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15時以降にエナジードリンクを飲むと睡眠不足になる? 非健康的食習慣との関連も アイスランドの高校生実態調査

アイスランドの17~18歳の青少年を対象に、習慣的なエナジードリンク(ED)の摂取、およびその摂取時間帯を横断的に調査した結果が報告された。習慣的にEDを飲む若者は睡眠時間が短く、健康的な食品の摂取頻度が低いという。また、とくに15時以降にEDを飲む習慣は、より睡眠時間が短いことも示されている。

15時以降にエナジードリンクを飲むと睡眠不足になる? 非健康的食習慣との関連も アイスランドの高校生実態調査

エナジードリンク(ED)の摂取タイミングは睡眠に及ぼす影響を左右するか?

エナジードリンク(energy drink;ED)の消費量は年々増加しており、とくに未成年層で増加していることが報告されている。EDは一般的にカフェインを多く含んでおり、その摂取習慣が、就寝時刻の遅延、睡眠時間の短縮、日中の眠気などと関連していることが報告されている。また、食事の質の低下との関連を示す報告もある。ただ、EDをいつ摂するかという摂取タイミングと睡眠に及ぼす影響との関連はあまり知られておらず、とくに10代後半の若者での研究はほとんど行われていない。

今回取り上げる論文の著者らは、10代後半の若者において、(1)ED摂取習慣の有無による睡眠習慣の差異、(2)EDを摂取する時間帯による睡眠習慣の差異(3)ED摂取習慣の有無による食習慣の差異という3点を明らかにすることを目的とする横断研究を実施した。

エナジードリンク(ED)を飲む若者の多くが、安全上の懸念の生じるカフェインを摂取

この研究はアイスランドの首都であるレイキャビク近郊の学校3校の生徒を対象に実施された。17~18歳の生徒420人のうち184人(44%)が研究参加に同意し、データ欠落のない171人(女子62.6%)を解析対象とした。

過半数がEDを習慣的に摂取し、18時以降に飲む若者も多い

57.3%の生徒が習慣的にエナジードリンク(ED)を摂取しており、男子(48.4%)より女子(62.6%)のほうが高かった(p<0.001)。

ED摂取習慣のある生徒において、18~21時に飲む習慣のある割合は、男子が25%、女子は45%だった。さらに21時から翌朝6時の間に飲む習慣のある生徒も存在し、その割合は男子12%、女子27%だった。

睡眠習慣については、平日の睡眠時間が6.5±1.1時間、休日は8.3±1.1時間であり性別による有意差はなく、平日・休日の就床時刻・起床時刻も性別による有意差はなかった。

欧州食品安全機関の安全性基準を超えるカフェインを摂取している若者も多い

欧州食品安全機関(European Food Safety Authority;EFSA)は、カフェイン摂取量が1.4mg/kgを超えると睡眠への影響の懸念があり、3.0mg/kgを超えると安全性上の懸念が生じるとしている。

本研究では、過去3カ月間の平均的な食品・飲料の摂取量を報告してもらっている。その回答に基づき推計したカフェイン摂取量が上記の値を超える生徒の割合を割り出したところ、男子ではED摂取習慣のある生徒の過半数にあたる55%が1.4mg/kgを超えて摂取しており、女子でも半数近くの46%が1.4mg/kgを超えて摂取していた。さらに、3.0mg/kgを超える量を摂取していると考えられる生徒が、男子は32%、女子は18%存在していた。

15時以降にEDを飲む習慣は睡眠時間の短縮と関連

推定カフェイン摂取量が3mg/kg/日の男子は、3mg/kg/日未満の生徒と比較して、平日の睡眠時間が有意に短かった(6.1±1.0 vs 7.0±1.0時間、p=0.007)。ただし休日の睡眠時間には有意差がなかった。また、1.4mg/kg/日以上と未満での比較では、男子においては平日・休日ともに睡眠時間に有意差がなかった。

一方、女子では推定カフェイン摂取量が3mg/kg/日の生徒は、3mg/kg/日未満の生徒と比較して、平日(6.2±1.0 vs 6.9±1.2時間、p=0.029)、休日(8.2±1.2 vs 9.0±0.7時間、p=0.022)ともに睡眠時間が有意に短かった。さらに、1.4mg/kg/日以上と未満での比較においても、前者の群は平日の睡眠時間が有意に短かった(6.4±1.0 vs 7.0±1.2時間、p=0.003)。休日の睡眠時間には有意差がなかった。

EDを15時以降に飲む習慣のある若者は、睡眠時間6時間の割合が有意に高い

次に、エナジードリンク(ED)の摂取時間帯と睡眠時間との関連に着目すると、EDを習慣的に飲むものの15時以降は習慣的に飲まない群(35人)に比較し、15時以降にも習慣的に飲む群(63人)は、睡眠時間が6時間以下の割合が有意に高かった(p=0.007)。それに対して、EDを習慣的に飲むものの15時以降は習慣的に飲まない群は、EDを習慣的に飲まない群(73人)と、睡眠時間が6時間以下の割合に有意差がなかった。

EDを習慣的に摂取している若者には、食事指導が必要な可能性

続いて、ED摂取習慣と食行動との関連が解析された。

その結果、男子ではED摂取習慣のある生徒は乳製品の摂取頻度か有意に低く、人工甘味料飲料、コーラ、アルコール飲料の摂取頻度が高いという有意差が認められた。また、有意水準未満ながら、ED摂取習慣のある生徒の野菜摂取頻度が低い傾向がみられた(p=0.055)。菓子やスポーツドリンク、加糖飲料の摂取頻度は有意差がなかった。

女子ではED摂取習慣のある生徒は、人工甘味料飲料、加糖飲料、コーラ、スポーツドリンク、アルコール飲料の摂取頻度が高いという有意差が認められた。

著者らは、「アイスランドの若者において、とくに女子の間でEDが習慣的に摂取されており、15時以降に摂取された場合に睡眠時間が短くなることが示された。またED摂取習慣のある若者は栄養価の高い食品の摂取量が少なく、食習慣が良くなかった」と結論づけ、「今後の研究では、これらの行動の長期的な影響を調査し、若者に対して健康的な習慣を促進するための介入策を検討すべきである」と述べている。

文献情報

原題のタイトルは、「Energy drink consumption, sleep behavior, and food choices of Icelandic adolescents」。〔Food Nutr Res. 2026 Jan 29:70〕
原文はこちら(Örebro University Holding)

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