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未来につなぐ東京オリンピック・パラリンピック
「レガシーとなる選手村の食事メニューが決まるまで」
2. 食材調達基準

2019年07月16日

未来につなぐ東京オリンピック・パラリンピック レガシーとなる選手村の食事メニューが決まるまで

スポーツと持続可能性の関連

東京2020大会では「持続可能性」が重視されていることを前回紹介した。ところで、スポーツと持続可能性にどのような関係があるのだろうか。

実は、「2012年のロンドン大会では1,500万食以上が提供された」と先に述べたが、その一方で、1,500tに上る食品ロスがあったと言われている。このことから、膨大な数の人々が集中するスポーツ大会においては、持続可能性を無視することができない状況が明るみになった。

現在すでに、例えば米国では、大リーグやバスケットボールなどにおいて持続可能性に配慮した競技運営が始められている。国際オリンピック委員会(IOC)も「オリンピック競技大会のすべての側面に持続可能性を導入する」としており、東京2020大会においても持続可能性が重要なキーワードとなった。東京2020組織委員会では「Be better, together」(より良い未来へ、ともに進もう)という持続可能性コンセプトを掲げている。

持続可能性達成の具体的な目標

東京2020組織委員会は持続可能性に関する主要テーマとして、「気候変動」「資源管理」「人権・労働、公正な事業慣行」など6項目を挙げている。 例えばアスリートに授与されるメダルに必要な金属は、全国1万8,000カ所以上に設置された回収ボックス経由で集められた金属製品から確保。選手村の一部は全国の自治体から無償で提供される木材を用いて建設し、大会後に解体し各自治体で再利用される。太陽光発電や太陽熱利用、地中熱利用も積極的に導入していく方針。

飲食提供に関連することとしては、「持続可能性に配慮した調達コード」という規約が策定されており、生産者や納入業者はこれを遵守することが求められる。このような持続可能性の達成を大会前の準備段階から本格的に目標として掲げた夏季五輪は、東京2020大会が初めて。

持続可能性に配慮した調達コードの内容

調達コードの内容をみてみよう。

まず、「基本原則」として、「東京2020大会の準備・運営段階の調達プロセスにおいて、法令遵守はもちろんのこと、地球温暖化や資源の枯渇、生物多様性の損失などの環境問題、人権・労働問題、不公正な取引等の問題へのインパクトを考慮することにより、社会的責任を果たしていくことが重要であると考える」と述べ、その位置づけを明示している。

そして食材調達に関して、農産物、畜産物、水産物、パーム油、紙について個別基準を設けている。 例えば農産物のサプライヤーには、

  1. 食材の安全を確保するため、農産物の生産に当たり、日本の関係法令等に照らして適切な措置が講じられていること、
  2. 周辺環境や生態系と調和のとれた農業生産活動を確保するため、農産物の生産に当たり、日本の関係法令等に照らして適切な措置が講じられていること、
  3. 作業者の労働安全を確保するため、農産物の生産に当たり、日本の関係法令等に照らして適切な措置が講じられていること、を満たした調達を行わなければならない

としている。

その他の食材も内容的にはほぼ同様だが、畜産物については、アニマルウェルフェア(家畜のストレス等への配慮)、水産物については水産資源の管理が行われていることなどが求められる。

持続可能性はGAP認証で承認可能

実際には調達コードを遵守していることを示す方法として、GAP(Good Agricultural Practice:農業生産工程管理)等の利用が推奨される。


主なGAP認証制度(左からJGAP、ASIA GAP、GLOBAL GAP)

GAPとは、農業において食品安全や環境保全、労働安全等の持続可能性を確保するための生産工程を管理する取り組みのこと。GAPの認証を受けるには持続可能性の要件を満たす必要があることから、東京2020大会の調達コードの要件も満たしていると認められる。GAPは国内ではまだ馴染みが少ないが、農林水産省では普及に向けて交付金等により認証取得を推進しているところだ。

水産物に関してもMSC(Marine Stewardship Council:海洋管理協議会)等、GAPと同様の仕組みがあり、その認証を受けることでコードの遵守が認定される。

関連情報

公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会/持続可能性に配慮した調達コード
農林水産省/農業生産工程管理(GAP)に関する情報
「グランイート銀座」オリンピック選手村の料理が食べられるGAP認証食材専門のダイニングキッチン

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