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カフェインと重炭酸ナトリウムで空手のパフォーマンスが向上

空手のパフォーマンスがカフェインと重炭酸ナトリウム(重曹)の摂取により向上する可能性が報告された。カフェインと重炭酸ナトリウムの相加的効果も認められたという。イランの空手リーグで4位につけるクラブでの検討結果だ。

カフェインと重炭酸ナトリウムで空手のパフォーマンスが向上

カフェインは疲労軽減作用やエネルギー代謝における解糖系の亢進作用、重炭酸ナトリウムには運動誘発性アシドーシスの低下作用などが報告されている。理論的には、両者の併用により相乗効果も期待し得る。そこで本論文の著者らは、カフェイン単独、重炭酸ナトリウム単独、およびカフェインと重炭酸ナトリウムの併用による空手パフォーマンスへの効果を、プラセボ摂取および、いずれも摂取しない対照(コントロール)条件と比較検討した。

空手家を対象にプラセボ対照無作為化二重盲検クロスオーバー試験

この研究では、イランの空手リーグのファーストディビジョンで2018年に4位にランクした空手クラブに所属する選手全員に、参加が要請された。対象を複数のクラブでなく、一つのクラブに絞った理由は、異なるクラブ間でのトレーニングプログラムの違いによる潜在的な影響を排除するため。

5年以上の経験があり、検討の3カ月前からサプリメントをまったく摂取しておらず、カフェインのヘビーユーザーではないこと(カフェイン摂取量125mg/日以下)を条件としたところ、10名が該当した。そのうち2名はイランの全国空手キャンプに招待されたため、他の8名の空手家を対象とした。年齢は20.5±2.4歳、身長1.78±0.06m、体重7.8±7.7kg、体脂肪率10±3%。

試験プロトコル

試験デザインはプラセボ対照無作為化二重盲検クロスオーバー試験で、8名全員が、カフェイン単独、重炭酸ナトリウム単独、カフェインと重炭酸ナトリウムの併用、プラセボおよび、コントロール条件(いずれも摂取しない)の5条件について、空手に特化した有酸素性能力テスト「Karate-specific aerobic test;KSAT」を行った。各KSATの間には7日間のウォッシュアウト期間を設けた。また、概日リズムの影響を避けるため、KSATは毎回、同一曜日の9時から12時30分の間に行った。

カフェイン(またはそのプラセボ)は、KSATの50分前の摂取とした。これは、カフェインの血中濃度は摂取後30~60分でピークになるという既報に基づく。重炭酸ナトリウム(またはそのプラセボ)は、KSATの3日前に0.3g/kg/日を、朝食、昼食、夕食時に摂取とした。これは、重炭酸ナトリウム摂取による消化器症状は1日で消失し、血中濃度は維持されるという既報に基づく。またKSATの120分、90分、60分前に、それぞれ0.1g/kgの重炭酸ナトリウムを摂取させた。

研究期間中、被験者にはカフェイン、アルコール、重曹の摂取を控えさせ、KSATの24時間前からは高強度運動をしないよう指示した。

カフェイン、重炭酸ナトリウムともに有意な効果

疲労限界時間(TTE)は対プラセボ、対コントロールに有意差

KSATによる疲労限界時間(Time to Exhaustion;TTE)は、プラセボおよびコントロール条件に比し、カフェイン、重炭酸ナトリウム、およびその併用により、有意な向上が認められた。具体的には、カフェイン摂取時674±44秒(対プラセボp=0.001,効果量〈ES〉=0.89/対コントロールp=0.018,ES=0.46)、重炭酸ナトリウム693±28秒(p=0.015,ES=1.69/p=0.003,ES=0.68)、カフェイン+重炭酸ナトリウム696±56秒(p=0.012,ES=1.23/p=0.011,ES=0.56)。プラセボ条件では636±39秒、コントロール条件では631±38秒だった。

カフェイン単独、重炭酸ナトリウム単独、カフェイン+重炭酸ナトリウムの3条件間に、統計的有意差は認められなかった。

自覚的運動強度 (RPE)は併用条件の一部で有意差

自覚的運動強度(Rate of Perceived Exertion;RPE)は、KSATのレベルが上がるにつれて、すべての条件で上昇した。カフェイン摂取、重炭酸ナトリウム摂取、カフェイン+重炭酸ナトリウム摂取の3条件ではレベル9に到達したが、プラセボおよびコントロール条件ではレベル8までの到達だった。

レベル4、レベル5では、コントロール条件に比しカフェインおよび重炭酸ナトリウム条件で、有意にRPEが低かった。また、レベル3~7では、コントロール条件に比しカフェイン+重炭酸ナトリウム条件で、有意にRPEが低かった。

心拍数、乳酸値、消化器症状は有意差なし

心拍数や乳酸値は、条件群間の有意差は認められなかった。また、研究全体を通して腹部症状を訴えた被験者はおらず、消化器症状のスコアは同等だった。

これらの結果から著者らは、「カフェインと重炭酸ナトリウムを個別に摂取、または併用摂取すると、空手固有の有酸素性能力テストのパフォーマンスが向上する可能性があることが示された。よって試合前にカフェイン、重炭酸ナトリウム、またはそれらの両方を摂取することで、空手家は恩恵を得られる可能性がある」と結論をまとめている。

文献情報

原題のタイトルは、「Caffeine and sodium bicarbonate supplementation alone or together improve karate performance」。〔J Int Soc Sports Nutr. 2019 Oct 17;16(1):44〕
原文はこちら(Springer Nature)

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