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【SNDJ動画】鈴木志保子と公認スポーツ栄養士による「元気が出る食事」

免疫力を高める食事とは? 鈴木志保子 × 田澤 梓(公認スポーツ栄養士)

2020年04月23日

動画撮影日:2020年4月14日

出 演

田澤 梓(たざわ あずさ) 管理栄養士、公認スポーツ栄養士
元国立スポーツ科学センター女性アスリート育成支援プロジェクト栄養担当。昭和女子大学卒業、委託給食会社にて給食管理業務を経験、その後スポーツクラブでの栄養相談業務、大学陸上部の栄養サポート、2016年度より国立スポーツ科学センター女性アスリート育成支援プロジェクト栄養担当を経て現在、帝京平成大学非常勤講師、日本健康医療専門学校非常勤講師、日刊スポーツ運営「アスリートのためのスポーツ栄養・食育サイト アスレシピ」執筆。

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鈴木 志保子(すずき しほこ) 管理栄養士、公認スポーツ栄養士
一般社団法人日本スポーツ栄養協会理事長。公立大学法人神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部栄養学科教授。
実践女子大学卒業後、同大学院修了。東海大学大学院医学研究科を修了し、博士(医学)を取得。2000年より国立鹿屋体育大学体育学部助教授、2003年より神奈川県立保健福祉大学栄養学科准教授を経て、2009年4月より現職。(公社)日本栄養士会副会長、NPO法人日本スポーツ栄養学会前会長、日本パラリンピック委員会女性スポーツ委員会委員、東京2020組織委員会飲食戦略検討委員など役職多数。

鈴木 今回は、公認スポーツ栄養士の田澤 梓(たざわ あずさ)先生と一緒にお話していきたいと思います。田澤先生、どうぞよろしくお願いします!

免疫力を最大限発揮するために、毎日バランスのよい食事をとりましょう!

鈴木 最初に私から、「免疫力を高める」とか「感染症を予防する食事」とはどのようなものかをお話したいと思います。結論から言うと、「バランスよく食べること」です。え?そんなこと?と思われるかもしれませんが、この食品を食べていれば、この栄養素を摂れば感染症にかからないというものは、残念ながらありません。

免疫力を最大限発揮するために

  1. 摂取エネルギーは多すぎても少なすぎてもだめ。活動量に合った量を摂ること
  2. たんぱく質もしっかり摂りましょう
  3. 感染症予防には、ほとんどすべてのビタミンやミネラルが必要

この3つを実現するためには、様々な食品からしっかり食事を摂ろうということになります。注意すべきことは、特定の栄養素をいっぱい摂れば、そのぶん予防効果が高まるかと言ったらそんなことはありません。

私たちの身体をつくる37兆個もの細胞は、日々作り替えられています。目に見えるわけでもなく、感じることもできないので実感がわかないと思いますが、私たちの身体は約3カ月で全体が入れ替わります。いわゆる新陳代謝ですね。様々な身体の部位や内臓を作り替えるためには、エネルギーや栄養素が必要です。ですから、いつ、どの部位で作り替えが起こってもいいように、3食でまんべんなくエネルギーや栄養素をとりいれなくてはなりません。作り替えの素材が不足すると、弱い身体になってしまいます。私がみているアスリートは、3カ月前の食事から試合が始まっていると考え、細胞レベルで強くなる身体づくりをめざしています。

どうしても、食事だけではなかなか摂りきれない栄養素がある場合は、過剰摂取に気をつけてサプリメントで補ってください。 では、簡単レシピで、しかも栄養価の高い食事ってどういうものなのか?というところを、田澤先生に解説してもらいましょう。

田澤 まず、食事の基本ですが、主食・主菜・副菜・乳製品・果物、この5つのお皿を揃えていくということになります。

そのなかでも、カレーライスや丼ものなど、主食と主菜、副菜が揃っているものもありますので、たくさんのお皿を揃えることだけを考えるのではなく、手間がかからないよう上手に工夫しながら献立を考えていただけたらと思います。

それでは、今回ご紹介しているメニューについてレシピとポイントを説明します。

3食丼定食

3色丼

炒めた合挽肉とほうれん草と人参のナムル、卵をのせた丼で、主食・主菜(ひき肉炒め)・副菜(ナムル・卵)が揃っています。

材料(4人前)
合挽肉 300g、おろし生姜 小さじ1、中濃ソース 大さじ2、卵 4個、ほうれんそう 1/2束、にんじん 1/2本、醤油 小さじ2、砂糖 小さじ2、のり 1枚

作り方
  1. フライパンに、合挽肉・生姜を入れ、中火にかけ炒める
  2. 肉に火が通ったら、中濃ソースで味を調え、肉を取り出す
  3. ②のフライパンを再び中火にかけ、溶いた卵を入れ炒める
  4. 鍋に湯を沸かす。 ほうれん草をざく切り、にんじんを千切りにする
  5. 沸かした湯で④を茹でて、火が通ったらざるにあけ、冷ます
  6. ⑤をしょう油・砂糖で和える
  7. ごはんをどんぶりに盛り付け、刻んだ乗りを敷く、②、③、⑥ を盛り付ける

かぼちゃのチーズ焼き

材料(4人前)
かぼちゃ 1/4個、チーズ 適量、塩 少々

作り方
  1. かぼちゃのワタと種をとり、洗ったらラップで包み、電子レンジ(600w)で5分加熱する
  2. ①を取り出し、一口大に切る
  3. ②にチーズをかけて、電子レンジで2分加熱する
  4. 仕上げに塩を振る

レタスパプリカサラダ

材料(4人前)
レタス 1/2個、パプリカ 1/2個、オリーブオイル 小さじ1、塩 少々

作り方
  1. レタスを一口大にちぎる。パプリカは乱切りにする
  2. ボールにレタス、パプリカを入れ、オリーブオイル・塩で和える

とろろ昆布の味噌汁

材料(4人前)
とろろ昆布、味噌

作り方
  1. 鍋に約700ccのお湯を沸かし、味噌をとく
  2. お椀にとろろ昆布をいれ、①を盛り付ける

POINT

  • そぼろは火の通りが早く、手早く調理できます
  • 今回は鉄分の補給ができるので合挽を使いましたが、鶏のひき肉でもかまいません
  • お肉を炒めた後そのまま卵も炒めるのでフライパンを何度も洗わないでOK
  • どんぶりにすることでごはんがすすみます
  • ほうれん草もお肉と一緒にすると食べやすくなります
  • かぼちゃのチーズ焼きはレンジで調理で手軽に洗い物も少ないです
  • かぼちゃはビタミンAが豊富な緑黄色野菜、ビタミンAは風邪予防する働きがあります
  • サラダにパプリカを入れると緑黄色野菜をとりやすくなります
  • とろろ昆布の味噌汁は、昆布からだしがでるので、だしいらずです
  • 海藻類は食物繊維豊富な食材、おなかの調子を整えてくれます

田澤 運動量が減って体重調整が必要な場合などは、選手の場合はお肉やご飯の量、お肉の種類を調節するとよいと思います。

鈴木 お肉の種類を変えれば、エネルギーを多くしたり少なくしたり、相当バリエーションのあるメニューにできますね。味付けのポイントを教えてください。

田澤 今回、挽肉炒めはお醤油ではなく、中濃ソースを使っていますが、ケチャップやお塩などでの味変が可能です。

コーンつくね定食

コーンつくね

材料(4人前)
鶏ひき肉 300g、塩 少々、コーン 1缶(120g)、サラダ油 大さじ1/2、おろし生姜 小さじ1、砂糖 小さじ2、醤油 小さじ2

作り方
  1. ボールに鶏ひき肉と塩を入れ、良くこねる
  2. ①にコーン・おろし生姜を混ぜ合わせる
  3. 俵型に成形する
  4. フライパンに、油をしき、中火で③を焼き付け、両面焼けたら蓋をして蒸し焼きにする
  5. 肉に火が通ったら、砂糖・醤油を加えて煮詰める
  6. お皿にミニとまととともに盛り付ける

ほうれん草ツナ和え

材料(4人前)
ほうれん草 1束、ツナ缶詰(水煮) 1缶、醤油 大さじ1/2

作り方
  1. たっぷりの沸騰湯で、ざく切りにしたほうれん草を茹でる
  2. ①が茹で上がったら、ざるにあけ、冷ます
  3. ②に汁をきったツナ、醤油を加え和える

白菜とりんごのサラダ

材料(4人前)
白菜 4〜5枚(150g)、リンゴ 1/4個、豆苗 1/2束、ドレッシング

作り方
  1. 一口大に切った白菜を耐熱容器にいれ、電子レンジ (600w)で3分加熱し、冷ましておく
  2. りんごは薄切りに、豆苗はざく切りにする
  3. ①と②を混ぜ合わせ、お皿に盛り付け、好みのドレッシン グをかける

椎茸と豆腐の味噌汁

材料(4人前)
干し椎茸(スライス) 10g、絹豆腐 1/2丁、味噌

作り方
  1. 鍋に約700ccのお湯を沸かし、干し椎茸を入れる
  2. 味噌をとき、さいの目に切った豆腐を加える

POINT

  • つくねは主材料2つで手軽に作れます
  • ボール1つで下ごしらえができるので洗い物も楽
  • お魚が苦手な人でもツナ缶だと臭みも控えめなので比較的食べやすい
  • サラダにりんごを入れると、抗酸化作用のあるビタミンC,ポリフェノールをとることができ、体の酸化を予防してくれます
  • 豆苗は緑黄色野菜の1種。生で食べられるので、サラダにしたり、味噌汁に入れるのもおすすめです
  • ほうれん草をツナで和えるとおいしく食べられます
  • 魚を食べる機会があまりない場合、ツナやちくわなどの練り製品を副菜などにプラスすると取り入れやすいです
  • ツナは中性脂肪抑制したり、血栓を予防するEPA、DHAが含まれます
  • 味噌汁は干しシイタケを使うことで、だしをとらずにおいしく作れます

田澤 運動量が落ちて体重調整が心配な方は、オイル漬けではなく、水煮のツナ缶を使用してください。果物は単品でとる以外にも、サラダに入れることで食べ方のバリエーションが広がります。

鈴木 コーンつくねは、他にバリエーションは考えられますか?

田澤 鶏ひき肉を合挽肉にしたり、ツナ缶やサバ缶を使っても美味しくいただけます。

鈴木 ご紹介している料理は皆、いい色合いですね。献立はなるべく単色にならないよう、色々な色の食材を使うことが大切です。カラフルになると美味しそうに目に入ってくると同時に、バラエティに富んだ栄養がとれます。 特に、南瓜を含め赤い色や濃い緑色の野菜はβカロテン(体内でビタミンAに変換)がたくさん入っており、皮膚や粘膜を健全な状態に保つ働きがあります。感染症を予防したいのであれば、粘膜の保護をしてくれる色が濃い野菜が入っているといいですね。

田澤 つくねには、冷凍のミックスベジタブルを使っても美味しくできます。

マンゴーヨーグルト

材料(4人前)
ヨーグルト 450g、ドライマンゴー 60g

作り方
  1. ヨーグルトにドライマンゴーを漬ける
  2. 15分以上置いたらできあがり

POINT

  • ヨーグルトにつけておくだけでできあがり
  • すぐに食べても、保存しておいてからもおいしく食べられます
  • マンゴー以外のドライフルーツでも応用できます
  • グラノーラとあわせると、軽食にもなります

お麩ラスク

材料(2人前)
お麩 15個(5g)、バター 35g、グラニュー糖 3g、トッピング材料

作り方
  1. バターを電子レンジ(600w)で1分加熱し溶かす
  2. 溶かしたバターに麩を戻さずに入れ、バターを絡める
  3. クッキングシートに②を並べ、グラニュー糖を振りかける
  4. トッピングがあればトッピングも飾る
  5. トースター(600w)で3分加熱する

POINT

  • やさしい甘さで、ココアなどでアレンジもできます
  • さくさくとした軽い食感です。明太子マヨネーズやバジルソースなどで作るとおつまみにもなります

田澤 次にデザートをご紹介します。「マンゴーヨーグルト」は、ドライマンゴーをヨーグルトに漬けておくだけでできるので超簡単です。乳製品を毎日欠かさずとることは非常に重要ですが、脂肪を調整したい方は、無脂肪やプレーンのヨーグルトを使用してください。

「お麩のラスク」は、エネルギーがそれほど高くなくても甘いものが食べたいというときに、とてもお勧めです。お麩じたいは低カロリーでたんぱく質も含まれていてヘルシーな食材です。バターを多少染みこませますが、揚げているわけではないので、食べ過ぎなければ心配するほどではないと思います。

鈴木 私、揚げたお麩のお菓子を食べて、昔太ったことがあったんですよね。あまりに美味しくて止まらなくて(笑)でもこれはトースターで焼いただけだから安心ね。これは何かアレンジできますか?

田澤 粉砂糖をまぶす以外にもチョコやココア、シナモンパウダーをトッピングするとまた違った味わいになりますね。あと、今回は甘く作っていますけれど、アンチョビやバジルソースとかしょっぱい系にしても美味しく召し上がれます。

鈴木 お酒のつまみにいいというのは嬉しいですね。そのときはバターを使わないであっさり目にするといいですね。「マンゴーヨーグルト」の作り方を教えてもらってもいいですか?

田澤 はい、タッパーの中にヨーグルト400~500gとドライマンゴーを入れるだけです。半日くらい置くと、ドライマンゴーが元のマンゴーに戻るんですね。マンゴーは大きすぎれば切って召し上がっていただければと思います。これにシリアルなどを混ぜて朝ごはん代わりすれば、主食と乳製品、果物が摂れます。

鈴木 実はこれ、私もやったことあります。すごい美味しいですよね!一度やったらやめられない(笑) ドライフルーツは、果物の水分をなくして凝縮した形なので栄養価がすごく高いんです。ドライだから容量が少なくなるので食べ過ぎには注意が必要。でも今回みたいに戻した形にすると容量が増えるので少ない量にしても食べ応えが違いますね。

献立はバラエティ感が大切。楽しく工夫しましょう

鈴木 今回、簡単にできるレシピを色々出してもらいましたが、田澤先生がメニューを作るときにいつも気をつけていることはなんですか?

田澤 メニューと考えるときに、味付けや調理法、見た目にバラエティ感を出すことでしょうか。揚げ物が主菜なら、副菜は酢の物や和え物にするとか、味付けが濃いものだったら、薄いものを合わせる、和食がメインだったら、洋食のサラダをもってくるなど。洋食のフルコースを食べるわけではなく、色々なものが混ざっているのが家庭料理の良さだと思います。

鈴木 先生は忙しいときに、お惣菜を買ってくることはありますか?

田澤 もちろん、あります!

鈴木 お惣菜に何かひと工夫したりしていますか?

田澤 トレーに入ったまま食卓に出さないのもそうですが、例えば餃子を買ってきたら、野菜あんかけを作って餃子にかけるとか、野菜をたっぷり入れたスープに餃子を入れてスープ餃子にしてみるとか。

鈴木 すばらしい、野菜も一緒にとれるからいいですね。田澤先生のレシピから良いことがいっぱい聞けました。

朝イチ排尿後の体重測定で、体重増減ないかを毎日チェックする

鈴木 今回のような自粛のとき、先生自身はウエイト管理をどうしていますか?

田澤 私の場合は室内でバランスボールエクササイズを毎日やっています。あとは体重を毎朝測って食べすぎてないかをチェックしています。

鈴木 アスリートも、アスリートを指導している公認スポーツ栄養士も皆そうだと思いますが、朝イチ排尿後の体重を毎日測定することはとても大切です。昨日の活動量と食べた量に対して良かったかどうかを把握してその日を過ごす。

太ってもエネルギーが不足しても、感染症の予防効果は下がってしまうので、今の体重をできるだけ変動がないように維持するのがポイントです。バランスよく食べるということと、どれくらい食べたらいいかということはセットで考えること。 ぜひ実行してもらいたいと思います。

鈴木 田澤先生の活動を紹介してもらえますか?

田澤 国立スポーツ科学センターの女性アスリート育成支援プロジェクトで栄養サポートを行っていました。現在、個別サポートでは、食事評価から栄養面談で改善のアドバイスを行ったり、チームでも集団講習会をしながら個別サポートを行っています。

鈴木 バランスよく食べることが感染症の予防には効果的です。当たり前のことではありますが、その当たり前をきちんとやっていくことが今、求められています。

3密を防ぐ、手洗いうがいを行うこと、プラス、バランスよくしっかり食べることで、この期間、皆さんどうぞ元気にお過ごしください。 ありがとうございました!

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