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筋肉内のクレアチン濃度が高いほど死亡リスクが低い? 特に女性は有意に関連 オランダ5千人超の大規模追跡研究

筋肉内のクレアチン濃度が高いことが、死亡リスクの低さと関連しているとするデータが報告された。この関連は男性では有意水準未満だが、女性では有意だという。一方、血漿クレアチン濃度については、性別にかかわらず死亡リスクとの関連が認められないとのことだ。

筋肉内のクレアチン濃度が高いほど死亡リスクが低い? 特に女性は有意に関連 オランダ5千人超の大規模追跡研究

クレアチンは健康に良い? 悪い?

クレアチンはエネルギー代謝と細胞機能の維持に不可欠な内因性窒素化合物であり、スポーツや健康全般において多くの有益な作用があることが示されてきている。しかしその一方、詳細なメカニズムは不明ながら、少数の研究から、血漿クレアチン濃度の高さと脂質代謝や糖代謝の悪化との関連が報告されており、その関連は女性よりも男性で強い傾向が見られる。これらの相反する結果の一因として、体内のクレアチンの分布や細胞間の勾配の性差が関与している可能性も考えられる。

今回取り上げる論文の研究は、このような理論的背景のもと、血漿クレアチン濃度、推定筋肉内クレアチン濃度、およびクレアチンの細胞間勾配と死亡リスクとの関連を検討したもの。

オランダの一般住民5千人を対象に検討

この研究は、オランダで行われた腎血管疾患の予後に関する前向き研究(Prevention of Renal and Vascular Endstage Disease;PREVEND)のデータを用いた観察研究として実施された。

PREVENDは同国の28~75歳の一般住民8万5,421人が参加。このうち、筋肉内クレアチン濃度等を評価可能なデータに欠落のない5,127人を解析対象とした。妊婦およびインスリン依存状態の糖尿病患者は除外されている。

なお、筋肉内クレアチン濃度の測定には筋生検が必要だが、大規模なサンプルで侵襲のある生検の実施は適さない。そこで、体内のクレアチンプールの約95%が骨格筋内に存在すること、および、1日でクレアチンプールの約1.7%がクレアチニンに代謝され尿中に排泄されることから、24時間蓄尿により1日の尿中クレアチン排泄量を測定し、体内のクレアチンプールを推定して、それを生体電気インピーダンス法で計測した骨格筋量で除すことで、筋肉内クレアチン濃度の推定値を算出した。

また、そのように算出した推定筋肉内クレアチン濃度を血漿クレアチン濃度で除すことで、クレアチンの細胞内濃度勾配を算出した。

解析対象者の特徴

解析対象者の主な特徴は、年齢54±12歳、BMI 26.7±4.4、eGFR 91±20mL/分/1.73m2で、血漿クレアチンは中央値34(四分位範囲25~47)μmol/L、推定筋肉内クレアチン28.7±5.2mmol/kg、クレアチン勾配(筋肉内/血漿)中央値843(四分位範囲613~1,158)だった。

なお、クレアチン代謝には性差のあることが明らかなため、死亡リスクとの関連の解析は性別に行われている。上記の数値を性別にみると、BMIとeGFRには有意差がないが、年齢は男性のほうがやや高齢で(53±12 vs 55±12歳)、血漿クレアチン(中央値41〈30~54〉 vs 28〈21~38〉μmol/L)、推定筋肉内クレアチン(30.0±5.0 vs 27.4±5.0mmol/kg)は男性のほうが有意に低く、クレアチン勾配(734〈550~1,011〉 vs 955〈715~1,324〉)は男性のほうが急峻だった(いずれもp<0.001)。

では、次からは解析結果をみていこう。

11年間の追跡期間中の死亡リスクとクレアチン濃度との関連が明らかに

クレアチン濃度と関連のある因子

まず、血漿クレアチン濃度と推定筋肉内クレアチン濃度との関係をみると、両者には正の関連が認められた。その強さは男性(β=0.12〈0.08~0.17〉)と女性(β=0.10〈0.06~0.14〉)でほぼ同程度であった(いずれもp<0.001)。

性別にかかわらず、年齢は血漿クレアチン濃度と正の関連を示し、筋肉内クレアチン濃度とは負の関連を示した。また、BMIとeGFR、および尿中アルブミンは、いずれも血漿クレアチン濃度および筋肉内クレアチン濃度の双方と正の関連を示した。

推定筋肉内クレアチン濃度の高さのみ、死亡リスクの低さと関連

中央値10.9(四分位範囲8.4~13.4)年の追跡期間中に、748人(14%)が死亡した。

年齢、性別、BMI、eGFR、尿中アルブミンを調整した「モデル1」では、推定筋肉内クレアチン濃度の高さが死亡率の低さと有意に関連していた。具体的には、推定筋肉内クレアチン濃度が2倍であるごとに死亡のハザード比(HR)が、女性は0.37(95%CI;0.25~0.58)、男性は0.62(0.45~0.87)となっていた。

調整因子に喫煙、飲酒、心血管疾患の既往を加えた「モデル2」においても女性は有意な死亡リスク低下が認められ(HR0.42〈0.24~0.65〉)、さらに、トリグリセライド、HDL-C、LDL-C、高血圧・糖尿病の既往も調整した「モデル3」においても女性は関連が有意だった(HR0.43〈0.28~0.66〉)。ただし男性については、モデル2(HR0.73〈0.52~1.02〉)、モデル3(HR0.73〈0.53~1.02〉)では有意性が消失した。

一方、血漿クレアチン濃度およびクレアチン勾配に関しては、性別にかかわらず、モデル1において死亡リスクとの関連が非有意だった。ただし、性別を考慮せずに全体で解析した場合、モデル1ではクレアチン勾配が急峻であるほど死亡リスクが有意に低く(HR0.88〈0.80~0.97〉)、モデル3では境界域の有意性が観察された(HR0.90〈0.81~1.00〉)。

筋肉内のクレアチン濃度が高いことが重要な可能性

以上に基づき論文の結論は、「女性においては推定筋肉内クレアチン濃度の高さが死亡リスクの低下と強く関連しており、男性ではその傾向が認められた。今後の研究では、この関連の因果関係と潜在的なメカニズムを解明するとともに、性差についてさらに検討する必要がある」と総括している。

なお、論文の考察では、「本研究において血漿クレアチン濃度と推定筋肉内クレアチン濃度に相関が認められたが、血漿クレアチン濃度の個人間変動のうち推定筋肉内クレアチン濃度で説明できるのはごく一部(女性では1%未満、男性は3%)に過ぎなかった。よって血漿クレアチン濃度は筋肉内クレアチン濃度を反映するものとは言えず、クレアチン摂取量、内因性クレアチン合成、腎尿細管での再吸収などのさまざまなメカニズムを経た結果と考えられる」と述べられている。

また、これらの考察に基づき、「筋肉内クレアチン濃度が高いほど、筋肉の質や機能が高く、とくに高齢者層ではフレイルからの回復力、神経認知機能、抗酸化特性、骨量減少の抑制などと関連しているのでないか」と付け加えられている。

文献情報

原題のタイトルは、「Idealized Body Images and Fitness Lifestyles on Social Media: A Systematic Review Exploring the Link Between Social Media Use and Symptoms of Orthorexia Nervosa and Muscle Dysmorphia」。〔Eur Eat Disord Rev. 2026 Jan;34(1):256-280〕
原文はこちら(John Wiley & Sons)

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