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新型コロナウイルスで自粛中の食生活ガイド

感染症に負けない食事とは?【Q&A】

一般社団法人日本スポーツ栄養協会-SNDJ- 理事長
鈴木 志保子
2020年05月15日

新型コロナウイルスで自粛中の食生活カ゛イト゛

いろいろなものをバランス良く食べて自前の免疫力を維持しよう

感染症に負けない食事とは?【Q&A】

前回も述べましたが、感染症に対処するには、ウイルスと戦ってくれる〝自前の免疫力〟を維持しておくことがとても重要です。そして、そのシステムには「栄養状態」が大きく関係しています。栄養不良では、病気への抵抗力が低下し、万が一感染したときには回復にも時間がかかってしまいます。自粛生活が続くことで、運動不足や日光浴不足が長引くことも栄養状態に影響します。こんなときだからこそ、改めて食生活を見直しましょう。

ここでは、「感染症に負けない食事とは?」をテーマに、食生活の見直しポイントや、自粛期間が長引く中で質問の多いキーワードについてQ&Aでご紹介します。

Q. 感染症が心配ないま、健康を守るためにはどんな食事が必要ですか?

鈴木志保子

A. 食品は様々な栄養素の集合体であり、たくさんの種類の食品を食べることで、自然と多種多様な栄養素を補給することができます。そのためにも、1日3食を基本として、いろいろなものを食べるよう心がけましょう。それが結局は、栄養状態を良くして免疫機能を維持することにつながります。

参考:バランスの良い食事とは?

自粛生活が長引くと、生活リズムの崩れから偏食や欠食に陥りやすくなり、食事の手抜きや偏りが続いてしまうと、やがて生活習慣病につながっていきます。感染症だけでなく、生活習慣による健康リスクにも目を向けて、食生活を疎かにしないことが大切です。

Q. 乳酸菌を摂れば免疫力アップになりますか?

鈴木志保子
A. 必要な栄養素を食品からバランス良く摂ることで、健康な身体が作られます。この基本が守られていない限り、乳酸菌だけを摂っても免疫機能の維持にはつながらないでしょう。また、1つの食品を大量に摂っても、効果は倍々にはならず頭打ちになるだけです。「たくさんの種類の食品を組み合わせて食べることで、栄養バランスが整う」という基本を忘れないようにしましょう。

Q. サプリメントで栄養補給してもいいですか?

鈴木志保子
A. 身体の免疫力を維持するために摂っておきたい栄養素としては、粘膜を正常にはたらかせるビタミンAや、ストレスに対抗するための抗酸化作用のあるビタミンCなどがあります。ただ、食事からとるのとは違って、サプリメントでは過剰摂取が懸念されるため、注意が必要です。ある特定の栄養素が大量に体内に入ることになれば、代謝を担う肝臓や腎臓への負担も大きくなります。サプリメントの利用については、自分の食事から補給ができない分のみ摂取する適正量を守りましょう。公認スポーツ栄養士や管理栄養士のアドバイスを受けることをお勧めします。

Q. ビタミンDを積極的に摂るべきですか?

鈴木志保子

A. ビタミンDは、丈夫な骨作りに欠かせない栄養素です。最近では、免疫機能を調節する栄養素としても注目されているようです。食品から摂る以外にも、私たちは皮膚に紫外線を浴びることにより、体内でビタミンDを作っています。過剰摂取・摂取不足はリスクがありますので適量(目安量8.5μg/日)を摂りましょう。

ビタミンDを効率良く摂取するポイント

●日光浴でチャージ

「三密」を避けて、日中適度に散歩をする、バルコニーで日光浴をするなど日に当たる工夫を。ビタミンDは成長期の子どもにも大切な栄養素なので、縄跳びなど外で遊ぶ時間を確保したいものです。長時間強い紫外線を浴びる必要はなく、腕や手足だけでも十分です。

●食品から摂取
脂溶性ビタミンであるビタミンDは、サケ、サバ、サンマなどのあぶらの多い魚、魚卵、卵、キノコ類などに含まれます。ビタミンDが添加されているヨーグルトなどを活用するのも一案です。1日1個の卵と鮭の切り身で、成人1日の目安量(8.5μg)を摂取可能です。

Q. 買ってきた食品は加熱した方がいいですか?

鈴木志保子
A. 買ってきた食品を介して新型コロナウイルスに感染することは、ほとんどないと言われています。ただ、パッケージは、不特定多数の人が触った可能性があり、購入した食品のパッケージをアルコールで拭くと安心です。また、食品衛生上、食品を扱う際には手をよく洗うことを心がけて。念のため、購入した葉野菜は外側の葉を取り除いてから使うようにし、生よりも加熱調理を勧めます。食卓では、大皿料理や鍋料理の直箸は避けて。あらかじめ小皿に盛りつけたりして、マイプレートに取り分けて食べるようにしましょう。

Q. 水分補給はどれくらい必要ですか?

鈴木志保子
A. 体内の水には、体温調節をしたり、血液として栄養素を全身に運んだり、老廃物を汗や尿として排泄するなどの働きがあります。自粛期間中で家にいるときにも、脱水にならないように水分補給は必要です。食事のほかに水やお茶からこまめに摂りましょう。目安としては、2~3時間に一度、トイレに行きたくなるくらいの量を摂っていれば問題ありません。病気療養中の方や持病がある方は、かかりつけ医師や管理栄養士に相談してください。

(取材・構成/及川 夕子)

連載「新型コロナウイルスで自粛中の食生活ガイド」目次

  1. 今こそスポーツ栄養で、負けないカラダをつくろう
  2. 自粛生活がもたらす健康リスクと睡眠・栄養の考え方
  3. バランスの良い食事とは?
  4. 感染症に負けない食事とは?【Q&A】
※以下、近日公開予定
  • 免疫力を下げないために―お金と手間をかけなくても必要な栄養をとる方法―
  • 休校・外出自粛でも、発育発達に影響をおよぼさない生活習慣と食生活

プロフィール

鈴木 志保子(すずき しほこ) 管理栄養士、公認スポーツ栄養士
一般社団法人日本スポーツ栄養協会理事長。公立大学法人神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部栄養学科教授。
実践女子大学卒業後、同大学院修了。東海大学大学院医学研究科を修了し、博士(医学)を取得。2000年より国立鹿屋体育大学体育学部助教授、2003年より神奈川県立保健福祉大学栄養学科准教授を経て、2009年4月より現職。(公社)日本栄養士会副会長、NPO法人日本スポーツ栄養学会前会長、日本パラリンピック委員会女性スポーツ委員会委員、東京2020組織委員会飲食戦略検討委員など役職多数。
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