令和元年 国民健康・栄養調査(3)栄養・食生活、身体活動・運動の状況
厚生労働省「令和元年 国民健康・栄養調査」の結果を4回にわたって紹介している。第3回は、例年実施されている調査項目の中から、栄養・食生活、身体活動・運動に関する状況の結果を取り上げる。
5.栄養・食生活の状況。20代女性の摂取エネルギー量が1,600kcalに
摂取エネルギー量
摂取エネルギー量の平均は1,903kcalだった。摂取エネルギー量は徐々に低下してきているが、令和元年は20代女性の摂取エネルギー量が、ちょうど1,600kcalまで低下した。
性・年齢別では、以下のとおり(単位はkcal)。
- 男性:
- 男性全体では2,118。1~6歳1,304、7~14歳2,047、15~19歳2,515、20歳代2,199、30歳代2,081、40歳代2,172、50歳代2,188、60歳代2,177、70歳代2,131、80歳以上1,944
- 女性:
- 女性全体では1,709。1~6歳1,201、7~14歳1,820、15~19歳1,896、20歳代1,600、30歳代1,673、40歳代1,729、50歳代1,695、60歳代1,784、70歳代1,771、80歳以上1,620
食塩摂取量の状況
食塩摂取量の平均値は10.1gで、男性10.9g、女性9.3g。この10年間でみると、男性では有意に減少、女性では平成21~27年は有意に減少し、平成27年以降の有意な増減はみられない。年齢階級別にみると、男女とも60歳代で最も多い。
なお、「健康日本21(第二次)」における食塩摂取量の目標は、1日あたり8g。
年齢調整した食塩摂取量の平均値の年次推移
食塩摂取量の平均値
野菜摂取量の状況
野菜摂取量の平均値は280.5gであり、男性288.3g、女性273.6g。この10年間でみると、いずれも有意な増減はみられない。年齢階級別にみると、男女ともに20~40歳代で少なく、60歳以上で多い。 なお、「健康日本21(第二次)」における野菜摂取量の目標は、1日あたり350g。
年齢調整した野菜摂取量の平均値の年次推移
野菜摂取量の平均値
6.身体活動・運動に関する状況。女性の歩数や運動習慣のある人が減少
運動習慣の状況
運動習慣のある人の割合は、男性33.4%、女性25.1%で、この10年間でみると、男性では有意な増減はなく、女性では有意に減少している。年齢階級別にみると、その割合は、男性では40歳代、女性では30歳代で最も低く、それぞれ18.5%、9.4%。 なお、「健康日本21(第二次)」における運動習慣のある人の割合の目標は、20~64歳では男性36%、女性33%、65歳以上では男性58%、女性48%。
年齢調整した運動習慣のある人の割合の年次推移
運動習慣のある人の割合
歩数の状況
歩数の平均値は男性6,793歩、女性5,832歩で、この10年間でみると、男性では有意な増減はなく、女性では有意に減少している。
なお、「健康日本21(第二次)」における歩数の目標は、 20~64歳では男性9,000歩、女性8,500歩、65歳以上では男性7,000歩、女性6,000歩。
年齢調整した歩数の平均値の年次推移
歩数の平均値
令和元年「国民健康・栄養調査」(厚生労働省)
- 第1回:4人に1人は食習慣を「改善するつもりはない」、運動習慣を「改善するつもりはない」人も4人に1人
- 第2回:男性の3割、女性の4割が健康食品を利用、食生活に影響を与えている情報源。若年者ではネットが高比率
- 第3回:栄養・食生活の状況。20代女性の摂取エネルギー量が1,600kcalに、身体活動・運動に関する状況。女性の歩数や運動習慣のある人が減少
- 第4回:飲酒習慣および肥満・低栄養、糖尿病などの状況