スポーツ栄養WEB 栄養で元気になる!

SNDJクラブ会員募集中! 詳細はこちら
一般社団法人日本スポーツ栄養協会 SNDJ公式情報サイト
ニュース・トピックス

アボカドを食べるとランニング後の回復が速まる? 活動的な若年成人女性での検討

アボカドがランニング後の回復を助けてくれるかもしれない。その可能性を示唆する研究結果がブラジルから報告された。無作為化プラセボ対照クロスオーバー試験で、アボカド摂取後には心拍数や血圧などが短時間で安静時値に戻ったという。

アボカドを食べるとランニング後の回復が速まる? 活動的な若年成人女性での検討

アボカドに関しては動物実験から、脂質代謝改善作用や心血管パラメーターの改善作用が報告され、ヒトを対象とする研究からも肥満者の食後糖・脂質代謝に対する急性効果を示した報告がある。しかしそのメカニズムは不明な点が多く、また心血管系に負荷のかかる運動時に何らかの影響を及ぼすか否かは不明。著者らは、有酸素運動の自律神経系および心血管系へのアボカド摂取の影響の評価を試みた。

被験者は全員女性

一般に、運動の負荷がかかると最初の数秒で副交感神経活性の低下により心拍数が増加し、続いて交感神経活性が亢進して血圧、心拍出量、骨格筋血流が増加する。そして運動直後にはそれとは逆に、副交感神経活性の亢進と交感神経活性の低下が起こる。この流れをアボカド摂取が修飾し得るか否かを調べるため、16名の健康で身体活動習慣のある女性が募集された。このうち、収縮期血圧が120mmHg以上、心拍数100bmp以上、BMI18.5未満または25以上に該当した3名、および研究プロトコルを完了できなかった1名を除外し、最終的に12名による無作為化プラセボ対照クロスオーバー試験となった。

被験者はすべて女性で、年齢20.75±1.7歳、BMI21.16±1.78、体脂肪率31.95±4.16%、推定最大心拍数199.25±1.71bpm。アボカド条件とプラセボ条件は、月経周期の10~15日または20~25日のいずれかに行い、ホルモンレベルの影響を除外した。また、各条件の実験は、17~22時、室内温20~26℃、湿度40~70%で統一した。実験の24時間前からはアルコール摂取や過度の運動を禁止、8時間前からはカフェインの摂取を禁止した。実験は、サンパウロ州立大学の自律神経系センターで行われた。

被験者は、運動負荷60分前に600mgのアボカド果肉サプリメントまたはプラセボ(デンプン)を、カプセルの状態で摂取、座位による安静を60分間維持した後、トレッドミルを用い、勾配1%、最大心拍数の50~55%(208-0.7×年齢)で5分間のウォーミングアップを実施。その後、最大心拍数に達するまで、毎分0.5km/時ずつ増速し、最大心拍数に到達後はその65~70%の強度で25分間維持した。運動負荷終了後の3分間は立位で休息し、その後57分間は座位で休息した。

この間、心拍数、血圧、rMSSD(root Mean Square of Successive Differences.心電図RR間隔の差の二乗平均平方根。心拍変動の指標の一つで、副交感神経活性を表すとされる)、皮膚コンダクタンス(皮膚の電気伝導性から評価するもので、交感神経活性を表すとされる)などを測定した。

心肺パラメータや自律神経活性に有意差

心拍数と収縮期血圧がアボカド条件で早く回復

運動中止後の心電図RR間隔、拡張期血圧に、アボカド条件とプラセボ条件での有意な群間差は認められなかった。

その一方で、心拍数は、プラセボ条件では運動中止から20分後まで有意に高い状態が持続したが、アボカド条件で有意に高かったのは10分後までで、20分後には安静時と有意差がないレベルに落ち着いた。同様に、収縮期血圧は、プラセボ条件では運動中止から3分後まで有意に高い状態が持続したが、アボカド条件で有意に高かったのは2分後までで、3分後には安静時と有意差がないレベルに落ち着いた。

副交感神経活性の回復や交感神経活性の抑制にも有意差

主に副交感神経活性の活動を表すとされるrMSSDは、アボカド条件では運動中止から2~3分後まで有意に低い状態が観察され、それ以降は安静時レベルに回復したが、プラセボ条件では5~10分後まで有意に低い状態が観察された。

一方、交感神経活性を表すとされる皮膚コンダクタンスは、アボカド条件では運動中止から5~10分後まで有意に高い状態が観察され、それ以降は安静時レベルに回復したが、プラセボ条件では45~50分後まで有意に高い状態が観察された。

以上をまとめると、

  1. アボカドは運動負荷後の収縮期血圧の回復を促進した
  2. アボカドは運動負荷後の心拍数の回復を促進した
  3. アボカドは運動負荷後の副交感神経活性の回復を促進した
  4. アボカドは運動負荷後の交感神経活性の抑制を促進した

となる。

このようなアボカド摂取の影響のメカニズムについて著者らは、アボカドがレニン-アンジオテンシン系に作用して血圧調節にかかわることや、抗酸化作用を有するなどの報告があることを考察として述べている。その上で、「アボカドが適度な運動負荷後の心血管系・自律神経系の回復を促したと考えると、この介入は運動直後に生じる心血管合併症を減らすために考慮されるかもしれない」とし、「とくに医学的監視下で身体活動を行うような対象にとって有望」と結論している。

文献情報

原題のタイトルは、「Avocado (Persea americana) pulp improves cardiovascular and autonomic recovery following submaximal running: a crossover, randomized, double-blind and placebo-controlled trial」。〔Sci Rep. 2020 Jul 1;10(1):10703〕
原文はこちら(Springer Nature)

この記事のURLとタイトルをコピーする

関連記事

スポーツ栄養Web編集部
facebook
Twitter
LINE
ニュース・トピックス
スポーツ栄養”見える”化プロジェクト
スポーツ栄養”見える”化✕選手育成プロジェクト「中井彩子 フランス・ロードバイク日記」
元気”いなり”プロジェクト
元気”いなり”プロジェクト
SNDJクラブ会員登録
SNDJクラブ会員登録

スポーツ栄養の情報を得たい方、関心のある方はどなたでも無料でご登録いただけます。下記よりご登録ください!

SNDJメンバー登録
SNDJメンバー登録

公認スポーツ栄養士・管理栄養士・栄養士向けのスキルアップセミナーや交流会の開催、専門情報の共有、お仕事相談などを行います。下記よりご登録ください!

セミナー・イベント情報
このページのトップへ