作家・エッセイストの平松洋子さんの 『ルポ 筋肉と脂肪 アスリートに訊け』(新潮社刊)が2月1日に発売されます。本書は2019~2022年にかけて『小説新潮』で連載されたエッセイ『プロレスは何を食べる』を改稿したもので、アスリートの身体はどのように作れらていくのか?という疑問を探求したルポルタージュとなっています。東京オリンピック/パラリンピックやスポーツ栄養サポートの最前線についても取り上げられており、一般社団法人日本スポーツ栄養協会(SNDJ)・鈴木志保子理事長も登場します。臨場感たっぷりの本作、ぜひご一読ください!
人の身体は、どのように作られていくのか。
『買えない味』でBunkamuraドゥマゴ文学賞を、『野蛮な読書』で講談社エッセイ賞を、そして昨年、『父のビスコ』で読売文学賞を受賞した作家・エッセイストの平松洋子さん。週刊文春の「この味」とdancyuの「台所の時間」の連載は十年以上つづき、根強い人気と支持を集めています。
「食」をめぐる随一の書き手でもある著者の、いわば「究極」と言えるのが本書のテーマ、ずばり「身体と食」、「人の身体はどのように作られていくのか」。着目したのは理想の身体を作り上げ、「体が資本」のアスリートたち。
相撲部屋を開設した押尾川親方、不世出のプロレスラー・武藤敬司、日本記録を保持するランナー・新谷仁美、東京五輪2020で複数のメダルをもたらしたスポーツ栄養士・鈴木志保子、大学駅伝三冠を達成した駒澤大学陸上競技部の寮母・大八木京子など、各種競技の最前線を取材。あわせて筋トレ、体脂肪、栄養、腸内環境、サプリメントなどのメカニズムと、これからむかう先にも踏み込みます。“栄養によって細胞レベルから身体を変える”“最高のパフォーマンスと勝利は、食べなくては獲得できない”など、アスリートやエキスパートからの名言、金言、迷言も。
書籍情報
『ルポ 筋肉と脂肪 アスリートに訊け』
著者:平松洋子
出版社:新潮社
定価(税込):2,310円
発売日:2023年2月1日
詳しい内容はこちら(新潮社)
目次
序章 スタートライン
一章 相撲とちゃんこ 国技を脂肪が支える
相撲部屋の朝稽古/マッスルメモリー/手探りで体重を増やす/えびすこは強い/ジョコビッチの「戒律」/和食はアドバンテージである/根性論では勝てない
二章 プロレスと筋肉 食べなければ得られない
新日本プロレスの寮生活/自炊もトレーニングのうち/ちゃんことの結びつき/エンターティナーの意味/オーラを消した「100人に1人の逸材」
三章 プロティンか、青汁か 自分の肉体を表現する
ミケランジェロと勝負する身体/棚橋弘至と六十分/真夜中に飲むプロティン/食べたいものを食べない/玄米と十円玉 石井智宏
四章 サプリメントの発見 身体表現の一部として
武藤敬司の身体を創造したもの/クレアチンの効果/運動・栄養・休息のトライアングル/サプリメントの開発秘話/トレーニング二割、食八割/その可能性と限界
五章 筋トレとはなにか 筋肉は身近な宇宙である
スポーツと経済/桑原弘樹の特別講義/『キン肉マン』人気の秘密/メンタルを支える/筋肉博士が読み解く/筋肉の世界/筋トレがもたらす力
六章 「脂肪と健康」体脂肪計をつくったひとたち
生まれたら数値化される/タニタが起こした発想の革命/「測る」という健康ブーム/脂肪と体重を「同時に測る」実験/体脂肪率の正体/数字を愛する
七章 見えないものを見る 腸内環境を覗く
初めての腸内フローラ検査/ビフィズス菌と腸活/過剰な期待
八章 「勝つ」ための栄養 「公認スポーツ栄養士」という仕事
メダルをもたらす公認スポーツ栄養士・鈴木志保子/マツダ陸上競技部のトレーニング/勝つための秘策/パラリンピック・アスリートへの指導/日本栄養士会会長・中村丁次「ご飯を手放してはいけません」/汗の質を変える/長距離ランナーの試行錯誤/「アスリートは芸術品」
九章 アスリートを支える食のプロフェッショナル 野球、サッカー、駅伝
大谷翔平を育てた丼めし/落合博満「食べることも仕事」/横浜FCの食を請け負う/トップアスリート専属栄養士・吉村俊亮の奥義/駒澤大学陸上競技部を支える寮母・大八木京子
十章 弱さとスポーツ 「感動物語」の背後にあるもの
アスリート新谷仁美の発信力/「スポ根」の危険/ジェンダーとスポーツ/順天堂大学「女性アスリート外来」/女子バスケットボール元日本代表の葛藤と再生
十一章 身体と時代 二〇二一年東京オリンピックのあとで
進化を生きる/押尾川親方の現在/東京オリンピックの遺産/新谷仁美「結果以上のものを見せる」/オリンピック選手村の食堂で/時代と身体は直結する
それぞれの現在
おわりに
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【 スポーツ栄養WEB編集部 】