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運動+断続的断食+アルカリ補給で肥満者の減量効果とランニング速度が向上 ドイツの研究

軽度肥満者に対する減量戦略として、断続的断食とアルカリ性サプリメントを運動にプラスすることで、減量効果が高まるとの研究結果が報告された。さらに、ランニング速度にも好影響を及ぼすという。

運動+断続的断食+アルカリ補給で肥満者の減量効果とランニング速度が向上

断食と運動負荷によるケトン体産生の影響をアルカリ性サプリで抑制

運動にはさまざまな健康効果があるが、運動単独の減量効果は限定的で、食事介入との併用が行われる。食事介入の手法として近年、食事を摂取する時間帯を制限する断続的断食が普及してきており、断続的断食と運動の併用による2型糖尿病の発症予防などの効果が報告されている。

ただし、体重を減らすことを目的としたすべての介入は、脂肪分解を亢進させるためケトン体が産生される。酸性環境では脂肪細胞からのトリグリセライド放出が減少することが示されており、その結果、体重の減少効果が抑制される可能性がある。さらに、アシドーシスの進展は運動パフォーマンスの低下につながることも考慮される。

これに対し、適度のアルカリ補給はアシドーシスを抑制し、体重減少の強化とパフォーマンスの改善につながる可能性がある。

対象を4群に分けて12週間介入

この研究の対象者は新聞広告で募集され、BMI25〜30で週に1〜2時間の運動を行っているという基準を満たす20〜60歳の健康な成人80名が登録された。男性・女性各40名を以下の4群に無作為に割り付け、12週間介入した。

断続的断食+アルカリサプリ群20名、断続的断食+プラセボ群20名、断続的断食以外の食事介入+アルカリサプリ群20名、断続的断食以外の食事介入+プラセボ群20名。

12週間の介入の前後に、体重、体組成、ランニングパフォーマンス、食事摂取量、酸塩基パラメーターを測定した。

介入中の運動と食事

介入期間中、参加者全員にフィールドテストに基づいて個別化された持久力トレーニングが行われた。30〜60分のランニングと20分の筋力トレーニングを週3〜4回、および毎週末に最大2時間のウォーキングを課し、遵守状況はプロトコルにそって監視された。

食事に関しては、基礎代謝率と活動量に基づいた個別化した摂取エネルギー量を示したうえで、参加者全員に2時間のセミナーとガイドブックを用いるという手法でバランスの取れた食事についてアドバイスを行い、プロトコルにそって食事摂取量を監視した。

また断続的断食を行う群は、最初の3週間は週3回、半日の断食から開始し(1日あたり女性は800kcal、男性は1,200kcal)、続いて毎週2日間の断食(女性400kcal、男性600 kcal)として、他の日は各人の必要エネルギー量を満たす通常量とした。

断続的断食+アルカリサプリ群に優位性

介入期間中に、怪我や病気等により12名が脱落し、最終的な解析対象は68名だった。ベースライン時において、年齢、体組成、運動歴に有意差はなく、また、摂取栄養素の比率も同等だった。

減量効果

断続的断食群+プラセボ群は、非断続的断食群+プラセボ群に比し、減量幅が有意に大きかった(-5.80±0.77 vs -3.40±0.58kg,p=0.010)。

さらに、断続的断食+アルカリサプリ群は、断続的断食+プラセボ群に比べて、減量幅が有意に大きかった(-8.28±0.75 vs -5.80±0.77kg,p=0.015)。

また、非断続的断食群+アルカリサプリ群は、非断続的断食+プラセボ群に比べて、減量幅が有意に大きかった(-5.59±0.87 vs -3.40±0.58kg,p=0.023)。

体脂肪量の減少効果

断続的断食群+プラセボ群は、非断続的断食群+プラセボ群に比し、体脂肪量の減少幅が有意に大きかった(-3.59±0.45 vs -2.63±0.30kg,p=0.044)。

さらに、断続的断食+アルカリサプリ群は、断続的断食+プラセボ群に比べて、体脂肪量の減少幅が有意に大きかった(-5.12±0.62 vs -3.59±0.45kg,p=0.028)。

非断続的断食群+アルカリサプリ群と、非断続的断食+プラセボ群の体脂肪量の減少幅は有意差がなかった。

なお、内臓脂肪の変化に関しては、断続的断食+アルカリサプリ群が断続的断食+プラセボ群に比べてより大きく減少していた(-2.27±0.37 vs -1.53±0.25kg,p=0.018)。その他の群間差は有意でなかった。

ランニングパフォーマンス

ランニング速度は、12週間の運動介入により全群で向上していたが、断続的断食による上乗せ効果は認められなかった。ただし、断続的断食+アルカリサプリ群は、断続的断食+プラセボ群に比べてより大きくパフォーマンスが向上していた(1.73±0.23 vs 0.97±0.20km/時,p=0.021)。

嫌気性閾値での乳酸値には、群間の有意差はなかった。

酸塩基状態(尿pH)

介入最終日に測定した尿pHは、非断続的断食+アルカリサプリ群が、非断続的断食+プラセボ群に比し、有意に高値だった(5.88±0.10 vs 5.64±0.06,p=0.038)。その他の群間差は有意でなかった。

これらの結果のまとめとして著者らは「12週間の運動プログラムとの併用により、通常の食事介入よりも断続的断食にアルカリ性サプリメントを加える食事介入は、体重と体脂肪の減少に効果的だった。また、運動介入によってパフォーマンスが向上したが、断続的断食にアルカリ性サプリメントを加えることで、さらに向上した」と結論を述べている。

文献情報

原題のタイトルは、「Exercise Training, Intermittent Fasting and Alkaline Supplementation as an Effective Strategy for Body Weight Loss: A 12-Week Placebo-Controlled Double-Blind Intervention with Overweight Subjects」。〔Life (Basel). 2020 May 21;10(5):E74〕
原文はこちら(MDPI)

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