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1日8時間以上の睡眠、持久系アスリートのパフォーマンスに好影響

1日8時間以上の睡眠、持久系アスリートのパフォーマンスに好影響

十分な睡眠時間を確保することが、持久系スポーツのパフォーマンスを向上させる可能性が示された。

この研究は、サイクリスト/トライアスリート(n=9)を対象とするもので、3つの睡眠条件によるクロスオーバー試験により施行された。3つの条件とは、通常睡眠、睡眠制限、および睡眠延長。睡眠制限条件では就寝時間は通常より30%短縮させ、反対に睡眠延長条件では通常より30%延長させた。各条件は連続する3夜にわたり課せられた。

睡眠の状態は、アクチグラフィー(加速度センサー)を用いてモニターした。また、持久力タイムトライアルによりパフォーマンスを評価したほか、自覚的運動強度 (rate of perceived exertion.RPE)、気分障害および精神運動覚醒度も評価された。

結果をみると、まず被験者が実際に眠っていた総睡眠時間は、通常睡眠条件の3夜が7.1±0.8、6.5±1.0、6.9±0.7時間であったのに対し、睡眠制限条件の3夜は4.7±0.8、4.8±0.8、4.9±0.4時間で有意に短かった(p<0.001)。また睡眠延長条件の3夜は8.6±1.0、8.3±0.6、 8.2±0.6時間で、通常条件に比し有意に長かった(p<0.001)。

タイムトライアルの記録をみると、睡眠制限条件の3日目(2夜経過後)に、通常睡眠条件に比し有意に遅い成績が記録された(58.8±2.5 vs 60.4±3.7分,p<0.02)。一方、睡眠延長条件の4日目(3夜経過後)に、通常睡眠条件に比べて有意に速い成績が記録された(58.7±3.4 vs 56.8±3.1分,p<0.02)。自覚的運動強度(RPE)は、睡眠条件の違いによる有意な変化は認められなかった。

気分障害に関しては、通常睡眠条件に比較して睡眠制限条件でそのレベルがより高く、また精神運動覚醒も損なわれていた。睡眠延長条件では通常条件に比し精神運動覚醒の改善がみられた。

結論として、3夜連続の睡眠延長は、通常および睡眠制限条件と比較して持久力パフォーマンスの改善をもたらした。また睡眠制限はパフォーマンスの低下をもたらした。以上より、著者らは「持久力アスリートはパフォーマンスを最適化するために一晩あたり8時間以上、眠るべきだ」と述べている。

文 献

原題のタイトルは、「Extended Sleep Maintains Endurance Performance better than Normal or Restricted Sleep」。〔Med Sci Sports Exerc. 2019 Jun 25〕

原文はこちら(Med Sci Sports Exerc.)

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