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バスケットボールとカフェインの関連を調査 低用量は身体能力、高用量は競技力向上の可能性

バスケットボール選手におけるカフェイン摂取とパフォーマンスとの関連に関するシステマティックレビューとメタ解析の結果が報告された。低用量のカフェインでは主として総合的な身体能力を向上させ、競技特異的なパフォーマンス向上には中等量以上のカフェインが必要な可能性があるという。

バスケットボールとカフェインの関連を調査 低用量は身体能力、高用量は競技力向上の可能性

カフェイン摂取によるバスケのパフォーマンスへの影響をメタ解析で検討

バスケットボールは世界中で行われている、断続的な高強度運動の反復を要するチームスポーツであり、試合では攻撃と防御の頻繁な移行を可能とする高い身体能力が要求される。また、テクニカルな熟練度や迅速な意思決定と正確性も競技能力に大きく関与する。

カフェインは最も広く研究され利用されているエルゴジェニックエイドであり、バスケ選手での研究も複数の報告がある。しかし結果の一貫性が十分でない。今回紹介する論文の研究は、システマティックレビューとメタ解析によりその点を検討している。

文献検索について

文献検索にはPubMed、Web of Science、SCOPUS、Google Scholar、およびEBSCOという5種類の文献データベースを利用。それぞれのスタートから2025年12月までに収載された文献を対象とした。包含基準は、バスケットボール選手を対象に急性のカフェイン摂取による介入を実施し、プラセボを対照としてバスケットボール特有のスキルまたは総合的身体能力への影響を検討した、無作為化単盲検または二重盲検クロスオーバーデザインの報告であり、英語で発表されている原著論文。学会発表やレビューは除外した。また、複合的な介入を行った研究については、カフェイン摂取のみの影響を抽出可能な場合のみ適格とした。

これらの工程は、システマティックレビューとメタ解析のための優先レポート項目(PRISMA)ガイドラインに準拠して行われた。

バスケに関連するさまざまなスキルに対するカフェインの急性効果

一次検索で974報がヒットし、重複削除後に2名の研究者が独立してタイトルと要約に基づくスクリーニングを実施。採否の意見の不一致は3人目の研究者が解決した。22報を全文精査の対象として、最終的に18件の研究報告を適格と判断した。

抽出された研究の特徴

研究参加者は合計288人(男性182人、女性106人)で、競技レベルは育成中(Tier2)が14人、国内レベル(Tier3)が226人、国際レベル(Tier4)が53人だった(合計が一致しないが論文どおり)。

カフェイン投与量は、1~3mg/kgが14件、4~6mg/kgが4件であり、11件はカプセルで投与され、飲料としての投与が4件、ガムが3件だった。投与タイミングは、テスト試行の60分前が13件、その他は15分前、80分前などだった。研究参加者の日常のカフェイン摂取量は、低~中等量(0.6~2.71mg/kg/日)の範囲だった。

カフェイン摂取とパフォーマンスとの関連は、(1)バスケットボールに特異的な指標(フリースローや3ポイントシュートの精度、ドリブル走行)、(2)競技非特異的な指標(直線および反復スプリント、ジャンプなど)、(3)試合中またはシミュレーション中のアクション(アシスト、リバウンド、ターンオーバー、シュート精度、得点、パフォーマンスインデックスなど)、(4)生理的・主観的指標――という4領域について解析した。

(1)バスケットボールに特異的な指標

フリースローの精度に関しては4件の研究があり1件がカフェイン摂取の有意な正の影響を報告していた。メタ解析の結果は非有意だった。3ポイントシュートの精度についても4件の研究があり、有意な影響の報告はなく、メタ解析の結果も非有意だった。フリースローとスリーポイントシュートを統合したメタ解析でも非有意だった。

ドリブル走行については12件の報告があり、有意な影響の報告はなく、メタ解析の結果も非有意だった。

(2)競技非特異的な指標

スプリント

直線スプリントに関して28件の研究があり、2件がカフェイン摂取の有意な時間短縮の影響を報告していた。メタ解析の結果は、標準化平均差(SMD)=-0.27(95%CI;-0.42~-0.13)と、カフェイン摂取により有意に走行時間が短縮することが示された。

反復スプリントに関しては8件の研究があり、2件がカフェイン摂取の有意な走行時間短縮の影響を報告していた。メタ解析の結果はSMD=-0.45(-0.78~-0.13)と、カフェイン摂取により有意に時間が短縮することが示された。

直線スプリントと反復スプリントを統合したメタ解析も、SMD=-0.32(-0.44~-0.19)と有意だった。

ジャンプ

単回のジャンプに関して28件の研究があり、有意な影響の報告はなかったが、メタ解析の結果はSMD=0.15(0.01~0.29)と、カフェイン摂取により有意にジャンプの記録が上昇することが示された。

反復するジャンプに関しては2件の研究があり、有意な影響の報告はなく、メタ解析の結果も非有意だった。

単回ジャンプと反復ジャンプを統合したメタ解析は、SMD=0.16(0.02~0.29)であり有意だった。

(3)試合中またはシミュレーション中のアクション

前記した種々のパフォーマンス指標に関して、それぞれ2~3件の研究報告が特定された。指標ごとのメタ解析で有意性が認められた項目はなかったが、すべての結果のメタ解析では、SMD=0.25(0.01~0.40)と、カフェイン摂取により試合またはシミュレーション中のパフォーマンスが向上することが示された。

(4)生理的・主観的指標

心拍数

スプリントにおける心拍数に関して6件の研究があり、1件がカフェイン摂取による有意な心拍数上昇を報告しており、メタ解析の結果もSMD=0.44(0.14~0.73)と有意だった。一方、シミュレーション中の心拍数に関しても6件の研究があり、有意な影響の報告はなく、メタ解析の結果も非有意だった。

スプリントとシミュレーションを統合したメタ解析の結果は、SMD=0.35(0.14~0.58)であり、カフェインによる有意な心拍数上昇が示された。

主観的指標

疲労感に関しては9件の研究があり、2件がカフェイン摂取の有意な抑制効果を報告していた。メタ解析の結果はSMD=0.55(0.31~0.79)と、カフェイン摂取により主観的な疲労感が抑制されることが示された。

筋持久力に関しては5件の研究があり、1件がカフェイン摂取の有意な抑制効果を報告していた。メタ解析の結果はSMD=0.53(0.12~0.95)と、カフェイン摂取により筋持久力の向上が自覚されることが示された。筋力に関しては5件の研究があり、2件がカフェイン摂取の有意な抑制効果を報告していた。メタ解析の結果はSMD=1.01(0.63~1.39)と、カフェイン摂取により筋力の向上が自覚されることが示された。

これらを統合したメタ解析の結果、SMD=0.64(0.45~0.83)であり、カフェイン摂取により主観的な指標に好ましい影響が生じることが示唆された。

日常のカフェイン摂取量などにより影響は異なる可能性

これらの結果に基づき著者らは、「バスケットボールにおいて、低用量のカフェイン摂取は、主に試合を支える身体的および主観的要求への適応を高めるようで、非特異的なパフォーマンス指標と主観的反応において一貫した改善が観察されている。広範なパフォーマンス上の利点を引き出すには、より高用量のカフェイン(3mg/kg超)が必要となる可能性がある」と総括している。

ただ、「実際の適用においては、トレーニング状況、個人の習慣的なカフェイン摂取量、カフェインの形態などの因子を考慮する必要がある」と付け加えられている。

文献情報

原典論文のタイトルは、「Effects of caffeine intake on exercise performance in basketball players: a systematic review and meta-analysis」。〔Front Nutr. 2026 May 7:13:1837912〕
原文はこちら(Frontiers Media)

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