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日本人の子ども1,318人の食事調査 超加工食品の摂取量が多いほど「食事の質」が低い傾向 東京大学

日本の子どもを対象とした食事調査のデータをもとに、超加工食品の摂取量と食事の質との関連を検討した結果、超加工食品からのエネルギー摂取量は27~44%を占めていて、その割合が高い子どもほど食事の質が低いことがわかった。東京大学の研究グループによる研究であり、論文が「Journal of the Academy of Nutrition and Dietetics」に掲載されるとともに、同大学のサイトにプレスリリースが掲載された。著者によると、この研究は子どもの超加工食品の摂取量を割り出し、食事の質との関連を評価した日本で初めての研究であり、今後の国内での超加工食品に関連する疫学研究の発展や、公衆栄養政策の決定に貢献することが期待されるという。

日本人の子ども1,318人の食事調査 超加工食品の摂取量が多いほど「食事の質」が低い傾向 東京大学

日本の子どもたちの超加工食品の摂取量は?

食品加工は、世界の食料システムにおいて、食品の安全・安心・入手可能性の確保や食品廃棄物の削減など、極めて重要な役割を担っている。一方で、高度な加工を特徴とする超加工食品(例えばソーセージや菓子パン、清涼飲料など)は、脂質やナトリウムを多く含む一方で、たんぱく質や食物繊維、ビタミン・ミネラル類の含有量が少ないため、多く食べることで食事全体の質が低下する可能性がある。また、最近の欧米諸国を中心としたレビューによると、超加工食品からのエネルギー摂取量は、小児や青少年などの若年層で高い傾向にあることがわかっている。

しかし、アジア圏における子どもの超加工食品の摂取量に関する栄養学研究は少なく、日本人の子どもの超加工食品の摂取量や、食事の質との関連は明らかになっていない。そこで本研究では、日本人の子どもを対象とした全国規模の食事調査のデータを用いて、超加工食品の摂取量を調べ、食事の質との関連性を評価した。

32都道府県、3~17歳、1,318人の食事内容を、1季節2日、計8日調査

食事調査のデータとして、2016~20年に国内32都道府県に住む3~17歳の日本人1,318人から得られた食事記録を使用した。参加者やその保護者には、参加者が8日間(各季節に2日ずつ)にわたって食べたり飲んだりしたものを、すべて計量して記録してもらった。そして、食事に記録されたすべての食品を、ノースカロライナ大学チャペルヒル校の研究者らが開発した食品分類の枠組みを用いて、加工レベルが低い順に「未加工/最小限の加工」、「基本的な加工」、「中程度の加工」、「高度な加工(超加工食品)」の4段階に分類した(表1)。

表1 加工レベル別の食品の例

未加工/最小限の加工
水、牛乳、卵、野菜、芋、果物、生肉など
基本的な加工
精白米、無糖のお茶、無糖ヨーグルト、マカロニ、豆腐など
中程度の加工
うどん、中華麺、加糖ヨーグルト、乳酸菌飲料、みそなど
高度な加工(超加工食品)
清涼飲料、白パン、顆粒だし、ソーセージ、ゼリー、菓子パン、アルコール飲料など
(出典:東京大学)

一方、食事の質は、Healthy Eating Index-2015(米国人のための食事ガイドラインの順守の程度を測る指標)と Nutrient-Rich Food Index 9.3(食事全体を栄養素密度の観点から評価する指標)の二つを使って評価した。また、外食や惣菜などの家庭外で調理された料理を、①料理に含まれる個々の食材を個別に加工レベル別に分類する場合(超加工食品を少なく見積もるシナリオ)と、②すべて超加工食品に分類する場合(超加工食品を多く見積もるシナリオ)の2通りで食品分類を行った。

総エネルギー摂取量に対して27~44%を超加工食品から摂取

結果として、1日の総エネルギー摂取量に対して超加工食品が占める割合の平均値は、超加工食品を少なく見積もるシナリオでは27%で、多く見積もるシナリオでは44%だった。また、超加工食品からの総エネルギー摂取量に占める割合が最も大きい食品群は、超加工食品を少なく見積もるシナリオでは菓子類で、超加工食品を多く見積もるシナリオでは穀類・でんぷん質食品だった(図1)。

図1 超加工食品からのエネルギー摂取に対する各食品群の相対的寄与率(%)

超加工食品からのエネルギー摂取に対する各食品群の相対的寄与率(%)

超加工食品を少なく見積もるシナリオでは、家庭外で食べる食品のうち、他の食材と組み合わせて料理として消費されるものは、食品番号に基づいて個別に分類された(白い棒グラフ)。一方、超加工食品を多く見積もるシナリオでは、すべて超加工食品に分類された(黒い棒グラフ)。
(出典:東京大学)

超加工食品のエネルギー比率が高い子どもほど食事の質が低い

食品分類のシナリオにかかわらず、超加工食品からエネルギーを多くとっている集団ほど、Healthy Eating Index-2015およびNutrient-Rich Food Index 9.3の総スコアが低い、すなわち食事の質が低いことがわかった(図2)。

図2 超加工食品のエネルギー寄与割合別の各群の食事の質のスコア

超加工食品のエネルギー寄与割合別の各群の食事の質のスコア

各群の括弧内の数値は超加工食品からのエネルギー寄与割合の中央値を示す。
HEI-2015: Healthy Eating Index-2015(米国人のための食事ガイドラインの順守の程度を測る指標)。
NRF9.3: Nutrient-Rich Food Index 9.3(食事全体を栄養素密度の観点から評価する指標)。
(出典:東京大学)

本研究は、日本人の子どもにおいて、超加工食品の摂取量を明らかにし、その食事の質との関連性を評価した初めての研究。本研究の成果は、日本の公衆栄養政策を決定する上での重要な資料になるとともに、今後の超加工食品と関連する健康状態や疾病に関する研究の発展に寄与することが期待される。

プレスリリース

日本人の子どもにおける超加工食品の摂取量と食事の質との関連(東京大学)

文献情報

原題のタイトルは、「Highly Processed Food Consumption and its Association With Overall Diet Quality in a Nationwide Sample of 1,318 Japanese Children and Adolescents: A Cross-Sectional Analysis Based on 8-Day Weighed Dietary Records」。〔J Acad Nutr Diet. 2024 Jun 7:S2212-2672(24)00267-3〕
原文はこちら(Elsevier)

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