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時間制限食と主要栄養素ベースのダイエット 減量効果を14週間のRCTで比較した結果は?

時間制限食と主要栄養素ベースの食事療法のいずれかで14週間介入し、減量や体組成への影響を比較した無作為化比較試験(randomized controlled trial;RCT)の結果が報告された。結論は、両者ともに有意な効果が認められ、群間差はないというものだ。ただし、アドヒアランスは時間制限食のほうがやや良好な傾向が認められたという。

時間制限食と主要栄養素ベースのダイエット 減量効果を14週間のRCTで比較した結果は?

TRFとMBDのRCT

時間制限食(time-restricted feeding diet;TRF)は、1日の中でエネルギー量のあるものを摂取する時間帯を限定する食事療法。その時間帯の中であれば摂取エネルギー量を考えずに摂取可とすることで、遵守率が向上し減量効果が高まると考えられている。一般的には摂食可能時間を1日8時間に設定することが多い。

一方、主要栄養素ベースの食事療法(macronutrient-based diet;MBD)は、炭水化物、タンパク質、および脂質の摂取量をグラム値で設定し、食事日記をつけてそれを維持する。減量目的の場合、総摂取エネルギー量を推定必要量から約300~500kcal少なく設定することが多い。

この二つの食事介入法による減量効果はこれまでに主として個別に検討されてきており、背景の一致する対象での無作為化比較試験の報告は少ないことから、本研究が行われた。

過体重(日本では肥満)に該当するBMI26前後のジムユーザーに介入

研究の対象はドイツのジムユーザーから募集された。適格条件はBMIが26前後(33未満)と肥満ながら健康な20~40歳であり、過去6カ月以上にわたり少なくとも週に2回以上トレーニングをしていて、薬物やアナボリックステロイドを摂取しておらず、非喫煙者で急性の怪我をしていないこと。国内または国際大会に参加するためのトレーニングを行っているアスリートは除外された。

52名が募集に応じ、後述の研究デザインの説明後、42名が参加に同意して、無作為にTRFまたはMBDのいずれかに割り付けられた。

フェーズ2で8週間、フェーズ3で6週間の介入

研究参加者はまずベースラインの体重・体組成が測定された後に、フェーズ1として2週間の習熟フェーズを受けた。この2週間で参加者は、食事記録方法等を修得した。これに続き、性別、BMI、身体活動量を層別化したうえで、各群21名に無作為化割り付けされた。

続いてフェーズ2では8週間にわたり、毎日の食事記録を週末に栄養士に提出し、遵守状況の確認と修正のためのアドバイスが行われた。続くフェーズ3は6週間で、この間は栄養士のサポートはなく参加者が各自自律的に食事療法を継続した。

各フェーズの区切りで体重と体組成が評価された。

食事栄養介入とトレーニング

時間制限食(TRF)

本研究では、16:8のTRFメソッドが使用された。食事摂取の時間枠は12~20時とし、この時間帯は自由に食事をすることを許可された。ただし、国際スポーツ栄養学会(ISSN)の推奨(J Int Soc Sports Nutr. 2017 Jun 14;14:16)に基づき、総摂取エネルギー量の約45~65%は炭水化物から、20~35%は脂質から、20~35%はタンパク質からとした。絶食の16時間は、コーヒー、茶、カロリーフリーのソフトドリンク、水などのみを摂取可能とした。

主要栄養素ベースの食事療法(MBD)

MBDグループでは、食品の品質に関係なくすべての食品の摂取が許可され、また時間制限は設定されない。ただし、摂取エネルギーの80%は未加工であり、加工食品は20%とされた。

BMIと身体活動レベル(physical activity level;PAL)に基づき総摂取エネルギー量を設定した。本研究の対象は定期的な身体活動を行っているにもかかわらず肥満していたため、必要とされるエネルギー量より500kalマイナスとした。

タンパク質必要量は1.4~2.0g/kgとし、炭水化物は総摂取エネルギー量の45~65%、脂質は20~35%とした。

食事記録

両群の参加者はいずれも、摂取した食品の種類と量、主要栄養素のバランスを食事記録に記載し、摂取時間帯を変更した場合や守らなかった場合も記録を残すように指示された。

トレーニング

全参加者は、少なくとも州に2回のジムでのトレーニングの継続が求められた。トレーニングの遵守状況はジムの利用率でモニタリングされた。

評価項目

一次評価項目として、体重、体組成(除脂肪体重、脂肪量、BMI、ウエスト/ヒップ周囲長)を評価し、二次評価項目として食事記録とアンケートから把握したアドヒアランスを評価した。

両群ともに体重と体組成が改善し、群間に有意差なし

無作為化割り付け後のフェーズ2で、7名が脱落した。脱落の理由は、TRF群(3名)では疾患によるものであり、MBD群(4名)は仕事や家庭の事情によるものだった。フェーズ3での脱落者はいなかった。最終的な解析は、フェーズ3を終了した35名(TRF群18名、MBD群17名)で行われた。

ベースライン時の背景因子や、介入中の栄養摂取状況に有意差なし

各群の参加者のベースラインデータは、年齢、性別、体重、体組成、身体活動量など、把握した項目すべてについて、群間差は有意でなかった。例えば、年齢はTRF群27.9±5.3歳、MBD群27.4±5.8歳(p=0.754)、BMIは同順に26.3、25.7(p=0.628)、トレーニング頻度は3.7±1.5日/週、4.2±1.6日/週(p=0.386)だった。

また、介入中の摂取エネルギー量、主要栄養素の摂取量にも有意な群間差はなかった。具体的には、フェーズ1とフェーズ2の平均が摂取エネルギー量はTRF群1,801.0±421.5kcal/日、MBD群1,736.0±419.2kcal/日(p=0.562)であり、摂取エネルギー量に対する炭水化物の割合は同順に45.5±3.4%、47.1±4.5%(p=0.990)、脂質は30.9±4.6%、27.9±3.9%(p=0.154)、タンパク質は23.5±3.7%、24.8±2.9%(p=0.881)だった。

一次評価項目:除脂肪体重は両群ともに有意な変化なし

一次評価項目のうち、体重、脂肪量、BMI、ウエスト/ヒップ周囲長は、いずれも両群ともに、フェーズ2終了時点でベースラインから有意に減少/低下していた。フェーズ3終了時点でもやはりベースライン時との有意差が維持されていたものの、フェーズ2終了時点からのさらなる改善は認められなかった。

一方、除脂肪体重に関してはフェーズ2終了時点もフェーズ3終了時点もともに、両群とも有意な変化がなく、トレーニングを継続しながらの減量の有益性が示された。

本検討の主目的であるTRFとMBDとの比較では、有意差の認められた項目はなく、体重や体組成に対して両群の介入は同等の効果をもたらすと考えられた。

二次評価項目:フェーズ2ではアドヒアランスに有意差、フェーズ3では同等

食事記録から把握されたアドヒアランスは、フェーズ2ではTRF群の遵守率が98.4%であり、MBD群は88.9%であって、群間差が有意だった(p<0.000)。しかしフェーズ3での遵守率は両群ともに低下し、同順に71.0%、65.0%となり、群間差が有意でなくなった(p=0.163)。

アンケートの回答から、TRF群では「食事記録をつけることが摂食行動にプラスとなった」との回答が17%にとどまり、44%は「ほとんど影響はなかった」と回答した。それに対してMBD群では、「摂食行動にプラスとなった」との回答が59%と多く、「ほとんど影響はなかった」は23%であった。

以上より著者らは、「8週間の食事・栄養介入によって、時間制限食と主要栄養素ベースの食事療法の双方で、体重と体組成へ小~中程度の効果が確認された。アドヒアランスに関しては時間制限食のほうが優れていた。ただし栄養士のアドバイスのない自律的なフェーズでは遵守率が70%以下に下がり、体重や体組成がより改善することはなかった。時間制限食と主要栄養素ベースの食事療法の有用性の証明には、遵守率70%以上の達成が必要と考えられる」と述べている。

文献情報

原題のタイトルは、「The Effects of a Macronutrient-Based Diet and Time-Restricted Feeding (16:8) on Body Composition in Physically Active Individuals—A 14-Week Randomised Controlled Trial」。〔Nutrients. 2021 Sep 6;13(9):3122〕
原文はこちら(MDPI)

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