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炭水化物+カフェインのマウスリンス(うがい)で性差によらず筋持久力が向上し反応時間が短縮する

炭水化物とカフェインのマウスリンス(うがい)によって、性別にかかわらず、筋持久力が向上し反応時間が短縮するという研究結果が、国際スポーツ栄養学会(International Society of Sports Nutrition;ISSN)の「Journal of the International Society of Sports Nutrition」に掲載された。著者らによると、炭水化物やカフェインのマウスリンス効果はこれまでにも報告されていたが、男女の性差を重視した研究は行われていなかったという。

炭水化物とカフェインの”うがい”で、性別によらず筋持久力が向上し反応時間が短縮する

炭水化物、カフェイン、その両方、プラセボの4条件で比較

研究対象

この研究の参加者は、14名の女性と13名の男性で、ともに過去1年間、週に3回以上のレジスタンストレーニングを行っている健康な成人。適格条件は、クレアチン、ステロイド、経口避妊薬を使用していないこと、日常のカフィン摂取量が25mg/日未満であること、筋骨格系の障害がないことであり、また味覚への影響を考慮し喫煙者は除外した。

女性は平均年齢21±1歳でトレーニング歴3±1年、カフェイン摂取量21±2mg/日、男性は24±3歳、トレーニング歴5±1年、カフェイン摂取量20±3mg/日だった。
試験デザイン
試験デザインは二重盲検無作為化クロスオーバー法で、参加者全員が、炭水化物、カフェイン、炭水化物+カフェイン、およびプラセボ(水)の4条件により、筋力テストと認知機能テストなどを受けた。各条件の試行には48~96時間のウォッシュアウト期間を設け、試行12時間前からは絶食およびカフェインとアルコールの摂取を禁止した。
マウスリンス

炭水化物は6%(1.5g)マルトデキストリン、カフェイン2%(500mg)であり、炭水化物+カフェインはそれら両者で、いずれも用量は25mLとされた。また、いずれも300mgのスクラロースで風味付けされ、また外観からも区別できないようにした。

筋力テストおよび認知機能テストの直前8分間に、1分につき1回、1回あたり10秒間のマウスリンスを行ってもらった。
筋力テストと認知機能テスト、その他のパラメータ

ベンチプレスとバックフルスクワットを、負荷重量を変えて繰り返し試行し、上半身と下半身での最大挙上重量(repetition maximum;1RM)を決定した。1RM決定後にその40%の負荷をかけた状態で失敗するまでの反復を3セット繰り返し、筋持久力を計測した。

認知機能テストでは、ディスプレーに表示される矢印への反応の精度や所用時間を把握した。そのほかに、心拍数、血糖値、覚醒感、自覚的運動強度(rating of perceived exertion;RPE)を評価した。

男性・女性ともに炭水化物+カフェイン条件で有意差

1RMパフォーマンスは、ベンチプレスとバックフルスクワットのいずれについても、条件間の有意差は認められなかった。それに対して、筋持久力と認知機能テストの結果の一部に、男性・女性ともに有意な結果が得られた。

筋持久力はバックフルスクワット1回目の試行で有意差

1RMの40%の負荷の反復で評価した筋持久力パフォーマンスは、事前の予想通り、ベンチプレスとバックフルスクワットのいずれも、1セット目からセット数を重ねるにつれて反復回数が減り、男性は女性よりも反復回数が多かった。

バックフルスクワットに関しては、男性、女性ともに、1セット目の炭水化物+カフェイン条件はプラセボ条件に比較し有意に反復回数が多かった(p=0.02)。炭水化物単独条件やカフェイン単独条件はいずれもプラセボ条件と有意差がないが、それぞれ炭水化物+カフェイン条件とも有意差がなかった(炭水化物+カフェイン条件と炭水化物単独条件はp=0.40、炭水化物+カフェイン条件とカフェイン単独条件はp=0.33)。

なお、バックフルスクワットの2セット目と3セット目は条件間の有意差はなかった。またベンチプレスではすべてのセットで条件間の有意差がなかった。

認知機能は反応時間で有意差

認知機能テストでは、反応精度は条件間での有意差は認められなかったが、反応時間に有意差が認められた。具体的には、炭水化物+カフェイン条件では、プラセボ条件に比較し有意に反応時間が短かった(p=0.02)。

炭水化物単独条件やカフェイン単独条件はいずれもプラセボ条件と有意差がないが、それぞれ炭水化物+カフェイン条件とも有意差がなかった(炭水化物+カフェイン条件と炭水化物単独条件はp=0.32、炭水化物+カフェイン条件とカフェイン単独条件はp=0.28)。

覚醒感はカフェイン単独条件でも有意に上昇

覚醒感はプラセボ条件と比較して、炭水化物+カフェイン条件(p=0.01)、およびカフェイン単独条件(p=0.02)で有意に高かった。なお、炭水化物単独条件ではプラセボ条件と有意差がないが、炭水化物+カフェイン条件(p=0.10)やカフェイン単独条件(p=0.16)とも有意差がなかった。

そのほかの評価指標の心拍数、血糖値、自覚的運動強度(RPE)については、条件間の有意差は認められなかった。

結論として、「炭水化物6%およびカフェイン2%でのマウスリンスは、男性と女性双方のアスリートの下半身の筋持久力を増強し反応時間を短縮した。また、炭水化物とカフェインの混合ではなく、カフェイン単独でも覚醒レベルを増加させた」と著者らはまとめている。ただし、カフェインを習慣的に利用することで感受性が低下する可能性があるため、「これらのメリットを生かすには注意が求められる」と記しており、加えて今後の研究では「炭水化物含嗽の慢性効果や、抵抗運動の最中のカフェイン含嗽の急性効果の確認が必要」としている。

文献情報

原題のタイトルは、「Effects of carbohydrate and caffeine mouth rinsing on strength, muscular endurance and cognitive performance」。〔J Int Soc Sports Nutr. 2021 Sep 26;18(1):63〕
原文はこちら(Springer Nature)

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