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筋トレのサポート効果が最も高いタンパク質ベースのサプリ ネットワークメタ解析での検討
2026年04月03日
レジスタンストレーニングにより筋力や除脂肪体重に対する、異なるタンパク質ベースのサプリメントの効果を、ネットワークメタ解析により比較した研究結果が報告された。健康な成人においては、コラーゲンおよびホエイプロテインのサプリの有効性が示唆されるという。ブラジルの研究者らによる論文。
●健康な成人では、どのタンパク質ベースサプリが筋トレ効果を最も高めるのか?
レジスタンストレーニングによる筋力と除脂肪体重の増加を、いくつかのサプリメントがサポートすることが知られており、とくに筋タンパク質の合成およびその刺激に必要とされるタンパク質ベースのサプリメントの有用性に関するさまざまな研究が報告されてきている。
最近の研究では、摂取するタンパク質の量が等しくても、どの食品由来のサプリかによって筋力や除脂肪体重に対する影響が異なることも示されている。この差には、アミノ酸組成や消化・吸収速度の違い、および食品マトリクス効果の潜在的な差異などが関与していると考えられている。
ただしこれまでのところ、異なるタンパク質ベースサプリの筋力等への影響を直接比較した報告は多くない。報告されているものの大半はサルコペニアを有する高齢者や慢性疾患患者を対象としたものが中心であり、健康な成人を対象に比較検討した研究は乏しい。
これを背景として今回紹介する論文の著者らは、健康な成人の筋トレに対するタンパク質ベースのサプリのサポート効果を比較するため、異なる介入試験の結果を統合して介入効果を比較する統計学的手法である、ネットワークメタ解析を用いた検討を実施した。
・ネットワークメタ解析により、異なるRCTの結果を統合して比較
システマティックレビューとメタ解析のための優先報告項目(PRISMA)の拡張版である、ネットワークメタ解析のガイドライン(PRISMA-NMA)に準拠して、PubMed、Scopus、Embaseに2024年5月までに収載された論文を対象とする検索を行った。
包括基準は、疾患のない健康な成人を対象に、タンパク質ベースのサプリとレジスタンストレーニング(resistance training;RT)を組み合わせた場合の筋力および除脂肪体重(fat-free mass;FFM)への影響を評価した、無作為化比較試験(randomized controlled trial;RCT)とし、発行日や言語は制限しなかった。無作為化されていない試験、観察研究、症例報告、タンパク質ベース以外のサプリとの複合効果を検討した試験、未発表の学術論文(学位論文など)、査読を受けていない記事、総説などは除外した。
一次検索で2,650報がヒットし、重複削除後の1,911報をタイトルと要約に基づくスクリーニングで135報に絞り込み、全文を入手不能な2報を除外して133報を全文精査の対象とした。これらは2名の研究者が独立して行い、採否の意見の不一致は3人目の研究者との討議により合意を得た。
43報が適格と判断され、それらの論文の参考文献のハンドサーチにより、さらに35報を追加し、最終的に78件の研究報告を適格と判断した。
●タンパク質サプリの中ではコラーゲンとホエイプロテインの効果が高いという結果
ネットワークメタ解析による主要評価項目は筋力への影響であり、副次評価項目として除脂肪体重への影響を比較した。
・筋力への影響
筋力への影響に関しては68件の研究報告があり、13種類のタンパク質ベースサプリが検討されていた。合計2,401人が参加し、筋力の評価手法として多くの研究は、1回だけ施行可能な最大負荷量(one repetition maximum;1RM)を用いていた。
解析の結果、調査されていたタンパク質ベースのサプリの中で、レジスタンストレーニング(RT)による筋力のサポート効果が最も高いのは、コラーゲンであることが示された。コラーゲンは、カゼイン(標準化平均差〈SMD〉=0.55〈95%CI;0.10~1.00〉)、ミルクプロテイン(SMD=0.53〈0.12~0.93〉)、およびプラセボ(SMD=0.41〈0.09~0.73〉)と比較して有意に筋力増強効果が優れていた。
ホエイプロテインもプラセボと比較して有意な筋力増強効果を示し(SMD=0.15〈0.03~0.27〉)、コラーゲンとともに統計的に有意性が観察された。
SUCRA解析の結果、筋力増強効果が高いと考えられる順に、コラーゲン(SUCRA=88.05%)、ウシ初乳(同76.81%)、牛肉プロテイン(66.66%)、ホエイプロテイン(64.34%)、エンドウ豆プロテイン(62.89%)、乳酸アルブミン(62.02%)はSUCRAが60%以上であり、プラセボよりも有効な可能性が示唆された。一方、ミルク(23.59%)やカゼイン(23.46%)などはSUCRAが低く、効果的な選択肢である可能性は低いと示唆された。
研究間の異質性は無視できる程度と判断された(I2=5.6%〈0.0~29.9%〉)。
・除脂肪体重(FFM)への影響
除脂肪体重(FFM)への影響に関しては63件の研究報告があり、11種類のタンパク質ベースサプリが検討されていた。合計2,354人が参加し、FFMの評価手法として多くの研究は、二重エネルギーX線吸収測定(dual-energy X-ray absorptiometry;DXA)法を用いていた。
解析の結果、調査されていたタンパク質ベースのサプリの中でRTによるFFMのサポート効果が最も高いのは、コラーゲンであることが示され(SMD=0.94〈95%CI;0.48~1.40〉)、効果が際立っていた。コラーゲンは、ウシ初乳(SMD=0.70〈0.08~1.32〉)、カゼイン(SMD=0.87〈0.35~1.39〉)、魚プロテイン(SMD=0.96〈0.05~1.87〉)、ミルクプロテイン(SMD=0.83〈0.32~1.35〉)、ピーナッツプロテイン(SMD=0.91〈0.24~1.58〉)、米プロテイン(SMD=0.88〈0.15~1.62〉)、大豆プロテイン(SMD=0.78〈0.31~1.25)と比較しても、FFMのサポート効果が有意に優れていた。
ホエイプロテインもプラセボと比較して有意な筋力増強効果を示し(SMD=0.16〈0.05~0.28〉)、コラーゲンとともに統計的に有意性が観察された。
SUCRA解析の結果、FFMに対する効果が高いと考えられる順に、コラーゲン(SUCRA=98.92%)、牛肉プロテイン(77.00%)、ウシ初乳(64.12%)、ホエイプロテイン(60.23%)と続いた。魚プロテイン(34.34%)、ピーナッツプロテイン(37.30%)、昆虫プロテイン(38.35%)、カゼイン(40.72%)などはSUCRAが低く、効果的な選択肢である可能性は低いと示唆された。
研究間の異質性は観察されなかった(I2=0%〈0.0~29.3%〉)。
著者らは、研究報告数の少ないサプリに関してはネットワークメタ解析による順位付け推定値の信頼性が低下することを限界点として挙げたうえで、「コラーゲンとホエイプロテインは、健康な成人のレジスタンストレーニングによる筋力と除脂肪体重への効果を一貫して向上させるサプリメントして特定された」と結論づけている。
[文献情報]
原題のタイトルは、「Which Protein-Based Dietary Supplements Most Effectively Enhance Fat-Free Mass and Strength Gains in Healthy Adults Undergoing Resistance Training? A Network Meta-Analysis」。〔Transl Sports Med. 2026 Feb 2:2026:5557511〕
原文はこちら(John Wiley & Sons)
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1155/tsm2/5557511
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