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ポーランドの若年女性アスリートと一般の若年女性の摂食行動を比較研究

体操、バレーボール、陸上の20歳未満の女性アスリートの摂食行動やボディイメージを、同地域に住む同年齢の一般女性と比較した研究結果が報告された。自分自身のボディイメージについては、非アスリートのほうが否定的に捉えていることや、アスリートの場合は競技経験などと摂食態度との関連が行っている競技によって異なることなどが明らかになったという。ポーランドのシレジア地方で実施された研究の報告。

ポーランドの若年女性アスリートと一般の若年女性の摂食行動を比較研究

ポーランドのシレジア地方に住む若年女性とアスリート対象に検討

多くの研究から、非アスリートの摂食障害の有病率は2~12%であり、女性アスリートでは18~45%に上ることが示されている。摂食障害の重症例では、心疾患、骨粗鬆症、不妊症などの重大な健康上のリスクを引き起こす可能性がある。医療介入が必要とされる摂食障害のアスリートは男性より女性のほうが圧倒的に多く、約90%を占めると報告されている。有病率は競技によって異なり、審美系競技では25~42%、持久系競技では24%、技術系競技では17%、球技では16%という数値が、それぞれ個別の研究から示されている。

ただ、アスリートの摂食障害の有病率や関連因子を評価するためのゴールドスタンダードな方法はまだ確立されておらず、研究対象の地域や年齢が異なると結果も異なる可能性がある。そこで本論文の研究者は、シレジア地方の20歳未満の女性アスリートを対象とする検討を行った。なお、シレジアは、現在のポーランド南西部からチェコ北東部にまたがる地域の歴史的名称。

体操、バレーボール、陸上のアスリートと一般女性の4群で比較

この研究の対象者は、シレジア地方に住む16~19歳の女子アスリート120人と、トレーニングを行っていない同年代の女性対照群30人。アスリートは、バレーボール選手90人、陸上選手30人、体操選手30人で構成されており、国内または国際大会で活躍している選手。対照群の女性は同じくシレジア地方の居住者から無作為に選ばれ、研究参加協力を依頼した。アスリート群、対照群ともに、食事関連疾患またはうつ病の既往のある人は除外されている。

摂食行動やトレーニング状況などについては、2種類のアンケートを通じて把握した。なお、研究実施前にアスリート群と対照群各10人を対象とするパイロット研究を行い、アンケートの精度を検討し調整した。パイロット研究参加者は、本研究には参加していない。

食習慣については、7日間にわたって、食事の規則性、1日の食事回数、口にした食品の種類と頻度、およびサプリメント等の利用状況を質問した。

行っている競技によって体重に対するイメージや食習慣と関連のある因子が異なる

まず、食事の規則性や嗜好を比較した結果をみると、群間に有意な差は認められなかった。ただし水分摂取量は、対照群(非アスリート)はアスリートの3群よりも有意に少なかった。また、ビタミン剤の利用率は、バレーボール選手が63%、陸上選手60%に比べて体操選手は40%と低く、さらに対照群は23.3%とより少なかった。ダイエットサプリメントの利用率には有意な群間差がなかった。

自分の体重の捉え方や減量の意思

「自分の体重に満足している」との回答は、陸上選手(50%)と体操選手(46.7%)はほぼ半数だった。それに対してバレーボール選手は16.7%、対照群は20%であり、満足していない割合が高かった。ただし、「体重を減らす必要がある」と考えているのは、バレーボール選手はむしろ少なく23.3%であり、陸上選手は30%で、体操選手は56.7%と有意に高値だった。

競技経験、トレーニングセッション数・時間との関連

次に、前述の食事の規則性や、体重の捉え方などの回答と、競技経験、トレーニングセッション数・時間との関連を検討した。

食事の規則性との関連

バレーボール選手(β=0.407)と体操選手(β=0.384)は、競技経験の長いほど食事の規則性が高かった。陸上選手は競技経験と食事の規則性との間に有意な関連がなかった。

また、バレーボール選手は、トレーニング回数が多いほど食事の規則性が高かった(β=0.457)。一方、体操選手はトレーニング回数が多いことは、食事の規則性の低さと関連していた(β=-0.470)。陸上選手はトレーニング回数と食事の規則性との間に有意な関連がなかった。

バレーボール選手については、トレーニング時間か長いほど食事の規則性が高いという関連もみられた(β=0.475)。陸上選手と体操選手には、この関連はみられなかった。

体重の捉え方や減量の意思との関連

自分の体重の捉え方に関しては、競技経験やトレーニング量との有意な関連のみられたカテゴリーはなかった。

その一方で、「体重を減らす必要がある」との考えは、陸上選手(β=0.348)と体操(β=0.405)は競技経験の長さと正の関連があり、バレーボール選手は競技経験の長さと負の関連が認められた(β=-0.589)。トレーニング量は、行っている競技にかかわらず、「体重を減らす必要がある」との考えとの有意な関連がなかった。

著者らは、「バレーボール、陸上競技、体操を代表するシレジア人の女性アスリートの多くは規則的な食生活をしており、摂食行動上の懸念はみなれなかった」とまとめながらも、「スポーツで摂食障害が発生するリスクと健康への影響を認識し、女性アスリートの食生活と食事を継続的にモニタリングする必要がある。摂食障害発症リスクの高いアスリートを特定し得る因子を見つけ出すには、より大きなサンプルでのさらなる研究が求められる」と付け加えている。

文献情報

原題のタイトルは、「Eating Behaviours in Sportswomen from the Silesian Training in Different Sports Disciplines」。〔Int J Environ Res Public Health. 2022 Dec 15;19(24):16843〕
原文はこちら(MDPI)

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