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ATP摂取の急性効果を得るのに必要な最小量は400mg 筋トレパフォーマンスでの検討

筋力トレーニングのパフォーマンス向上を目的に、ATP(アデノシン三リン酸)を単回摂取する場合の最小必要量に関する検討結果が報告された。その値は400mgだという。プラセボ、100mg、200mgという計4条件でのクロスオーバー試験として検討された。

ATP摂取の急性効果を得るのに必要な最小量は400mg 筋トレパフォーマンスでの検討

アデノシン三リン酸(ATP)とは

アデノシン三リン酸 / ATP(e-ヘルスネット)

プラセボおよび3週類の用量設定で比較

ATPを継続的に経口摂取すると、心血管状態や体組成、筋力パフォーマンス、および回復などに有益性があることが報告されている。ただし、ATPを経口で摂取後の急性効果を得るのに必要な用量は明らかになっていない。本論文の研究者らはこの点を筋力パフォーマンスへの影響という視点で検討した。

研究デザインは、二重盲検無作為化プラセボ対照クロスオーバー試験で、既報文献から、有意差を得るのに必要な最低サンプル数は18名と計算され、29名の男性がスクリーニングに参加した。

研究参加の適格条件は、健康な男性であり、少なくとも1年以上の筋力トレーニング歴があって(週に3回、1日につき30分以上)、体重あたりの1RM(repetition maximum)が1.5~2.0kg/kgであること。除外条件は、何らかの疾患罹患者、BMI30以上、体脂肪率30%以上、過去6カ月以内のサプリメント使用。

スクリーニング参加者のうち適格条件を満たし、後述の4条件の試行のすべてを終了した20人を解析対象とした。年齢は28.6±1.0歳、体重81.2±2.0kg、身長175.2±1.4cm、体脂肪率14.2±1.0%、除脂肪体重67.0±1.4kg、1RM141.5±5.0kg、体重あたり1RM1.73±0.04kg/kg。

試行条件と筋力パフォーマンスの評価法

研究参加者は、ベースラインの1RMの計測のあと、乱数表に基づく無作為化された順序で、プラセボ(マルトデキストリン)、ATPを100mg、200mg、400mgを摂取するという4条件の試行を、それぞれ1週間のウォッシュアウト期間を設けて実施した。4条件の試行日の朝食は試験試行の90分前とし、初回の施行日の食事内容を聞き取り、その記録を参加者に渡して同じものを食べるように指示した。研究期間中は食事と運動習慣を変更せず、エルゴジェニックサプリメントを使用しないように指示した。また各条件の試行の少なくとも12時間前からは、アルコールとカフェインの摂取を禁止した。

筋力パフォーマンスにはフリーウエイトを用い、1RMの80%の負荷で4回連続を1セットとするハーフスクワットを実施。2分間の休息を挟んで繰り返し、継続不能となった時点で終了とした。

400mg条件ではセット数に有意差、一方、自覚的運動強度は100mgで有意差

筋力パフォーマンスは、ハーフスクワットの繰り返しセット数と、総回数、総重量(総回数×重量)、および、自覚的運動強度(Rate of Perceived Exertion;RPE)の4項目を評価した。

繰り返しセット数に有意差が認められたのは400mg条件のみ

まず、ハーフスクワットのセット数については、プラセボ条件に比較しATP400mg条件では、回数が13%有意に多かった(11.1±0.4 vs 12.3±0.4回,p=0.04)。

ATP100mg条件は対プラセボで3%(11.4±0.4回,p=0.63)、200mg条件では対プラセボ条件で4%(11.5±0.4回,p=0.47)回数が多いものの、ともにプラセボ条件との差は有意でなかった。

ハーフスクワット総回数と総重量は400mg条件も有意水準に至らず

ハーフスクワットの総回数もATP400mg条件では、プラセボに比較して6.3%多かったが、統計学的に有意な水準には至らなかった(27.2±0.9 vs 28.9±0.9回,p=0.19)。ハーフスクワットの総回数と重量を乗算した総負荷量も同様に、プラセボ条件よりATP400mg条件では6%大きかったが、統計学的に有意な水準には至らなかった(3,842.8±121.6 vs 4,060.5±121.6kg,p=0.22)。

ATP100mgと200mgの条件については、ハーフスクワットの総回数および総重量ともに、プラセボ条件と有意差がなかった。

自覚的運動強度(RPE)は100mgで抑制効果、200mgでは有意に増加

自覚的運動強度(RPE)については、ATP100mg条件では対プラセボで4%低く有意差が認められた(p<0.05)。一方、ATP400mg条件でも対プラセボで4%低下していたが、統計的には有意でなかった(p=0.11)。さらにATP200mg条件では、プラセボ条件よりもむしろRPEが上昇し、条件間に有意差が認められた(p<0.05)。

ATP100mg傾向摂取のRPEへの効果は追試が必要か

これらの結果から著者らがまとめた結論は、「パフォーマンスを向上させるための経口ATP摂取の急性効果の有効用量は、400mgであると決定される」というもの。なお、自覚的運動強度(RPE)に対して、100mgでは有意に保護的な効果がみられた一方、200mgでは逆効果、400mgでは非有意という結果については、条件を変えたさまざまな設定での追試が必要と述べている。

文献情報

原題のタイトルは、「Dose Response of Acute ATP Supplementation on Strength Training Performance」。〔Front Sports Act Living. 2021 Dec 8;3:780459〕
原文はこちら(Frontiers Media)

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