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引退後アスリートこそ栄養介入が必要? 現役と元アスリート、一般人の生活習慣を比較

現役アスリートと引退後のアスリート、および非アスリートの生活習慣等を比較した研究結果が、カナダから報告された。食事の栄養指数は、引退後のアスリートが最も低い値を示したという。また、現役時代の競技種目や到達レベルにより、引退後の変化に差があることもわかった。

引退後アスリートこそ栄養介入が必要? 現役と元アスリート、一般者の生活習慣の比較

カナダの州レベル~プロレベルの現役・元アスリートと、一般人を比較

この研究は、現在も含め過去5年以上にわたりハイレベルスポーツを行っている現役アスリート122名、ハイレベルスポーツを5年以上継続したが現在は行っていない元アスリート230名、ハイレベルなスポーツを行ったことがない非アスリート74名の3群、計426名を対象とし、オンラインアンケート方式で調査された。性別と平均年齢は、女性が224名で26.89±7.49歳、男性は202名で28.89±8.88歳。学生が49.4%と半数近くを占め、その他はフルタイム勤務が35.1%、自営業6.9%、パートタイム5.9%、専業主婦や失業中が2.7%など。

アスリートの競技種目は、サッカー、バスケットボール、ホッケー、陸上競技、バレーボール、フィギュアスケート、ダイビング、テニス、水泳、アルペンスキーなど。競技レベルは、州レベルが10.7%、国内レベルが50.1%、国際レベルが29.1%であり、10.1%はプロとして活動していた。

身体活動量については、国際標準化身体活動質問票(international physical activity questionnaire;IPAQ)を用いて、トレーニング持続時間、強度、頻度、および日常生活における作業、移動、余暇活動を評価した。栄養摂取状況は、カナダのコミュニティー健康調査とケベック州の健康社会調査を用いて評価した。

中~高強度の身体活動量は、現役アスリートのみ有意に高値

米国スポーツ医学会のガイドラインでは、1週間に中強度の運動を150分または高強度の運動を60分行うことを推奨している。カナダの18〜79歳の一般人口の22%がこの推奨レベルを満たす身体活動を行っていることが報告されている。

今回の調査では、元アスリート群の14.47%がこの推奨を満たしており、統計的には一般人口と有意差がなかった(p>0.05)。また非アスリート群の24.66%が推奨を満たしており、やはり一般人口と統計的有意差はなかった。一方、現役アスリート群は87.29%が推奨を満たし、一般人口、元アスリート、非アスリートに比し有意に高かった(すべてp<0.001)。

グループ間の年齢差を調整すると、以下のような差異が明らかになった。

まず、高強度運動は、現役アスリートは週に7.40±8.23時間実施しており、元アスリートの3.09±2.64時間や非アスリートの2.59±2.52より有意に長く、元アスリートと非アスリートは有意差がなかった。中強度運動も現役アスリートは週に2.67±3.67時間、元アスリートは1.84±1.96時間、非アスリートは1.61±1.43であり、高強度運動と同様の関係がみられた。活動的な移動(active transportation.徒歩や自転車等での移動)は同順に2.15±2.50時間、2.67±2.52時間、1.95±1.80時間であり、群間に有意差はなかった。

栄養指数も現役アスリートのみ有意に高値

一方、栄養指数についても現役アスリートのみ高値を示した。具体的には、現役アスリートが44.48±10.45であり、元アスリートの40.97±7.86や非アスリートの41.92±7.39より有意に高く、元アスリートと非アスリートは有意差がなかった。スコアの順序では元アスリートが3群の中で最も低値という結果について著者らは、「アスリートの現役時代には健康的であった食生活が、引退とともに悪化し、非アスリートの食生活をも下回るようだ」と考察している。

なお、現役時代の競技レベルが高いほど、引退後の栄養スコアが高い傾向がみられた。

性別の比較では、女性の元アスリートと女性の非アスリートは、それぞれの男性より無有意に高値だった。現役アスリートに関しては、性別による有意差はなかった。

スポーツに対するアイデンティティーの変化は、競技種目などにより異なる

このほか、スポーツに対するアイデンティティーは、現役時代の競技レベルによって異なり、プロで活動していたアスリートは活動の場が州レベルであったアスリートより、引退後も高いアイデンティティーをもっていることがわかった。また団体競技と個人競技とで比較すると、個人競技のアスリートのほうが引退後もアイデンティティーが高い傾向にあった。この点に関する著者らの考察は、「個人競技はパフォーマンスと結果に対する自己の責任がより強く、アイデンティティーが強化されるのではないか」というものだ。

本研究の結論は、「引退後のアスリートの食習慣の質は非アスリートのレベルを下回る傾向がある。また、現役時代の競技レベルは引退後の余暇時間の身体活動量を保証するものではない」とまとめられている。

文献情報

原題のタイトルは、「Former athletes' lifestyle and self-definition changes after retirement from sports」。〔J Sport Health Sci. 2020 Jul;9(4):376-383〕
原文はこちら(Elsevier)

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