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インターネットで入手可能なサプリの4割近くにドーピングリスク オランダでの研究

インターネットではさまざまなサプリメントが販売されており便利だが、中にはドーピング物質が含まれているものもあるので十分注意したい。オランダのアンチドーピング機関(Doping Authority Netherlands)で最近行われた研究では、その割合が調査対象となった製品の4割近く、38%に上ったという。

インターネットで入手可能なサプリの4割近くにドーピングリスク オランダでの研究

17のWebショップを通じて、21ブランド、66製品を調査

医師の処方箋を介さずに個人の判断で入手可能なサプリメントにも、摂取した場合にドーピングと判定される物質が含まれているものがあることは、以前から指摘されている。それらのリスクをよく確認せずに摂取してしまいドーピング規則違反とされるケースは、意図しないドーピング“うっかりドーピング”の多くを占めるようだ。

これまでにスポーツサプリメントのドーピング汚染に関する包括的な調査は、2004年と2007年の2回報告されている。いずれも10年以上前の報告であることから、本研究の著者らは最新の状況を把握すべく、以下の調査を行った。

成分表示にドーヒング物質が記されていない製品を対象として解析

この調査は2014年後半に実施された。調査対象は、主としてオランダ国内の市場をターゲットにしたWebショップを検索することからスタートした。検索サイトを用い、栄養、サプリメント、オンライン、購入、Webショップという検索用語にてWebショップを検索。検索でヒットしたWebショップを通じて2014年12月に商品を購入。製品の成分表示ラベルにドーピング物質が1つ以上記載されている場合や、アスリートに対してドーピングに関する警告が表示されている製品は解析対象から除外した。

合計17のWebショップを通じて、21ブランド、66製品を入手した。それらの製品を、ISO/IEC17025認定を受けている英国の成分分析研究所に送り、ドーヒング物質が含まれていないか分析を依頼した。

38%にステロイドやβ刺激薬などが見つかる

その結果、66製品中25製品(38%)が、ドーピング物質の存在について陽性と判定された。38製品(58%)は陰性であり、3製品(4.5%)は決定的な結論に至らなかった。

陽性と判定された25製品には、ステロイド(21製品)、β刺激薬(4製品)、β遮断薬(1製品)などが含まれており、またすべての製品が覚醒作用のある物質を含んでいた。

明らかなドーピングリスクのあるものも

高レベルのドーピング物質が含まれていたものとして、オキシロフリンを最大55mg/g、β-メチルフェネチルアミン(BMPEA)を49mg/g、N,β-ジメチルフェネチルアミン(NBDMPEA)を24mg/g含むもの、計7製品が存在した。これらは、ドーピング検査で明らかに違反と判定されるレベルと考えられるという。

具体的に、この製品が示している1日あたりの摂取量に従って摂取した場合、ドーピング検査で陽性と判定されるレベルの最大2万倍におよぶ尿中濃度に達する可能性があるとのことだ。つまり、ドーピング陽性とされるリスクは、この製品が定めている摂取用量が多すぎることによって生じると、研究者らは指摘している。さらにこれらの製品は、摂取した場合のドーピング違反のリスクが極めて高いのみでなく、健康リスクも見逃せないという。

成分表示を正確に示さない“spiked”された製品が広がっている

明らかなドーピングリスクのある前記の7製品は、製品の成分表示に記していない成分を追加する“spiked”(スパイク)と呼ばれる、製造業者の意図的な行為とみなされる。このほかにも、低レベルのドーピング違反成分を含む製品が多数みられた。著者らはそれらに製品についても、製造業者による“spiked”された製品と判断している。

「spikedなどの業者の行為に、規制当局は適切な対応を」

本研究によりオランダでは、サプリメント販売をめぐる業界内の自主的な管理が十分に働いていないことが明らかになった。新たに開発されたデザイナー化合物で“spiked”されている製品も少なくなく、今後もドーヒング違反を誘発する可能性があることを、著者らは懸念している。

さらに、アスリートはサプリメント摂取に際して、製品が示している用量を超えて摂取していることが少なくない。アスリートの14%が、製品が示す推奨最大量の2倍以上摂取しているという実態も報告されている。そのように使用をした場合、ドーピングリスクや健康被害のリスクは当然のことながら、より上昇する。

結論として著者らは、「オンラインで販売されている多くのスポーツサプリメントには、製品ラベルに記載されていないドーピング物質が含まれている。そのような製品の摂取は、意図しないドーピング違反のリスクを大幅に増加させ、一般的な健康上のリスクともなり得る。食品規制当局や世界アンチ・ドーピング機関(World Anti-Doping Agency;WADA)は、適切な行動を取るべきだろう」とまとめている。

文献情報

原題のタイトルは、「Undeclared Doping Substances are Highly Prevalent in Commercial Sports Nutrition Supplements」。〔J Sports Sci Med. 2021 Mar 22;20(2):328-338〕
原文はこちら(JSSM)

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