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ダイエットに失敗する人は「空腹感と食欲が強い」「睡眠の質が低い」 世界8カ国の国際研究

ダイエットが成功する人と失敗してしまう人の差はなにか? その答に迫る研究結果が報告された。ダイエットに失敗した人は、摂取エネルギー量のマイナスの幅は少ないのにもかかわらず、空腹感や食欲が強く、睡眠の質が良くないことが明らかになった。8カ国が参加して行われた「PREVIEW」研究のサブスタディーの結果。

ダイエットに失敗する人は「空腹感と食欲が強い」「睡眠の質が低い」 世界8カ国の国際研究

800kcalの食事を2カ月続け、8%の減量を目指す介入研究

肥満者に対する食事や運動による介入効果は、かなりばらつきがあることが知られている。介入が奏効しないケースでは恐らく、コンプライアンスの欠如の影響が大きいと考えられるものの、その他の因子の存在が全くないということも考えられない。しかし、それらの因子がどのようなものなのかこれまで十分明らかにはされていなかった。

今回紹介する論文の研究は、前糖尿病状態の肥満者に対する食事療法と身体活動による介入の体重と健康関連アウトカムへの相互作用を、多施設国際共同研究で評価した「PREVIEW」研究のサブスタディーとして実施された。

PREVIEWに参加したのは、英国、デンマーク、フィンランド、オランダ、スペイン、ブルガリア、オーストラリア、ニュージーランドという8カ国。PREVIEWは全体で36カ月という長期間の介入が行われたが、その最初の8週間が減量フェーズ、その後は維持フェーズとされ、減量フェーズではベースライン体重の8%の減量を目指した。

減量フェーズの食事にはミールリプレイスメントを用い、エネルギー量が800kcalで、主要栄養素の組成は脂質15~20%、タンパク質35~40%、炭水化物45~50%。このほかに、エネルギーのない飲料と、レタス、セロリ、ブロッコリー、キュウリなどの低炭水化物野菜を最大400gまで許可した。

参加者のコンプライアンスは、2週目、4週目、6週目、および8週目に確認した。8週間の介入前後で、体重、体組成、血圧、心拍数を評価。そのほかに、身体活動の実施状況、空腹感や食欲、摂食行動、睡眠、およびQOLなどを評価。これらのうち、空腹感や食欲の評価には100mmのビジュアルアナログスケールを用い、睡眠は「ピッツバーグ睡眠品質指数(Pittsburgh Sleep Quality Index;PSQI)」、QOLは世界保健機関によるWHOQOL-100の簡易版「WHOQOL-BREF」で評価した。

減量達成群と非達成群とてベースラインデータの何が違うのか?

減量期間に8%の減量を達成できなかったのは、女性では10.2%、男性では7.9%だった。減量を達成した群の減量幅は、女性10.9±2.0%、男性12.4±2.7%であり、減量非達成群は女性4.7±2.4%、男性4.8±2.3%だった。減量幅が達成群と非達成群で2倍以上の開きがあったことになる。

減量達成群と非達成群のベースラインデータを比較すると、女性では年齢が非達成群のほうが有意に若年だった(49.8±12.4 vs 51.7±11.2歳)。男性の年齢は両群に有意差はなかった。なお、ベースライン時の体重は、女性の達成群が94.7±18.3kg、非達成群96.4±22.4kg、男性は同順に109.5±21.2kg、112.5±26.1kgであり、男女ともに非達成群の体重が重かったが、達成群との差は有意でなかった。

その他に有意差の認められたベースラインデータは以下のとおり。

安静時心拍数と自覚的ストレスは、非達成群のほうが高かった。摂食行動に関しては、食事制限のスコアは非達成群のほうが高く、脱抑制のスコアは達成群のほうが高かった。VASで評価した満腹感は、非達成群のほうが低かった。また、VASで評価した満腹感は、体重の変化率(減量率)と正の相関関係にあった。

男性は減量達成者と非達成者の差が女性より大きい

8週間の減量フェーズで生じた変化を、減量達成群と非達成群で比較すると、当然ながら、脂肪量、除脂肪量、体脂肪率、ウエストサイズの変化量に有意な違いが認められた。また、それらの変化量には性別による有意な交互作用が認められ、女性よりも男性のほうが、達成群と非達成群との差が顕著だった。

減量フェーズを56日間とすると、日々のエネルギー出納は、女性の達成群では-1,299kcal/日であるのに対して、非達成群では-656kcal/日と計算された。男性では同順に-1,659kcal/日、-815kcal/日だった。

非達成群は満腹感がより大きく低下し、睡眠の質が良くない

減量非達成者が減量フェーズで日々、エネルギー出納を十分にマイナスに維持することができないことは、食欲や睡眠関連指標との関連が認められ、満腹感、睡眠の質、甘味の欲求などの差が顕著だった。

例えば満腹感は、女性の達成群は-2.80±29.8の低下にとどまっていたのに対して、非達成群は-14.9±30.2と大きく低下していた。男性でも達成群-6.80±27.7に対して非達成群-16.7±30.7であり、男女を統合した群間差がp=0.0006だった。ピッツバーグ睡眠質問票の総合スコア(スコアが高いほど睡眠の質が低いことを表す)は、女性の達成群-1.12±2.78、非達成群-0.91±3.19、男性の達成群-1.09±2.63、非達成群-0.19±2.13であり、男女を統合した群間差がp=0.0501だった。

結論として、本研究参加者の約1割にみられた減量非達成者に、減量の達成を阻害するような行動上の脆弱性が認められた。また、その脆弱性が、長期間の食事制限により強調される可能性があると、著者らは述べている。

文献情報

原題のタイトルは、「What Is the Profile of Overweight Individuals Who Are Unsuccessful Responders to a Low-Energy Diet? A PREVIEW Sub-study」。〔Front Nutr. 2021 Nov 2;8:707682〕
原文はこちら(Frontiers Media)

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