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有酸素運動+ビタミンDで肥満女性の筋肉痛が改善しQOLが向上する

肥満者にはビタミンD低値が少なくなく、とくに女性でそのリスクが高いことが報告されている。また肥満者には筋骨格系の障害が多いこともよく知られている。これを背景に、肥満女性に対してビタミンD摂取と摂取エネルギー制限、および有酸素運動による介入を行い、筋肉痛の症状が変化するか否かを検証するという研究の結果が、エジプトのカイロ大学から報告された。それらの介入により症状が改善し、QOLも向上したという。

有酸素運動+ビタミンDで肥満女性の筋肉痛が改善しQOLが向上する

筋肉痛のある肥満女性を3群に分けて介入

この研究はカイロ大学病院の外来を受診している、非特異的筋肉痛のある肥満女性60名を対象に実施された。適格基準は、年齢が30~40歳、BMI30.0~34.9で、過去2カ月以上にわたり非特異的筋肉痛が持続していること、およびビタミンD欠乏(ビタミンD 30ng/mL未満、25(OH)D 10ng/mL未満)であること。除外基準は、管理不良の心血管疾患、心肺障害、代謝性疾患、リウマチ性疾患、および身体活動に支障のある筋骨格系疾患。15名が除外基準に該当したため、研究参加者は45名だった。

この45名を15名ずつ以下の3群に無作為に割りつけた。

各群の介入方法

「A群」は、有酸素インターバルトレーニング運動プログラムとビタミンD補給(コレカルシフェロール50,000IU/週)を併用、「B群」は、ビタミンDの補給(グループAと同量)のみ、「C群」は、インターバルトレーニング運動プログラムのみ。ただし、3群ともに、摂取エネルギー制限(各人のエネルギー要件-500Kcal/日)が栄養士の指導のもとで実施された。この摂取エネルギー量は14日ごとに見直された。主要栄養素の比は、脂質20~30%、タンパク質10~15%、炭水化物55~65%。

有酸素インターバルトレーニング運動プログラムは、自転車エルゴメーターにより最大心拍数(220-年齢)の70%の負荷で5分間、続いて50%に負荷を減らした。これをウォームアップに続き40分間行った。

評価項目

機能的能力は12分歩行テスト(12MWT)で、筋肉痛の症状は10cmの視覚的アナログ尺度(VAS)で、QOLはSF-12という指標で、指示された食事への遵守状況は食物摂取頻度質問票で評価した。このうちSF-12は、より詳細なSF-36の短いバージョンで、患者の視点からの健康と幸福を測定するもの。スコアが高いほど健康状態が良いことを表す。

介入により痛みが改善しQOLが向上

3群間で、年齢やBMIに有意差はなかった。また、介入前の時点で、ビタミンDレベル、筋肉痛の症状(VAS)、12分歩行テスト(12MWT)、およびSF-12のスコアに群間の有意差はなかった。

介入前後の変化は以下のとおり。

BMIは全群で有意に低下

BMIは、A群が介入前34.17±1.51、介入後27.75±1.25、B群は同順に34.41±1.85、29.03±1.25、C群33.96±1.25、27.91±0.98であり、いずれも有意に低下していた。低下幅はA群が最も大きく、次いでC群、B群の順だった。

ビタミンD値は全群で有意に上昇したが群間差もすべて有意

ビタミンD値は、ビタミンD摂取介入をしなかったC群も含めて全群で有意に上昇していた。ただし、介入後の値には群間差が存在し、ビタミンD値が最も高かったのは、ビタミンD摂取と有酸素運動の双方で介入したA群であり、B群やC群との間に有意差があった。二番目にビタミンD値が高かったのは、ビタミンD摂取のみを行ったB群であり、C群との間に有意差があった。

痛みの程度は全群で有意に改善し、群間差の一部が有意

筋肉痛の症状(VAS)は、全群で改善していた。ただし、介入後の値には群間差が存在した。最も改善幅が大きかったのは、ビタミンD摂取と有酸素運動の双方で介入したA群であり、次いでビタミンD摂取のみを行ったB群だった。この両群の改善幅はC群の改善幅より有意に大きかった。A群とB群の改善幅の差は有意でなかった。

機能的能力はA群とC群で有意に改善

機能的能力(12MWT)は、A群とC群で有意に改善し、ビタミンD摂取のみのB群は改善が認められなかった。A群とC群の改善幅を比較すると、ビタミンD摂取と有酸素運動の双方で介入したA群の方が、有酸素運動のみのC群より有意に大きかった。

SF-12はA群では身体的・精神的QOLの双方、C群は精神的QOLのみ有意に改善

SF-12で評価したQOLは、ビタミンD摂取と有酸素運動の双方で介入したA群は身体的QOLと精神的QOLの両方が有意に改善していた。有酸素運動のみで介入したC群は精神的QOLのみ有意に改善していた。ビタミンD摂取のみのB群は、身体的QOLおよび精神的QOLともに、有意な改善がみられなかった。なお、A群とC群の精神的QOLの改善幅はA群のほうが大きく、群間に有意差がみられた。

以上一連の結果をもとに著者らは、「筋肉痛のある肥満女性に対し、栄養素バランスのとれた低カロリー食の実践のもとでの有酸素運動と組み合わせたビタミンD摂取は、筋肉痛の緩和および機能的能力、生活の質を改善するための新しいプロトコルとなり得る」とまとめている。

文献情報

原題のタイトルは、「Efficacy of Vitamin D Supplementation in Addition to Aerobic Exercise Training in Obese Women with Perceived Myalgia: A Single-Blinded Randomized Controlled Clinical Trial」。〔Nutrients. 2021 May 27;13(6):1819〕
原文はこちら(MDPI)

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