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「うま味研究と活用の最前線」2021年度 全国栄養士大会の協賛セミナーの内容を少しだけ先に紹介します!

「うま味研究と活用の最前線」 2021年度 全国栄養士大会の協賛セミナーの内容を少しだけ先に紹介します

7月1日から8月31日までの62日間にわたり、2021年度 全国栄養士大会がオンライン開催されている。8月1日からはスポンサード講演もラインナップに加わり、一段と充実したコンテンツに。数々の魅力的な講演の中から、徳島大学大学院医歯薬学研究部代謝栄養学分野の堤 理恵 氏による「うま味研究と活用の最前線~うま味を味方にする新しい栄養ケアのススメ」の内容を、講演に先立ちほんの少し紹介する。

うま味を利用した介入を、より必要としているのはどんな人?

うま味は基本味の一つとして、料理のおいしさにかかわるのみならず、減塩や肥満防止など、栄養ケアを行うなかでもさまざまな機能性を発揮する。本講演では、うま味の機能性や作用機序についての最新情報と、それに加えて子どもたちへの食育から高齢者への活用、患者に対するアプローチについて紹介する。

まず、味覚障害の原因については、心因性と薬剤性がそれぞれ2割弱で、亜鉛欠乏によるものがそれに続き、これら三つで半数近くを占めるとのデータが報告されている。五つの基本味のうち、うま味に関しては感度閾値の個人差が大きいこと、うま味に対する感度が高い人はBMIが低い傾向にあること、および、うま味感度と食塩摂取量、飲酒量、野菜摂取量などとの関連も認められる。

うま味成分の代表的なものとして、グルタミン酸、イノシン酸、グアニル酸があるが、これらは単独よりも組み合わさることで、おいしさの相乗効果が発揮されることがわかっており、さらに、うま味に対する感度が低い人がグルタミン酸ナトリウムを継続摂取することで、感度が改善するというデータもある。また、うま味による食欲刺激を、癌化学療法のために食欲が低下している人に応用できる可能性があり、実際にその効果を示した研究も報告されている。もちろん、これは癌患者に限らず、高齢のために食が細くなった人などにも適用できるだろう。

また、うま味に対する感度が低いことは、肥満のリスク因子の一つである可能性が指摘されている。例えば、うま味感度の低い人と感度正常の人の体重変化を追跡した結果、感度の低い群では体重増加が認められたという。これには、うま味に対する感度が低い人は、早食いの人が多いなど、他の非健康的な食習慣の関与もあるようだ。

講演ではさらに、味覚の受容体は舌だけでなく、多くの臓器に発現しており、人々は胃や腸管を介しておいしさを感じとっている可能性があること、胃切除後の患者の約半数が味覚障害を発症することなど、新しい研究報告が紹介される予定。

うま味に関しては、まだ知られていない潜在的な多くの活用法が残されているようであり、本公演は、それらの可能性に触れることができるエキサイティングなものになりそうだ。

2021年度 全国栄養士大会 スポンサード講演15
「うま味研究と活用の最前線~うま味を味方にする新しい栄養ケアのススメ」

講師
堤 理恵 氏(徳島大学大学院医歯薬学研究部代謝栄養学分野)
徳島大学大学院医歯薬学研究部代謝栄養学分野講師 堤 理恵 氏
公開期間
8月1日(日)~8月31日(火)

2021年度「全国栄養士大会・オンライン」

関連情報

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