女子フットボール選手の多くが、炭水化物、鉄、カルシウム不足 オーストラリアからの報告
オーストラリアのフットボールリーグは2016年、全国各地からの複数チームによる初の本格的な女子プロリーグ「Australian football league women's (AFLW) 」を発足させた。これに伴い、女子アスリートの栄養に関する重要領域を明らかにし、AFLWで活躍する選手の食事摂取量を評価することを目的に本研究が行われた。
研究手法は横断研究で、シーズン前の3日間にわたる食事記録から摂取量を評価した。対象となったのは、AFLW傘下の同一クラブの23名の選手。
調査の結果、選手の大多数が、炭水化物、鉄、カルシウムの摂取推奨量を満たしていないことが明らかになった。炭水化物は対象の96%(n=22)、鉄は87%(n=20)、カルシウムは61%(n=14)が推奨値に到達していなかった。それに対して、タンパク質と脂質に関しては、推奨量を満たしてる選手が多数を占めた(タンパク質の摂取量を満たしていたのは17名74%、脂質は18名78%)。
トレーニング内容別に、メイントレーニング、軽トレーニング、およびリカバー(回復)日に分けてみた場合、摂取エネルギー量に有意差はみられなかった(p>0.05)。摂取エネルギー量は1,884±457kcal/日、炭水化物摂取量は2.7±0.7g/kg/日であり、これはプロの女性アスリートを含む以前の研究で報告された値と一致した。
本論文の結論として、「アスリートのトレーニングとパフォーマンスの成果獲得に必要なエネルギーと炭水化物の摂取推奨量を満たすために、女子アスリートの食事摂取に影響を及ぼす要因をさらに探求し支援する必要がある」と強調している。
文 献
原題のタイトルは、「Dietary intakes of professional Australian football league women's (AFLW) athletes during a preseason training week」。〔J Sci Med Sport. 2019 Jun 27. pii: S1440-2440(19)30495-5〕