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減量後のリバウンドの犯人は加工肉か? 動物性食品に焦点を当てた研究

減量後のリバウンドや心血管代謝リスク因子の悪化に影響を与える動物性食品は加工肉であって、未加工の赤身肉や鶏肉、および肉類の総摂取量、そして乳製品などは、リスク因子の悪化と関連がないとする研究結果が報告された。また、加工肉を他の動物性タンパク質に置き換えて摂取すると、リバウンドを抑制できる可能性も示された。

減量後のリバウンドの犯人は加工肉か? 動物性食品に焦点を当てた研究

リバウンドさせるタンパク源はなにか?

心血管代謝性疾患のリスク因子改善のために、低カロリー食をはじめとする食事療法を中心とした減量介入が行われる。それによって一定程度の減量を達成できる患者は決して少なくない。ただし、長期的にはリバウンドしてしまう患者が少なくないこともまた事実だ。

ところで、動物性食品は質の良いタンパク質源ではあるものの、代謝の悪化や体重増加と関連しているという報告がある。一方で鶏肉や魚介類、乳製品などの動物性食品はそのようなリスクがない、または低下させる可能性を示唆する研究報告がある。しかし、結果に一貫性がなく、また加工肉の摂取量に着目した研究はみられない。

そこでこの論文の著者らは、減量達成後のリバウンドに、どのようなタイプの動物性食品の摂取量が影響を及ぼしているのか、加工肉も加えて検討を行った。

国際多施設共同介入研究「PREVIEW研究」の二次解析

この研究は、糖尿病リスクのある対象への食事介入の効果を検証した、国際多施設共同介入研究「PREVIEW研究(prevention of diabetes through lifestyle intervention and population studies in Europe and around the world)」の二次解析として実施された。PREVIEW研究は2013年6月~2015年4月に参加登録が行われた。適格基準は、年齢が25~70歳、過体重または肥満(BMI25以上)、前糖尿病。なお、PREVIEW研究には8カ国(デンマーク、フィンランド、オランダ、英国、スペイン、ブルガリア、ニュージーランド、オーストラリア)から参加していたが、本研究では解析に必要なデータがそろっている4カ国(フィンランド、英国、ニュージーランド、オーストラリア)のデータが用いられた。

食事摂取状況は、研究登録から26週目、52週目、104週目、および156週目に、平日3日、休日1日、計4日の食事記録を基に分析された。

加工肉はリバウンド、魚介類は減量傾向の継続と関連し、その他は関連なし

解析対象者は、低カロリー食を中心とする介入により8%以上の減量を達成した688人。年齢中央値は57(四分位範囲26~70)歳、女性68.5%、BMI中央値29.5(同26.6~33.4)だった。

研究登録後26週目の食事調査から、摂取エネルギー量は1,679.2±439.2kcalであり、動物性食品の摂取量は以下のとおり。赤身肉34.2(同0~66.3)g/日、加工肉12.0(0~29.7)g/日、乳製品317.3(205.2~449.8)g/日、鶏肉37.2(9.6~70.4)g/日、魚介類208.8(146.9~277.2)g/日。なお、穀物の摂取量は208.8(146.9~277.2)g/日、野菜摂取量は179.1(93.8~307.8)g/日だった。

交絡因子調整後、加工肉の摂取量が10g/日多いと1年で0.18kgリバウンド

解析結果に影響を及ぼし得る因子(年齢、性別、民族、BMI、喫煙習慣、身体活動、摂取エネルギー量、飲酒量、砂糖・穀物・マメ科植物・ナッツ・野菜・果物の摂取量など)を調整後、1日の加工肉の摂取量が10g多いごとに、体重が1年につき0.18(95%CI;0.10~0.25)kgリバウンドするという有意な関連が明らかになった(p<0.001)。

一方、魚介類の摂取量が1日に20g多いごとに、1年につき-0.01(同-0.03~-0.004)kgの減量が続くという有意な関連も明らかになった(p=0.005)。

肉類の総摂取量や未加工の赤身肉、乳製品、鶏肉、卵の摂取量は、リバウンドにも減量の継続にも関連がなかった。

加工肉を他の食品に置き換えればリバウンドを防げる

次に、加工肉を他の食品に置き換えて同等のエネルギー量を摂取した場合に、体重や心血管代謝リスク因子にどのような影響が生じるかを、統計的に推定した。その結果、乳製品、鶏肉、魚介類、卵、穀物、マメ科植物、ナッツのいずれに置き換えても、体重のリバウンドは有意に抑制されると計算された。

また、加工肉を同エネルギー量の魚介類に置き換えた場合に、トリグリセライドが1年につき-5.3(95%CI;-7.8~-1.8)mg/dL、有意に改善すると計算された。加工肉を卵に置き換えた場合は、有意水準には至らないながらもHbA1cがやや改善する可能性が示された。

調理方法の違いも検討が必要

これらの結果から、減量達成後のリバウンドを防ぎ、かつ、良質のタンパク質を摂取するには、加工肉を未加工の肉に置き換えて摂取すると良いと考えられ、さらに心血管代謝リスクを抑制するには、魚介類に置き換えることを考慮すると良いと考えられる。

加工肉がリバウンドを助長してしまう機序として、著者らは、加工に使われる亜硝酸塩などの添加物がメラード反応の結果として終末糖化産物(advanced glycation end products;AGEs)の生成につながるためではないかとの推察をしている。他の研究から、AGEsは体重の増加に寄与したりインスリン感受性を低下させることが、報告されているという。

論文の結論としては、「肉類の総摂取量や赤身肉、鶏肉の摂取量ではなく、加工肉の摂取量が多いことが、減量後のリバウンドと心血管代謝リスク因子の悪化に関連しているようだ。加工肉を他の動物性食品や植物性食品に置き換えることで、体重を維持し心血管代謝リスク因子を制御できる可能性がある」とまとめられている。なお、この研究の方向性として、「この知見は無作為化比較試験で検証する必要があり、また、調理方法は重要な交絡因子である可能性があるため、今後の研究課題とされるべき」と述べられている。

文献情報

原題のタイトルは、「Animal-based food choice and associations with long-term weight maintenance and metabolic health after a large and rapid weight loss: The PREVIEW study」。〔Clin Nutr. 2022 Feb 8;41(4):817-828〕
原文はこちら(Elsevier)

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