

研究の内容:小学校4年生1,225人を対象とする大規模研究

研究グループは、大阪市教育委員会、大阪市学校歯科医会、株式会社ロッテと連携協定を締結し(図2)、大阪市の小学校4年生1,225人を対象に大規模研究を実施した。

図2 本研究における協力体制

本研究における協力体制

(出典:大阪大学)

咀嚼能力については、咀嚼能力測定用のガム(キシリトール咀嚼チェックガム、株式会社ロッテ)を用いて客観的に評価した。運動能力については、握力、上体起こし、反復横跳び、20mシャトルラン、50m走、立ち幅跳び、ソフトボール投げの7種類の体力テストを実施した。さらに、それぞれの結果を組み合わせ、子どもの全体的な運動能力を評価した。

解析の結果、咀嚼能力が高い児童ほど、反復横跳び、20mシャトルラン、50m走、ソフトボール投げなど複数の体力テストで良好な成績を示し、7種類の体力テストを総合した運動能力も高いことがわかった。また、身長や体重など体格の違いを考慮して解析を行った場合でも、咀嚼能力が高いほど総合的な運動能力が高いという結果が得られた。

研究者らは、「本研究成果は『しっかり噛める』ことが子どもの運動能力と関連する可能性を示している。本研究を契機として、子どもの健やかな成長を考えるうえで口腔機能にも着目する視点が広がり、学校や家庭における健康づくりに活用されることが期待される」としている。

プレスリリース

しっかり噛める子どもほど運動能力が高い!(大阪大学)

文献情報

原典論文のタイトルは、「Association between masticatory performance and physical fitness in Japanese elementary schoolchildren: The Osaka MELON Study」。〔J Dent. 2026 Nov:174:106867〕
原文はこちら(Elsevier )

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