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ジュニアスイマーの潜在的なドーピングの可能性を断面調査 スロベニアの研究

ジュニアスイマーの潜在的なドーピング傾向を調査した結果、ドーピングに対し否定的な考え方をもっていたのは約7割で、残り3割はニュートラルまたは肯定的に考えていることがわかった。欧州スロベニアからの報告。

ジュニアスイマーの潜在的なドーピングの可能性を断面調査 スロベニアの研究

思春期は社会道徳や認知・感情面の発達が著しく、この時期にドーピングの危険性を伝えることが重要と考えられるが、実際にはその重要性がほとんど認識されていない。また水泳は陸上競技や体操と並び人気が高く、かつドーピング摘発件数が少なくないスポーツ。そこで本論文の著者らは、ジュニアスイマーを対象として潜在的なドーピング傾向を調査した。

対象はスロベニアのジュニアスイマー242名。全員が18歳未満で、女子(n=131)は14.4±1.2歳、男子(n=111)は15.3±1.1歳。全てのアスリートが国内大会の出場経験者であり、4割以上は全国大会のメダリストというエリートスイマー。アンケートにより、トレーニング量、スポーツ栄養の知識、ドーピングに関する知識などを評価し、本人のドーピングに対する考え方との相関を検討した。

スポーツ栄養の知識は、「過度の発汗の副作用には、純粋な水を飲むことが最適な回復法」、「競技後4時間は食べない方が良い」、「競技後の最初の食事は、鶏の胸肉(白身の肉)と卵がパスタよりも良い」、「蛋白質の補給には水の摂取量を増やす必要がある」、「新鮮な果物と野菜は高品質の蛋白質の最良の供給源」、「炭水化物が豊富な食事は排尿による脱水を促進するため競技前は避けるべき」など、10項目の設問に対する解答の正誤で知識を評価した。

男女ともに「ドーピングは使用しない」は7割

結果だが、まずドーピングに対する考え方は、男子の69.4%、女子の71.8%が「ドーピングは使用しない」と回答した。「自分の助けになるならば使用する」との回答は、男子の4.5%、女子の2.3%が該当した。また「健康上の問題がなく役立つのであれば使用する」は、11.7%、5.3%だった(その他は「わからない」と回答)。

ドーピングの何が問題かについては、「フェアプレイに反する」が男子65.8%、女子61.9%で多数を占め、「健康を脅かす」との回答は33.3%、36.6%にとどまった。

なお、サプリメントの摂取状況は、男子では「定期的に摂取」が18.0%、「時々摂取」が46.9%で、女子は同順に6.1%、50.4%だった。

スポーツ栄養の知識が豊富な男子は、潜在的ドーピング傾向が弱い

次に、前記のドーピングに対する考え方への質問に「ドーピングは使用しない」と回答したアスリートを潜在的なドーピング傾向が弱い「否定的(ネガティブ)な考え方」、「自分の助けになるならば使用する」または「健康上の問題がなく役立つのであれば使用する」と回答したアスリートを潜在的なドーピング傾向がある「肯定的(ポジティブ)な考え方」、「わからない」と回答したアスリートを「ニュートラルな考え方」と3群に分け、関連のある因子を検討した。

すると、男子においてはスポーツ栄養の点数が高得点だったアスリートは、ドーピングに対して否定的な考え方をもっているという有意な関係がみられた(OR0.77,95%CI0.60-0.95)。なお、後述する女子でみられた競技成績やトレーニングを強化し始めた時期との関連は、男子では有意でなかった。

競技成績が低下したり、早くからトレーニングを強化した女子は、潜在的ドーピング傾向が強い

女子においては競技成績とトレーニング強化の時期が、潜在的ドーピング傾向と有意な関連が認められた。具体的には競技成績が良好な場合、ドーピングに対しニュートラルな考え方をもち(OR0.39,0.24-0.63)、トレーニングを強化し始めた(週に8回以上のトレーニングを開始した)時期が遅いとドーピングに対してポジティブ(OR0.90,0.83-0.99)またはニュートラル(0.88,0.81-0.96)な考え方をもっていた。このことは、競技成績が低下したり早くからトレーニングを強化した女子は、潜在的ドーピング傾向が強いことを意味する。

なお、前述の男子でみられたスポーツ栄養の知識との関連は、女子では有意でなかった。

ジュニアの時期からアンチドーピング教育を

これらの結果の結論として著者らは「ジュニアスイマーへのアンチドーピング教育プログラムの緊急性が示され、教育プログラムの確立が望まれる」とし、その際、「より若年から集中トレーニングを開始した女子アスリート、および高い競争力を達成していない女子アスリートに特別な注意を払う必要がある」と結論を述べている。

なお、女子においてトレーニングを強化した時期が早いことが潜在的ドーピング傾向の強さと関連することについて、身体的および感情的な疲労、達成感の低下等によりバーアウト症候群を来しやすくなるためではないかと考察している。

文献情報

原題のタイトルは、「Toward Prevention of Doping in Youth Sport: Cross-Sectional Analysis of Correlates of Doping Tendency in Swimming」。〔Int J Environ Res Public Health. 2019 Dec 2;16(23)〕

原文はこちら(MDPI)

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