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シトルリンマレートのスポーツパフォーマンスへの効果を検証 メタ解析でわずかに有意

シトルリンマレート(CM)のスポーツパフォーマンス上の有用性に関するシステマティックレビューとメタ解析の報告を紹介する。全体として、わずかに有意なパフォーマンス向上との関連が認められたが、エビデンスの確実性が低い研究が多いという。著者らは、標準化プロトコルに基づく大規模研究の必要性を指摘している。

シトルリンマレートのスポーツパフォーマンスへの効果を検証 メタ解析でわずかに有意

シトルリンマレート(CM)の有用性を3レベルメタ解析で検討

シトルリンマレート(citrulline malate;CM)は、非必須アミノ酸であるL-シトルリンと、リンゴ酸塩からなるサプリメントで、エルゴジェニックエイドの一種として用いられている。

L-シトルリンはL-アルギニンの前駆体であり、一酸化窒素(NO)の利用能を高め、血管拡張によって筋肉への酸素やエネルギー基質の輸送を促進する可能性がある。また、アンモニアの代謝に関与し、疲労を軽減する可能性がある。リンゴ酸塩は酸化代謝をサポートし、アデノシン三リン酸(ATP)産生の維持にかかわる可能性がある。

シトルリンマレート(CM)は、L-シトルリンとリンゴ酸塩を組み合わせることで、それら両者の相加的または相乗的な作用が発揮されるのではないかとする考え方に基づき使用されている。これまでに複数の研究結果が報告されており、一部はスポーツパフォーマンスに有意な結果を示し、一部は有意でないと結論づけている。また、それらの研究を統合した解析の報告もあるが、メカニズムの解説が中心であり、定量的な解析は十分なされていない。

以上を背景として行われた今回取り上げる研究報告では、システマティックレビューに基づく3レベルメタ解析により、CMのスポーツパフォーマンスに対する有用性が検討された。なお、3レベルメタ解析は、一つの研究から複数の評価結果が得られている場合に、それらを独立したデータとして扱わず、同じ研究内の結果が互いに関連していることを考慮して統合する手法。それによって、研究間の異質性とともに、研究内の結果のばらつきも考慮した解析が可能になる。

文献検索について

システマティックレビューとメタ解析のための優先レポート項目(PRISMA)ガイドラインに則して、PubMed、Web of Science、Cochrane Library、Embase、SciELO、SPORTDiscusという6件の文献データベースに、それぞれスタートから2025年8月までに収載された報告を対象とする検索を実施。包括基準は、健康な成人(18歳以上)を対象にCMサプリメントによる介入を行い、スポーツパフォーマンスへの影響を定量的に評価し、査読システムのあるジャーナルに全文が掲載されている英語論文。除外基準は、CMと他のサプリを併用した介入を行いCMのみの影響を抽出できない報告、動物実験またはin vitro研究、総説、学会発表、プロトコル論文など。なお、CMのほかに炭水化物や香料などを用いた介入を行った研究は、それらが対照群と等しいプロトコルで摂取されていた場合に限り適格とした。

一次検索で267報がヒットし、重複削除後の120報を2名の研究者が独立してタイトルと要約に基づくスクリーニングを実施。採否の意見の不一致は討議によって解決した。43報を全文精査の対象として26件の研究報告を適格と判断した。これに他の情報源から得た4件を追加して、最終的に30件をメタ解析の対象とした。

抽出された研究の特徴

30件の研究の参加者は10~64人で合計644人であり、504人が男性、140人が女性だった。18件は男性のみ、9件は男性と女性、3件は女性のみを対象としていた。また、多くの研究(21件)はトレーニングを行っている人を対象とし、他の9件はトレーニングを行っていない人を対象としていた。

CMサプリメントは、26件は飲料形態、4件は固形の形態で支給されていた。用量は8gとした研究が最多であり、次いで12gであった。急性単回投与の場合、運動の40~120分前に投与され、慢性反復投与の場合の投与期間は3~56日間であった。すべての研究は二重盲検デザインで実施され、24件はクロスオーバー試験、6件は並行群間比較試験だった。全体で138種類の効果量(k=138)が報告されていた。

シトルリンマレートの摂取は状況依存的にわずかなパフォーマンス向上と関連

メタ解析の結果、シトルリンマレート(CM)による介入は、わずかではあるが運動パフォーマンスの有意な向上と関連しており、中等度の異質性がみられた(効果量〈Hedgesのg〉=0.16〈95%CI;0.05~0.27〉、p=0.01、k=138、異質性〈I2〉=45%)。

摂取プロトコル別にみると、急性単回投与サプリメントでは小さいながら有意な影響がみられたが(g=0.16〈0.02~0.30〉、p=0.02、k=114、I2=52%)、慢性反復投与では有意水準に達しない変化だった(g=0.13〈-0.01~0.28〉、p=0.08、k=24、I2=0%)。

主観的な評価に対する影響は、疲労感のスコアの低下傾向を示したが、有意ではなかった(g=-0.25〈-0.80~0.29〉、p=0.34、k=19、I2=49%)。

サブグループ解析

性別で層別化した場合、男性では有意であったが、女性では非有意であり、男性と女性が混合しているサンプルでも非有意だった。

トレーニング状況別で層別化した場合、トレーニングを行っている集団では有意であり、トレーニングを行っていない集団では非有意だった。スポーツカテゴリーで層別化した場合、有酸素持久力と無酸素パフォーマンスは有意だったが、筋持久力と筋力/パワーは非有意だった。

サプリメントの投与タイミングで層別化した場合、運動の約60分前に摂取した場合は有意であったが、約40~45分前や約120分前に摂取した場合は非有意だった。投与量で層別化した場合、8gでは有意であったが、4~4.4g、12g、および15gの研究では非有意だった。探索的線形メタ回帰では、用量反応関係は認められなかった。

サプリメントの形態で層別化した場合、飲料形態では有意であった。固形タイプは解析可能な効果量が少なく(k=1)、解析不能だった。

論文の結論は、「CMサプリメント摂取は、運動パフォーマンスのわずかで、状況依存的な向上と関連している可能性がある。ただし現在のエビデンスは限定的で不確実であり、信頼できる摂取量、摂取タイミング、推奨される集団は確立されていない。標準化されたプロトコルを用いた大規模な研究が必要である」と総括されている。

文献情報

原典論文のタイトルは、「Effects of Citrulline Malate Supplementation on Exercise Performance: A Systematic Review and Three-Level Meta-Analysis」。〔Nutrients. 2026 Jun 11;18(12):1881〕
原文はこちら(MDPI)

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