スポーツ栄養WEB 栄養で元気になる!

SNDJクラブ会員募集中! 詳細はこちら
一般社団法人日本スポーツ栄養協会 SNDJ公式情報サイト
ニュース・トピックス

アマチュア・ウインドサーファーには栄養教育が必要 ポーランドからの報告

アマチュア・ウインドサーファーの栄養状態を調べた研究結果が報告された。対象者の栄養摂取状況は全般的にスポーツ栄養ガイドラインに準拠したものとは言えず、栄養教育、食事カウンセリングが必要であることが示唆されるという。ポーランドからの報告。

アマチュア・ウインドサーファーには栄養教育が必要 ポーランドからの報告

飲食物の保管スペースのない艇での長時間トレーニングの影響は?

ポーランドを含む北部に位置する国でのウインドサーフィンは、冬季は室内プールなどでの基礎的トレーニング、夏季は海でトレーニングを行うことが一般的。ポーランドでは5月初旬から10月中旬が競技シーズンで、この間に同国のウインドサーフィン協会主催によるポーランドカップに関連する一連のレガッタが開催される。

海に出て行うトレーニング期間、ウインドサーファーは1日あたり最大6時間を水上で過ごす。艇には食糧や飲料を補完するスペースが事実上ないため、トレーニング中に十分な飲食物を摂取しないことが少なくない。しかし、その実態は明らかでないことから、著者らは以下の検討を行った。

ウインドサーフィン最高スピードのカテゴリーのアスリートで検討

この研究の対象は、研究への参加要請に応じた10名のアマチュア男性ウインドサーファー。年齢22±1.9歳、BMI23.9±1.2、トレーニング歴9.5±3.9年で、健康状態が良好で怪我をしておらず、薬剤やサプリメントを使用していない非喫煙者。

なお、ウインドサーフィンにはいくつかのカテゴリーがあり、求められる身体活動強度は、カテゴリーや競技レベル、個々の技術、気象条件によって異なる。風速が弱い場合、ボート速度を上げるためにポンピングが必要となり、負荷は70~80%VO2max、最大心拍数の80%以上に及び、消費エネルギー量は18~20kcal/分に達する。とくに今回の研究対象はスラロームと呼ばれるカテゴリーで、最もスピードの出るカテゴリーにあたる。

研究期間は、2017/18シーズン中に開催された主要レガッタの一つ、ウインドサーフィンスラロームの全国選手権の直前と最中の3日間で、うち2日はトレーニング日、1日はレガッタ参加日。

3日間の食事記録とポーランド国立食品栄養研究所の成分表に基づき、栄養摂取状況を把握。国際スポーツ栄養学会(International Society of Sports Nutrition;ISSN)の推奨値と比較検討した。

また、モバイルアプリケーションを用いて、競技/トレーニング時間と気象条件を勘案し、消費エネルギー量を推算した。気象条件は、トレーニングでは風速25~35km/時、気温20~22°C、レガッタでは風速19~25km/時、気温18~20°C。

摂取エネルギー量、とくに炭水化物が少なく、水分摂取量も不十分

消費エネルギー量は、トレーニング中は1,250±250kcal/時、競技中は1,500±250kcal/時に及ぶと推定された。

これに対して、摂取エネルギー量は2,885.8±435.9kcal/日、38.6±3.95kcal/kg/日であり、推定需要を満たしていない可能性が考えられた。主要栄養素の摂取エネルギー比は、炭水化物46.6%、タンパク質19.3%、脂肪33.9%であり、炭水化物の割合がISSNの推奨(55%)より有意に低かった。

また、水分の摂取量は2,130.1±400.9mL/日であり、欧州食品安全機関(European Food Safety Authority;EFSA)の推奨する2,500mL/日を満たしていなかった。

ナトリウム、カリウム、リンは大幅に超過

微量栄養素に関しては、ビタミンDが4.7±3.0μg/日と、ISSNの推奨する5μg/日(51歳未満)にわずかに満たず充足率94.0%だったが(p=0.81)、その他のビタミン、ミネラルは充足率100%を超えていた。

ただし、ナトリウムは2,886.2±724.7mg/日でISSN推奨値に対する充足率577.3%と大きく超過していた。また、カリウムは4,827.7±1378.3mg/日で充足率241.4、リンも2,068.8±409.1mg/日で同295.5%と、推奨を大きく上回って摂取していた。

著者らは本研究にはサンプル数が十分でないこと、および、対象者は研究参加要請に応じたアスリートであるため選択バイアスが存在する可能性があることを、限界点として挙げている。そのうえで結論を以下のようにまとめている。

ウインドサーファーの食事は、栄養状態の悪化やパフォーマンスの低下につながる可能性のあることがわかった。炭水化物が少なく、動物由来のタンパク質を過剰に摂取している可能性がある。よって栄養教育を行い、アスリートのより適切な食品選択を支援する必要がある。また、ウインドサーファーの栄養摂取状況に関する詳細な情報を入手するため、女性も含めてより大きなサンプル数での研究が必要とされる。

文献情報

原題のタイトルは、「Assessment of Nutrition Status in Amateur Windsurfers during Regattas in the Competitive Period—A Field Study」。〔Int J Environ Res Public Health. 2021 Jun 15;18(12):6451〕
原文はこちら(MDPI)

この記事のURLとタイトルをコピーする
志保子塾2021前期「ビジネスパーソンのためのスポーツ栄養セミナー」

関連記事

スポーツ栄養Web編集部
facebook
Twitter
LINE
ニュース・トピックス
スポーツ栄養”見える”化プロジェクト
スポーツ栄養”見える”化✕選手育成プロジェクト「中井彩子 フランス・ロードバイク日記」
元気”いなり”プロジェクト
元気”いなり”プロジェクト
SNDJクラブ会員登録
SNDJクラブ会員登録

スポーツ栄養の情報を得たい方、関心のある方はどなたでも無料でご登録いただけます。下記よりご登録ください!

SNDJメンバー登録
SNDJメンバー登録

公認スポーツ栄養士・管理栄養士・栄養士向けのスキルアップセミナーや交流会の開催、専門情報の共有、お仕事相談などを行います。下記よりご登録ください!

おすすめ記事
セミナー・イベント情報
このページのトップへ