インターバル運動は等しい強度の連続運動よりも酸素消費量が多く体脂肪が減りやすい
等しい強度の運動を連続して行うよりも、運動強度にリズムを付けるインターバル運動のほうが、運動中の消費カロリーが同じでも体脂肪減少効果が大きいとする報告が発表された。
肥満や過体重により増悪する生活習慣病の予防や治療には減量が求められる。減量には日常的な運動によるエネルギー消費の増加が有効であることは明らかであるが、時間的な制約や生活習慣変更の難しさ、あるいは単調な動作の繰り返しによる倦怠感などのため、運動を習慣的に継続できる人は多いと言えない。このような現状に対し、インターバル運動の有効性が注目されつつある。
インターバル運動は、短時間の激し運動と軽強度の運動を繰り返す方法。嫌気性運動と有酸素運動という双方のエネルギーシステムを改善するとともにVO2maxの向上効果もあることから、アスリートのトレーニング法としても用いられている。さらにインターバル運動では、運動後酸素消費(トレーニング終了後にも続くエネルギー消費の高い状態)が亢進することから、代謝面への好影響も期待できる。
本研究では、等強度連続運動とインターバル運動における運動後酸素消費量(excess post-exercise oxygen consumption:EPOC)の相違を検討した。対象は20代の運動習慣のない健康な大学生34名(23.65±2.17歳、男性18名)。運動負荷にはエルゴメーターを用い、等強度連続運動では60%VO2maxで30分の運動を課し、インターバル運動では最初に80%VO2maxで2分、その後40%VO2maxで1分+80%VO2maxで3分を6回繰り返して計26分の運動を課した。それぞれのテストは別の日に実施し、テスト前48時間の激しい運動を禁止、また12時間前から絶食とした。
結果をみると、消費エネルギー量は等強度連続運動212.24±68.47kcal、インターバル運動214.85±66.32kcalで、同等だった(p=0.503)。一方、EPOCの持続時間は、等強度連続運動の31.24±15.09分に比し、インターバル運動は45.90±12.37分で有意に長かった(p<0.001)。またVO2maxは等強度連続運動185.42±98.94mL/分/kg、インターバル運動266.81±79.62mL/分/kgでやはりインターバル運動が有意に高かった。さらに総酸素消費量、総エネルギー消費量、心拍数などの変数ごとにみても、また男性と女性の双方においても、すべて有意差をもってインターバル運動が勝っていた。
結論として、等強度連続運動よりもインターバル運動の方がEPOCが高いことが確認され、運動によってより大きな体重減少効果を誘発すると考えられた。著者らは「インターバル運動は等強度連続運動よりもエネルギー消費を増加させ体脂肪を減らす効果的な戦略であろう」と結論している。
文献情報
原題のタイトルは、「Effect of interval exercise versus continuous exercise on excess post-exercise oxygen consumption during energy-homogenized exercise on a cycle ergometer」。〔J Exerc Nutrition Biochem. 2019 Jun 30;23(2):45-50〕
原文はこちら(KOREAN SOCIETY FOR EXERCISE NUTRITIO)