東京オリンピック・パラリンピックのアンチ・ドーピングがIOC重要項目に 新システム導入も視野
4月13日からスイスで開催されたIOC(国際オリンピック委員会)国際アスリートフォーラムにおいて、WADA(世界アンチ・ドーピング機構)は東京オリンピック・パラリンピックを主なターゲットとして進行中の新たな施策を発表した。このフォーラムには通常2年ごとに開催されており、今回はIOCや国際パラリンピック委員会、WADAのほか、世界200カ国以上から約350人のアスリートが参加した。
フォーラムにおいてはWADAアスリート委員会委員長のBeckie Scott氏が同委員会の作業進捗状況を報告したのに続き、最高執行責任者のFrédéric Donzé氏がWADAの活動に関連する最近の動向を伝えた。それによると、ロシアのドーピング問題を踏まえてドーピング調査や内部告発などによるアンチ・ドーピング体制に確実な進歩があったという。
東京2020で新たなアンチ・ドーピング管理システムを検討
また同フォーラムにおいて、WADA標準化ハーモナイゼーション担当副部長のStuart Kemp氏は、新たなアンチ・ドーピング管理システム「ADAMS(Anti-Doping Administration and Management System)」の最新情報を公表した。
新システムは、静脈採血ではなく指先の穿刺から得られる微量の血液を検体として使用する。これにより、より簡便、低侵襲でアスリートの負担が少なく、かつ迅速、低コストに検査を施行可能になる見込み。
現在のところ新システムは2022年の北京冬季オリンピックに向けIOCとWADAが中心となり開発を進めているが、来年の東京オリンピック・パラリンピックで用いられる可能性があるとも報じられている。
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WADA and anti-doping form key part of IOC International Athletes' Forum