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サッカー観戦は心血管疾患イベントの有意なリスク 応援チームが負けるとより顕著

2019年09月24日

スポーツがそれを'実践する人'の身体的・精神的健康に資することはもちろんだが、近年はスポーツを'観戦する人'への精神的な好影響を期待し、その効果を検証する研究も行われている。しかし、興奮のレベルが度を過ぎるスポーツ観戦は、時に身体的なリスクになるのかもしれない。

サッカー観戦は心血管疾患イベントの有意なリスク 応援チームが負けるとより顕著

と言うのも、サッカー観戦により心筋梗塞などの心血管イベントが有意に増えると報告されたからだ。中国の研究者による発表で、「Journal of Sports Sciences」オンライン版に論文掲載された。

論文の著者らは、2018年5月17日までに発表された報告を検索しメタ解析を実施。サッカーの試合観戦と致死的および非致死的心血管イベントとの関連を解析した。

その結果をまず致死的心血管イベントリスクについてみると、サッカーの試合観戦により男性・女性ともに有意にリスクが高くなることが確認された(リスク比〈RR〉:男性1.13,95%信頼区間〈CI〉;1.004-1.28、女性 1.08,95%CI;1.01-1.15)。興味深いことに、致死的イベントのリスクを、応援しているチームの勝敗別に解析したところ、応援チームが負けた場合により高くなり(RR:1.29,95%CI;1.15-1.45)、勝った場合はリスクの低下が観察された(RR:0.80、95%CI:0.66-0.96)。

非致死的イベントについても、男女ともにリスクの有意な上昇が確認された(RR:男性1.73,95%CI;1.12-2.69、女性1.25,95%CI;1.08-1.45)。

また、非致死的イベントを心筋梗塞と脳卒中に分けて解析すると、非致死的心筋梗塞についてはサッカー観戦が有意なリスクだったが(RR:1.20,95%CI;1.04-1.38)、非致死的脳卒中については有意なリスク上昇は認められなかった。

以上をまとめると、サッカー観戦により特に男性において、致死的および非致死的な心血管イベントリスクが高くなるが、応援しているチームが勝利すれば、致死的イベントのリスクは低下する可能性が示された。

著者らは「サッカー観戦に際し、医療介入負担を減らすため予防的措置が必要」と述べている。

文献情報

原題のタイトルは、「The association between watching football matches and the risk of cardiovascular events: A meta-analysis」。〔J Sports Sci. 2019 Sep 9:1-9〕

原文はこちら(PubMed)

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