流行の食事法を知っていることとボディーイメージには関連はある? トルコの若年女性580人を横断調査
地中海食、DASH食、時間制限食、ケトジェニック食、超低カロリー食、グルテンフリー食、さらには血液型別ダイエット、アルカリ性食品ダイエットなど、さまざまな食事スタイルが提唱されている。これらの一部はエビデンスが蓄積され疾患の予防や治療にも用いられているが、一部はエビデンスが十分でないながら、とくに若い女性の間で減量法として行われている。では、これら個々の食事スタイルを知っていることと、若い女性のボディーイメージとの間に、なんらかの関連はあるのだろうか。トルコで行われた横断調査の報告を紹介する。

ある食事スタイルを認識していることは、ボディーイメージや健康行動と関連するのか
自分の体型や外見に対する自己認識であるボディーイメージは、性別、年齢、環境、文化、個人の経験などの多くの因子によって左右され、ボディーイメージの懸念や不満は健康行動に悪影響を及ぼし得る。一般的にボディーイメージの懸念や不満は男性よりも女性に強く、とくに若年女性では、自身の理想とするボディーイメージに近づくための努力をすることが当然のようにみなされることがある。
若年女性が理想とするボディーイメージは、しばしばやせすぎで非健康的なものであり、そのイメージに近づくために、流行のダイエット(食事スタイル)が用いられやすく、それらのダイエット法の一部は科学的根拠が十分でないことがあるため、いっそう健康リスクを高めてしまいかねない。
ボディーイメージと健康リスクとの関連について、従来は主として乱れた食行動や摂食症の視点から研究が行われてきている。一方で、若年女性がさまざまな食事スタイルをどのように認識していて、その認識が実際の食行動を含む習慣と関連しているのかは明らかでない。
以上を背景ととして、トルコの女子大学生を対象とする横断研究が実施された。
トルコの女子大学生580人を対象に横断調査
この研究の対象はトルコのセルチュク大学の女子大学生580人。年齢は20.7±1.84歳(範囲18~33歳)で、BMI 21.56±4.69であり、全員が健康科学部(栄養・食事療法学科、助産学科、児童発達学科、健康管理学科、ソーシャルワーク学科)に在籍していた。
食事スタイルの認識の評価方法:
さまざまな食事スタイルの認識については、文献レビューに基づき質問紙を作成し、25人の女子大学生対象のパイロット研究により修正を加え確定した。
具体的には、カラタイ・ダイエット(トルコの研究者が提唱した加工食品を避ける食事スタイル)、間欠的断食、アルカリ性食品ダイエット、血液型別ダイエット、地中海食、超低カロリー食、DASH食、ケトジェニック食、グルテンフリー食、単一食品ダイエット、デトックスダイエットについて、それぞれ「知っているか」、「行ったことはあるか」、「健康的だと思うか」を質問した。
ボディーイメージの評価方法:
ボディーイメージの評価には、先行研究で開発された40項目からなるトルコ語版の質問表(body image scale;BIS)を用いた。BISは、顔や腕、足などの認識について5段階のリッカートスコアで回答を得るもので、スコア範囲は40~200点。135点以下はボディーイメージが低い、136点以上はボディーイメージが良好と判定する。クロンバックのαが0.9以上であり、高い内的一貫性が確認されている。
流行のダイエット法の認識とボディーイメージの関連は限定的という結果
580人のうち404人(69.7%)は、ボディーイメージが良好(BISが136点以上)であり、176人(30.3%)はボディーイメージが低い(BISが135点以下)と判定された。体重によってBISに有意な違いが認められ(p=0.011)、BISの分散の13.8%は体重によって説明された。
ボディーイメージが低い女子学生は欠食が多く水分摂取量が少ない
1日の食事回数、間食頻度、外食頻度、水分摂取量については、BISの高低による有意差はなかったが、欠食習慣はBISが低い群で多いという有意差が認められた(p=0.003)。
相関分析からは、BMIとBIS(r=-0.082、p<0.05)、および、欠食習慣とBIS(r=-0.125、p<0.01)の間に、有意な負の関連が認められた。つまり、BMIが高いことや頻繁な欠食が、ボディーイメージへの不満の高さと関連していた。一方、1日の水分摂取量とBISの間には有意な正の相関が認められ(r=0.093、p<0.05)、水分摂取量が多いほどボディーイメージへの満足度が高いことが示された。
年齢、1日の食事回数、間食回数、月あたりの支出額、月あたりの食費については、BISとの有意な相関はなかった。
ボディーイメージの高低で各種食事スタイルの認識はほぼ有意差なし
次に、各食事スタイルの認識をボディーイメージの高低で比較すると、「知っているか否か」、「実践」、「健康的だと思うか」という3項目について、多くは有意差が認められなかった。
ただし、単一食品ダイエットを知っていること、およびデトックスダイエットの実践については、ボディーイメージの高低で有意差がみられた。具体的には、単一食品ダイエットを知っている割合は、ボディーイメージが良好な群では60.9%、ボディーイメージが低い群では68.8%であり、後者が有意に高かった(p=0.043)。デトックスダイエットを実践したことがある割合は同順に5.7%、10.8%であり、やはりボディーイメージが低い群で有意に高かった(p=0.029)。
若年女性の健康的な食生活の促進には、ボディーイメージ以外の要素の考慮が必要
このほかに、実際に摂取している食品群別の摂取頻度、食事・栄養に関する情報源については、ボディーイメージの高低による有意差がみられなかった。
論文の結論は、「若い女性のボディーイメージはいくつかの健康行動と関連しているようにみえるものの、流行しているダイエット法に関する認識や実践との関連性は限られていた。これらの結果は、ボディーイメージ単独では大学生の食習慣の傾向を決定づける主要因とはならない可能性を示唆している。ボディーイメージに関する介入策は、若い女性の健康的な食行動を促進するために、より広範な社会的、文化的、行動的要因を考慮に入れるべきである」と述べられている。
文献情報
原典論文のタイトルは、「Assessment of the relationship between awareness of popular diets and body image among young women: a cross-sectional study」。〔J Health Popul Nutr. 2026 Jul 7〕
原文はこちら(Springer Nature)








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