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新型コロナウイルスで自粛中の食生活ガイド

バランスの良い食事とは?

一般社団法人日本スポーツ栄養協会-SNDJ- 理事長
鈴木 志保子
2020年05月15日

新型コロナウイルスで自粛中の食生活カ゛イト゛

「なぜ食べるの?」から見えてくる栄養素の大切さ

バランスの良い食事とは?

感染症対策のために免疫力を高めるには「バランス良く食べる」ことが最も有効です。 栄養状態を良くして、自分の持っている免疫機能を最大限に発揮できる状態をキープすること。それだけ摂っていれば免疫力が上がるような栄養素や食材はありません。

では、なぜ「バランス良く食べること」が大切なのでしょうか。その答えは「必要なエネルギーや栄養素を身体に摂り込むために、最も効率のいい食べ方だから」です。

もう少し説明すると、栄養学の観点から言えば、「生きることは化学反応の連続」です。例えば、寝ているときも、骨や筋肉を作りかえるにも、熱(体温)を生み出すにも、すべてが化学反応によるものです。さらに、子どもの場合は「発育・発達するための化学反応」にもエネルギーと栄養素が必要です。

代謝とは、ものを食べることによって栄養素をとり込み、ほかの物質を合成したり、エネルギーに変換したりすることを言います。言い換えれば、材料となる栄養素が不足すれば、代謝に異常をきたし、身体の機能が少しずつ乱れ始めます。当然、免疫系にも影響が及び、ウイルスに対抗する力も弱まってしまいます。

3回食べることで化学反応がスムーズにいく

重要な点がもう一つ。エネルギーや栄養素には、1日の必要量があります。食事が面倒な方ならば「1日1食で必要量を補えればいいのに」と思うかもしれませんが、そうはうまくいきません。栄養素によって体内に貯めておける量や時間が違うため、1日1食では、化学反応に必要な材料が不足してしまうのです。

では、1日2食ならどうでしょうか。12時間ごとに必要量をちょうど半分の量の食事をとれるならいいのですが、毎日きっちり12時間おきに必要量の半分を食べるのは、現実問題として難しいでしょう。

このように考えると、やはり朝・昼・晩と1/3ずつに分けて、いろいろな食べ物から栄養素を摂る方が身体をつくる材料が欠品しにくく、化学反応もスムーズに行われます。また、どんなに身体にいいと言われる栄養素でも、必要量以上をとったところで利用されず無駄になってしまいます。場合によっては、栄養素を過剰に取り入れると、それを代謝する臓器に余分な負担をかけることにもつながります。

以上の理由から、私たちは思い通りに化学反応ができるように、過不足なく・3食バランス良く食べる必要があるのです。

まとめ:バランスの良い食事のルール

鈴木志保子

バランス良い食事を1日3回食べる

バランスの良い食事が必要な理由は生命維持と代謝のため。免疫系を正常に維持したり、子どもには発育・発達のためにも必要です。

摂取エネルギーを減らさない

エネルギーは、摂りすぎても不足してもリスクになります。体重の増減を起こさない範囲で、3食まんべんなくエネルギー摂取に努めましょう。

欠食・偏食を見直そう

日常的に欠食や偏食をしていると、ある特定の栄養素を必要量摂れない状態が続くことになります。それは、身体づくり、ひいては免疫力低下にもつながるため、見直す必要があります。

1日を通してバランスを整えよう

スポーツ栄養学では、食事構成に主食、主菜、副菜2皿、牛乳・乳製品、果物という6つをそろえることを、食事の基本としています。ただし、厳しい栄養管理が必要なアスリートとは違い、一般の方々は、忙しい日もあれば、自炊することができない日もあったりして、1食でバランスを整えるのが難しい場合もあると思います。そんなときは、前後の食事を充実させて、1日でエネルギーや栄養素を必要量摂れるように調整しましょう。また、残業で夕食が遅くなる場合などには、間食を入れて、エネルギー不足の状態を作らないことも大切です。食事と食事の間が6時間以上あく場合は、間食を入れてみてください。

(取材・構成/及川 夕子)

連載「新型コロナウイルスで自粛中の食生活ガイド」目次

  1. 今こそスポーツ栄養で、負けないカラダをつくろう
  2. 自粛生活がもたらす健康リスクと睡眠・栄養の考え方
  3. バランスの良い食事とは?
  4. 感染症に負けない食事とは?【Q&A】
※以下、近日公開予定
  • 免疫力を下げないために―お金と手間をかけなくても必要な栄養をとる方法―
  • 休校・外出自粛でも、発育発達に影響をおよぼさない生活習慣と食生活

プロフィール

鈴木 志保子(すずき しほこ) 管理栄養士、公認スポーツ栄養士
一般社団法人日本スポーツ栄養協会理事長。公立大学法人神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部栄養学科教授。
実践女子大学卒業後、同大学院修了。東海大学大学院医学研究科を修了し、博士(医学)を取得。2000年より国立鹿屋体育大学体育学部助教授、2003年より神奈川県立保健福祉大学栄養学科准教授を経て、2009年4月より現職。(公社)日本栄養士会副会長、NPO法人日本スポーツ栄養学会前会長、日本パラリンピック委員会女性スポーツ委員会委員、東京2020組織委員会飲食戦略検討委員など役職多数。
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