BMIよりTMIが体脂肪率と強く相関、活動的な若年成人で体組成評価に有用である可能性
体重を身長の三乗で除した値であるTMIが、活動的な若年成人集団において、BMIよりも体組成の評価などの点で優れていることを示唆する研究結果が報告された。著者らは、エビデンスの蓄積が必要ではあるが将来的にはBMIに代わる指標になる潜在的な可能性があるとしている。

BMIとTMI
体重を身長の二乗で除した値であるBMI(body mass index)は、1800年代中盤に個人の体型の評価指標として提案されて以降、疫学や臨床医学、栄養学などに広く利用され、膨大なエビデンスが蓄積されてきている。スポーツ領域でも、アスリートのパフォーマンスやトレーニング適応、長期的な健康を評価・予測する重要な指標として、BMIが長年使われてきている。
しかし、BMIは体脂肪量と除脂肪量(筋量など)を区別せずに評価するという課題があり、この点はとくに、活動的な生活を送り筋肉量の多い対象で、数値の解釈が困難になる場面が多い。これに対して近年、BMIをもう一回身長で割って(つまり体重を身長の三乗で除して)算出するTMI(triponderal mass index)が、臨床的意義が高いだけでなく体組成の評価という点でも、より優れた指標である可能性が報告されてきている。ただし、BMIに比べてエビデンスは極めて少なく、わずかなエビデンスも疾患有病者やハイリスク集団で検討されたものであり、活動的な個人での有用性に関するデータはほとんどない。
今回取り上げる論文の研究は上記を背景として実施された。トルコの健康科学大学の学生を対象とする横断的観察研究であり、体組成や血液検査との相関という点において、BMIとTMIのいずれが優れているかを検討している。
トルコの大学生約60人で、BMIおよびTMIと体組成等の関連を検討
解析対象全体のBMIは平均22.78、TMIは13.286、体脂肪率は18.45%
研究参加の適格条件は、週に3日以上身体活動が行っていて、WHO等のガイドラインの推奨(中強度運動を週に150~300分または高強度運動を同75~150分)を満たし、慢性疾患のない非喫煙者とされていた。除外基準は、急性疾患罹患中、および女子学生については月経開始から10日以内である場合も除外された。なお、体組成の測定や血液採取は10時間の絶食(カフェイン摂取も禁止)後の午前中に行った。体組成は生体電気インピーダンス法で測定した。
解析対象は59人(22.63±2.29歳、男子37人、女子22人)であり、BMIは22.78±2.91、TMIは13.28±1.76で、体脂肪率は18.45±3.81%だった。
BMIおよびTMIと体脂肪率や血液検査値との関連の比較
BMIは、体脂肪率(r=0.38、p=0.003)、ヘモグロビン(Hb〈r=0.32、p=0.013〉)、ヘマトクリット(Hct〈r=0.26、p=0.046〉)と有意な正の相関、好中球対リンパ球比(NLR)〈rs=-0.27、p=0.041〉)、血小板リンパ球比(PLR〈r=-0.30、p=0.022〉)と有意な負の相関が認められた。
TMIは、BMIに比べて体脂肪率とより強く正相関し(r=0.50、p<0.001)、NLR(rs=-0.27、p=0.039) と有意な負の相関がみられた。
白血球数(WBC)、血小板数(PLT)、好中球(NEUT)に関しては、BMIおよびTMIともに有意な関連はみられなかった。
BMIよりTMIは体脂肪率との相関が強い
次に、BMIとTMIの体脂肪率との関連の強さを比較するため、体脂肪率を従属変数とし、BMI、TMI、および上述の4項目の血液検査値のすべてを独立変数とする重回帰分析を行った。
その結果、体脂肪率との関連が統計的に有意であったのは、ヘマトクリット(Hct)のみであった(β=-0.34、p=0.021)。TMIは統計的有意には達しなかったものの、正の傾向が示唆された(β=0.25、p=0.073)。一方、BMIでは関連は認められなかった(β=-0.006、p=0.716)。
スポーツ領域でのTMIの可能性
著者らは本研究で明らかになったポイントとして、以下の3点の重要性を強調している。すなわち、(1)TMIはBMIよりも生体インピーダンス法による体脂肪率と強く相関し、(2)BMIとHbおよびHctは正の相関があり、BMIとTMIはNLRとわずかな負の相関があり、(3)Hctが低いほど体脂肪率が高いという独立した関連が認められた。なお、(3)のHctと体脂肪率との関連は、血漿量や水分摂取量が部分的に影響を及ぼしている可能性があることから、慎重な解釈を要すると述べている。
また、スポーツ領域や公衆衛生におけるTMIの利用について、TMIはBMIよりも有益な可能性があるとしている。具体的には、日常的な健康診断やシーズン前の評価などにおいて、(1)BMIが基準範囲内であるにもかかわらず潜在的に肥満度が高い個人の特定、(2)トレーニングや生活習慣介入による変化のモニタリングに役立つ――と考えられるという。
一方、留意すべきこととして、アスリート集団での基準範囲などが検証されておらず、現状ではTMIのみに依存した評価をすべきではないとも付け加えられている。
文献情報
原題のタイトルは、「From BMI to TMI: revisiting adiposity and fitness assessment in young active adults through a historical and contemporary lens」。〔Front Public Health. 2025 Nov 14:13:1700684〕
原文はこちら(Frontiers Media)







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