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トレーニング前の高炭水化物食が支える、思春期前の女子体操選手の骨の健康と成長

身体の成長に適切な栄養摂取は欠かせないが、審美系スポーツアスリートでは、本人および周囲が期待するボディーイメージの維持のため、摂取量が少なすぎることがある。とくに女子アスリートではそのようなケースが多いことが知られており、骨の成長への影響が懸念される。

トレーニング前の高炭水化物食が支える、思春期前の女子体操選手の骨の健康と成長

こうした中、思春期前の女子体操アスリートのボディーイメージと食習慣、骨吸収の関連を検討した研究結果が報告された。トレーニング前に高炭水化物食を摂取することは、高タンパク質食の摂取に比較し、骨吸収を抑制するように働くようだ。

総骨塩量の5割以上は思春期以前に作られる

身体活動は小児期の身体の成長や健康の増進に有用だが、審美的スポーツを行っているジュニアアスリートはボディーイメージを維持するために栄養摂取が不十分なことが多く、体調不良、摂食障害、および後年の骨粗鬆症の発症リスクが高いことが報告されている。成人後の総骨塩量の50%以上は思春期前に獲得されるため、思春期以前の栄養摂取が不十分な場合、成人期の骨粗鬆症リスクを大きく上昇させると考えられる。

本研究では、思春期前の女子体操選手と、スポーツを行っていない同年代の対照群とで、ボディーイメージや摂食状況などを比較した。また、トレーニング前の食事を炭水化物主体にした場合とタンパク質主体にした場合とで、骨吸収レベルへの影響の相違を検討した。

思春期前の女子体操選手と一般女子とで比較

思春期前の女子体操選手として28名が研究に参加した。適格基準は、

  1. 過去4年以上にわたり週に12時間、競技レベルの体操トレーニングを行っていること、
  2. 9~12歳でタナースケール1~2であり、初経発来前の白人であること、
  3. 疾患がなく、骨代謝に影響を与える薬剤を服用していないこと、
  4. 骨折の既往がないこと。比較対照群は、同年齢のスポーツを行っていない同数(28名)の女子とした。

体操選手は14名ずつの2群に分けられ、1群は高タンパク質食(300kcal、炭水化物55%、タンパク質31%、脂質13%)、他の1群は高炭水化物食(300kcal、炭水化物88%、タンパク質9%、脂質3%)とした。3群間に、年齢、体重、身長、BMI、体組成に有意差はなく、体操選手の2群間にトレーニング歴の有意差はなかった。

ボディーイメージ、摂食状況、骨吸収レベルなどを比較検討

評価項目は、ボディーイメージ、自尊心、摂食状況、骨吸収レベルなどで、その評価方法と結果は以下のとおり。

ボディーイメージは体操選手の方が有意に高い

研究参加者自身が、自分の体の外観(体格、髪の毛、肌など)をどのように感じているかを25項目で判定するテストを行い、ボディーイメージを評価した。また、自尊心に関するテストを行い、関連を解析した。その結果、体操選手のボディーイメージに対する自尊心は対照群よりも高く、群間に有意差があった。

体操選手の3割はトレーニング前に食事をしないか、しないことがある

小児の食事摂取頻度の評価として精度が検証済みのアンケートを用いて、間食を含む栄養摂取状況、摂食時間、トレーニングの前に食事をとるか否かなどを把握した。

体操選手の68%はトレーニングの前に食事をとり、25%は食事をとる時/とらない時があり、7%はトレーニング前には食事をしていないと回答した。トレーニング前の食事をとる選手に、その摂取タイミングを聞いたところ、90分前が39%、60分前が25%、30分前が34%、トレーニング直前が2%だった。

また体操選手で、ふだん果物を食べると回答したのは 64%、フルーツジュースを飲むのは71%、甘い菓子を食べるのは64%だった。

骨吸収レベル

ひと晩絶食後に第一尿や食後、運動後など4回採尿し、骨吸収マーカーである1型コラーゲンC末端テロペプチド(C-terminal telopeptide region of collagen type 1;CTX)を計測した。

CTXは絶食後の空腹時には上昇しており、高タンパク質食または高炭水化物食を摂食後、両群で同レベルに低下した。食後90分でCTXレベルは最低となり、その後、高タンパク食群では上昇して、180分と240分では群間に有意差が認められた。また、食前から食後240分までのCTX変動曲線下面積は高炭水化食群のほうが有意に低値であり、骨吸収が抑制されることが明らかになった。

結論として著者らは、「思春期前の女子体操選手のボディーイメージは同年齢のスポーツを行っていない女子よりも高い。また、トレーニングの前に高炭水化物食を摂取することは、高タンパク食の摂取と比較して、骨吸収を大幅に抑制することが可能であると示された」とまとめ、「子どもたちの骨の健康を維持する要因として、運動前の食事の栄養組成が考慮されるべきである」と述べている。

文献情報

原題のタイトルは、「Analysis of Body Perception, Preworkout Meal Habits and Bone Resorption in Child Gymnasts」。〔Int J Environ Res Public Health. 2021 Feb 23;18(4):2184〕
原文はこちら(MDPI)

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