女性がスポーツに親しみやすい社会づくりを「女性スポーツ促進に向けたスポーツ指導者ハンドブック」のご紹介
公益財団法人日本スポーツ協会は、女性のスポーツ参加を手助けするスポーツ指導者らの支援者に向けて、女性を対象としたスポーツ指導や、スポーツへの参加を促す上で留意すべき医学やスポーツ栄養学、心理学的知見をまとめたハンドブック「女性スポーツ促進に向けたスポーツ指導者ハンドブック」を作成、本年3月に公開した。このハンドブックは、スポーツ庁「平成30年度「女性スポーツ推進事業(女性コーチの育成事業)」の一環として作成されたもので、一般社団法人日本スポーツ栄養協会(SNDJ)の鈴木志保子理事長も制作に携わっている。
本ハンドブックによると、女性とスポーツのさまざま統計では、スポーツ・運動を実施(する)率、スポーツ観戦(みる)率、スポーツボランティア実施(支える)率は、全世代をとおして男性よりも軒並み低い現状にある。この背景には、月経周期異常を抱える女性競技者、運動不足の女子小中学生、スポーツを嫌いと感じる女子中学生、「面倒くさい」を理由にスポーツを実施しない女性など、女性とスポーツに関する様々な課題があるとされている。
これらの課題を克服し、女性がスポーツに親しみやすい社会づくりを促進するためには、指導者、保護者、学校関係者といった支援者が女性の身体的特徴や意欲、ニーズに合った楽しみ方を理解することが重要だ。ハンドブックは、女性とスポーツに関する留意点を「指導」と「啓発」に分け留意点を紹介。「指導の留意点」では医学、スポーツ栄養のほか、ハラスメント・差別の問題を取り上げ、事例を交えた注意点が述べられている。また、「啓発の留意点」では、幼児から成人までの現状を踏まえた動機づけ、行動変容を促す具体的なヒントが紹介されている。
このハンドブックは、日本スポーツ協会、スポーツ庁のWebサイトからダウンロードが可能。女性のスポーツに関わるすべての方におすすめしたい内容となっている。
女性スポーツ促進に向けたスポーツ指導者ハンドブック
ダウンロード
目 次
- はじめに
- 女性スポーツ指導者の留意点
- 女性スポーツの医学
- 月経の基礎知識
- 女性アスリートの三主徴
- 摂食障害
- 月経随伴症状とその対策
- 貧血
- 女性スポーツの栄養
- スポーツ栄養の意義
- 食事の基本
- エネルギー不足の考え方と評価
- FATの改善方法
- FATの予防方法
- 貧血の改善と予防
- 疲労骨折の改善と予防
- 女性スポーツにおけるハラスメント
- ハラスメントの考え方
- ハラスメントや差別の影響
- 気をつけるべきポイント
- 身体接触について
- 女性スポーツの医学
- 女性スポーツ啓発の留意点
- 幼児〜小学生まで
- 幼少年期における身体活動、運動の意義
- 運動・スポーツ指導の実際
- 幼少年期の運動・スポーツのあり方
- 中学生〜成人まで
- 日本女性の運動不足の現状
- 日本女性の体力と体格の推移
- 運動不足、体力不足、痩せがもたらす健康問題
- 運動していない女性が挙げる理由とこれからやりたいスポーツ
- good practice(好事例)など
- 行動変容を促す方策
- すでに行っている女性の継続を支援する
- 行っていない女性の動機やバリア要因を理解し、「開始」を促す
- 最後に:女性のスポーツ人口を増やすヒント
- 幼児〜小学生まで
- 引用・参考文献
女性スポーツサポート研修会を開催
日本スポーツ協会は、上記のハンドブックを活用し、女性とスポーツの現状と課題を多くの公認スポーツ指導者に理解してもらうことを目的とした研修会を開催する
期日・会場
- 東京会場:①10月6日(日)、②12月15日(日)@明治大学駿河台キャンパス
- 大阪会場:11月10日(日)@TKPガーデンシティPREMIUM心斎橋