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【SNDJ動画】鈴木志保子と公認スポーツ栄養士による「元気が出る食事」

ビタミンDを意識的に摂ろう! 鈴木志保子 × 井原瑞貴(公認スポーツ栄養士)

2020年05月02日

動画撮影日:2020年4月14日

出 演

井原 瑞貴(いはら みずき) 管理栄養士、公認スポーツ栄養士
鍼灸師。調理師。アスレティックトレーナー。NSCA-CSCS・健康運動実践指導者。
近畿大学食品栄養学科にて管理栄養士を取得後、飲食店に勤務し調理師を取得。その後、大阪ハイテクノロジー専門学校にて鍼灸師、アスレティックトレーナーの資格とともに公認スポーツ栄養士を取得。現在、接骨院やパーソナルジムを母体とする株式会社アーチにてスタッフと連携を取りながら栄養講座、個人栄養相談、チームサポート、飲食提供、商品開発などに携わっている。バスケットボール、ゴルフ、ラグビー、アメリカンフットボール、水泳、野球、陸上等、様々な競技のアスリートをサポートしている。

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鈴木 志保子(すずき しほこ) 管理栄養士、公認スポーツ栄養士
一般社団法人日本スポーツ栄養協会理事長。公立大学法人神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部栄養学科教授。
実践女子大学卒業後、同大学院修了。東海大学大学院医学研究科を修了し、博士(医学)を取得。2000年より国立鹿屋体育大学体育学部助教授、2003年より神奈川県立保健福祉大学栄養学科准教授を経て、2009年4月より現職。(公社)日本栄養士会副会長、NPO法人日本スポーツ栄養学会前会長、日本パラリンピック委員会女性スポーツ委員会委員、東京2020組織委員会飲食戦略検討委員など役職多数。

鈴木 今回は、こういう外出自粛の時だからこそ知っておきたいビタミンDの話をしたいと思います。今日、お付き合いいただくのは、公認スポーツ栄養士の井原瑞貴(いはら みずき)先生です。

井原 静岡県浜松市の株式会社アーチというフィジカルケアを専門にしている施設に勤務しています。公認スポーツ栄養士であり、アスレティックトレーナーや鍼灸師の資格も持っており、スタッフと連携をとりながら栄養サポートを行っています。よろしくお願いします!

日光浴と食事から、感染症を予防しよう

鈴木 では最初に、ビタミンDについて私からお話いたします。 ビタミンDという栄養素は油脂に溶けやすい脂溶性ビタミンで、感染症を予防するのに重要な栄養素の1つです。また、カルシウムの吸収促進にも関わります。いくらカルシウムを摂取したところで、ビタミンDがしっかりないと吸収されにくくなります。ですから、成長期の子ども達は特に大切。

ビタミンDは、食べて摂取する、紫外線を浴びて体内(皮膚)で作るという両方から必要量を補っています。特に後者(紫外線を浴びる)によって、80~90%を体内で作ることができると言われています。

昔、私が栄養士養成校の学生だった頃、ビタミンDの摂取は日本人にとってそんなに問題ないと言われていました。その頃の日本人は、お魚をよく食べており、紫外線から肌をプロテクトするようなクリームを塗る人はあまりいなかったので、日常生活で陽に当たるような生活をしていれば自然に補えたのです。

しかし、最近の研究では、紫外線予防をする人が増え、ビタミンDを自分の身体から作る量が少なくなっているのではないかといったものや、日本人が魚を食べる頻度や量が減り、口から摂取する機会も少なくなっていることから、ビタミンDの欠乏状態にある人が多いのではないかと問題視されています。

先日改訂された『日本人の食事摂取基準(2020年版)』でも、高齢者のフレイル予防の観点から1日に摂取する目安量が5.5μgから8.5μg/日(男女共18歳以上)に引き上げられました。

今回、外出自粛によって紫外線を浴びる時間が減少していることが予測されます。ベランダやお庭でもいいので、毎日20分以上は陽に当たるよう心掛けましょう。もしそれが難しいのであれば、食べて必要量を補うよう、いつもよりも魚系のメニューを増やすなど、ビタミンD摂取を意識した献立を考えてみてください。

ビタミンDについて

ビタミンDの働き

  • 免疫機能を維持する
  • 小腸でカルシウムやリンの吸収促進

1日の摂取目安量

  • 8.5 μg/日(男女とも18歳以上)

ビタミンDを多く含む食材

  • 魚類(サケ、さんま、いわし、さば、かつお、まぐろ、ぶり etc.)
  • きのこ類(キクラゲ、干ししいたけ)、卵黄

欠乏症

  • カルシウムの吸収低下による骨粗鬆症、骨軟化症

過剰症

  • 血中カルシウム濃度上昇による腎機能障害

それでは井原先生に、ビタミンDを含む魚をしっかり食べる簡単レシピのご紹介をお願いしたいと思います。

井原先生 それでは、今回ご紹介しているメニューのレシピとポイントをご紹介します。

さんまのチーズキムチ炒飯

さんまのチーズキムチ炒飯

材料(1人分)
  • ご飯 200g
  • さんまの缶詰(蒲焼き) 100g
  • 玉ねぎ 1/4個
  • キムチ 80g
  • 卵 2個
  • 青ネギ 5g
  • きざみニンニク 小1/2
  • チーズ 20g
  • 紅ショウガ 適量
  • 塩こしょう 少々
  • 濃い口醤油 小さじ1
  • サラダ油 大さじ2
作り方
  1. 玉ねぎはみじん切り、青ネギは小口切りにする
  2. フライパンに油を熱し、玉ねぎを炒め火が通ったら刻みニンニクを加える
  3. ニンニクの香りがしてきたら、溶いた卵を加え半熟の状態になるまでかき混ぜながら加熱する
  4. ご飯、キムチ、さんま、缶詰の汁を加えてダマができないように炒め、塩こしょうで味を調える
  5. 全体に火が通ったら、鍋肌に醤油を注いで香りを立たせる
  6. 器に盛り、チーズ、青ネギ、お好みで紅ショウガを乗せて完成

POINT

  • ビタミンDを手軽に摂れる魚の缶詰を活用
  • ニンニクはペーストではなく、刻みニンニクの方が香り高いのでお勧めです
  • 好きな具材を加えて自分流にアレンジしやすい

鮭や青魚を意識して摂る

鈴木 有難うございます。ビタミンDが多く含まれる食品といえば、青魚を中心としたお魚。缶詰を使うと手軽で、お財布にも優しくていいですね。今回は簡単レシピということで、さんまのかば焼き缶詰を使っていますが、お勧めのアレンジ方法はありますか?

井原先生 一番お勧めしているのは、さんまのかば焼きですが、いわしやサバの缶詰でも、醤油煮や味噌煮でもOKです。色々な魚の種類、味のバリエーションでアレンジ可能なので、自分のオリジナル感が出ていいと思います。

鈴木 自粛生活だからエネルギー量をあまりとりたくないけど、ボリューム的に満足感がほしいという人へのアレンジアイディアはありますか?

井原先生 単純に考えるとエネルギーを抑えるならご飯を減らすことを考えると思いますが、ボリュームが減ってしまいます。そのままの量でレタスを加えるのはどうでしょうか。レタスは炒飯とよくマッチするのでお勧めです。

鈴木 ビタミンDが豊富に含まれる魚といえば、鮭もあります。焼き鮭がポピュラーですが、身近な食べ方としては、おにぎりの具ですよね。でも、今はコンビニでも具材の選択肢が増えたので鮭を選ばない方も増えているのかもしれません。ビタミンDを意識して摂るなら、1日1~2回は魚を使った料理を召し上がっていただきたいです。メインのおかずででなくても、サラダに添えるとか、炒飯に加えるとかでもかまいません。

ただし、ビタミンDが感染症予防にいいからといって、過剰摂取は危険です。たくさん摂取すればするほど免疫機能が高くなることはありません。必要量摂取することで、自分の免疫機能が十分に発揮できます。ということで、耳タコかもしれませんが、毎日、バランスのよい食事をしっかり摂ることを心がけてください!

3密を防ぐ、手洗いうがいを行うこと、プラス、バランスよくしっかり食べること。 これらを徹底して、元気にこの期間を乗りきりましょう。 それではまた次回をお楽しみに!

※食事などでどうしてもビタミンDが摂れない方はサプリメントを利用する方法もありますが、過剰摂取に陥る場合もありますので注意が必要です。ぜひ、サプリメントは栄養の専門職である公認スポーツ栄養士や管理栄養士、栄養士に相談してください。

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